2月7日まで首都圏、関西圏などで再び緊急事態宣言がでている。患者さんに安心して来院していただくために「見せる魅せる感染対策」を工夫しよう。多くの歯科医院で色々な感染対策が行なわれているが、主なお勧めの実施事項をご紹介する。

  1. 待合室のアクリル板:診察券や保険証、現金をやりとりできる窓が開いているものが販売されている。
  2. 受付の透明ビニールカーテン:カウンターが大きい場合、天井から透明ビニールカーテンをつり下げている医院が多い。ただし、エアコンの吹き出し口に干渉すると冷暖房が効きにくくなるほか、内側に空気が滞留するので要注意である。
  3. 受付の手袋着用:現金を触るので、サージカルのものではなく、布製で滑りにくいものがよい。
  4. 駐車場で待てる呼出し装置:駐車場がある場合、車で待ちたいという患者さんがでてくることがある。飲食店用の呼び出しベルがあると、スマホで呼び出す手間が省ける。駐車場が医院から多少離れている場合は事前にテストをしておこう。50mぐらいは電波が飛ぶので、対応できる可能性が高い。
  5. 待合室での座席へのソーシャルディスタンスの維持表示:市販されている表示を購入したり、自医院でラミネートして美しく作成し、きちんとした医院であることをお伝えできるよう工夫しよう。
  6. 非接触自動体温計置き型:受付で非接触体温計を眉間に充てられるのは嫌な感じがするし、受付の手間も大変である。自動式体温計も値段が下がってきた。非接触だし、受付スタッフが業務を中断して計測する必要もない。患者さんにとっても先進機器を導入しているイメージを与えやすい。
  7. 自動消毒液噴出装置:アルコールディスペンサーをエントランスに設置しておけば、非接触で清潔感があるし、先進的なイメージを与えやすくなる。
  8. 空気清浄機(チェアごと):エアロクリーンなどの大型高性能の空気清浄機を設置するのもよいが、お勧めはチェアごとに小型の空気清浄機を設置することである。患者さんの6割が主婦であり、テレビCMなどで見慣れたプラズマクラスターなどの空気清浄機がユニットごとに設置されていれば、それをみて安心してくれる。パーテーションで仕切られた診療空間であれば5分程度で空気が一巡する。
  9. 換気の表示:始業時と昼休みに換気し、それを待合室に表示しておこう。ただし、窓の開けっ放しは避ける。外気の埃やブドウ球菌などの細菌が診察室内に入り汚染されるためである。建物には24時間換気システムが設置されているほか、歯科医院では至るところに換気扇が設置されている。このため、始業前と午後の診療前に10分から15分間の換気をすれば十分である。
  10. マスク+ゴーグル+フェイスシールド装着:歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付も、マスクに加えてゴーグルとフェイスシールドを着用しよう。患者さんが見て安心感を抱いてくれる。
  11. 見える部分のラップによるバリア:ランプの全面にラップを貼って患者さんごとに交換している医院がある。ランプを消灯しているときにランプカバーに水滴の跡が付着していると不潔に感じるが、ラップの交換から感染対策への安心感が伝わる。
  12. 患者に恐怖感を与えるものは逆効果:例えば、医療用ガウンは患者に「来てはいけない危険な場所」というイメージを与える。しかも、患者ごとに交換するならともかく、使い回しは医療スタッフが危険から自分達を守るためと感じさせるので、避けた方が賢明である。

以上