■はじめに


金価格の高騰を受けて、12%金銀パラジウム合金が高騰している。
現在の市場価格は、30gあたり16万円~18万円前後で推移しており、1gあたり5,333円~6,000円程度になる。
昨年12月に改定された保険の償還価格は、30gあたり11万4,060円で1gあたり3,802円、3月改定の価格は30gあたり14万3,370円で1gあたり4,779円、逆ざやのままである。

例えば、大臼歯の金属冠を作製するために約3.5g使用すれば、金属代だけで18,665円~21,000円かかる。
しかし、保険で償還される金属代は、3月改定後でも16,727円で、歯科医院は1,938円以上の赤字になる。
どうすればよいだろうか。


■ 国の方向性は「脱金パラ」


今年6月の診療報酬改定でも、できるだけ金パラを使用しない方向性となっている。義歯のクラスプも歯科鋳造用コバルトクロムを使用することとされた。また、チタンブリッジが保険収載され、高強度レジンブリッジの点数が3,000点に上げられる。


下表は、全部金属冠とCAD/CAM冠では、どのくらい採算性が違うか試算した結果である。FMCでは粗利が7,007円しか残らないが、CAD/CAM冠は粗利が15,660円残る。FMCをできるだけ避けたいところである。


■まとめ


CAD/CAM冠は、補管対象であり、2年間持つかどうか不安があり、プラークが付着しやすく歯周予防によくない、脱離や破折リスクなど耐久性に不安がある、等の理由で大臼歯への適用をためらう先生が多いようである。

しかし、保険で白い材料を希望する患者さんも多い。
また、CAD/CAM冠が採算性が良いと言っても自費のジルコニアや e-maxの方が数倍の利益を生む。

そのため、「保険の白い材料で治療しますが、脱離したり破折したりしたりすることがあります。その場合は今回の窓口負担を返金しますので、自費のセラミックスに変更しましょう」などと説明をしていただきたい。
インレーやクラウンが脱離したり破折したりした患者さんは、長持ちするよい治療を選ぶ可能性が高いからである。  

以上