【コラム】
週末、コロナ禍の緊急事態宣言で9月から延期した歯科カウンセラー養成講座を開催しました。
換気など感染予防対策を取りながらの開催です。
東京のみならず長野、愛知、群馬、兵庫など遠方からご参加くださいました。
座学のみならずロールプレイ主体のセミナーですがとても熱心に受講いただきました。

丸一日かけてじっくりロールプレイをしたので皆さんお疲れでしょうが、実践したことで、すぐに本日からの診療に役立てていただけると思います。

今年度の「歯科カウンセラー養成講座」はこれで終了です。

来年度の「歯科カウンセラー養成講座」は、
第一回
令和4年5月29日(日)午前9時30分~午後5時まで。
第二回
令和4年10月30日(日)午前9時30分~午後5時まで。

5月は家の光会館セミナールーム、10月は飯田橋レインボービルにて開催します。定員20名です。
ご参加をお待ちしています。

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2021年度プログラム
■定評ある自費カウンセリングセミナー 
●ドクター向け 2日間 受講料は220,000円(税込・昼食込)です。
(緊急事態宣言が延長されたため日程を変更していたものです)
「ドクターのための究極の自費増大の話術教室」 2022年2月10日(木)11日(金祝)
・講師3名、受講生6名限定です。 
・心理学をベースにした徹底的なロールプレイで、話術を持ち帰れるセミナーです。

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【2022年度プログラム 対面式セミナー】 会場:飯田橋レインボービル
1月16日(日)13:00~17:00 「新春セミナー」
テーマは、「令和4年度歯科診療報酬改定の方向性」
1月時点で、判明している最新の情報から、今後の歯科に対する方向性まで推測しながら解説します。
そして、「歯科医院経営の環境変化と対応方向を考える」です。
人口減少と高齢化のなかで、どんな対策が必要になっているかを考えます。
終了後、緊急事態宣言が出ていなければ、懇親会を予定しています。

4月17日(日)13:00~17:00 「接遇セミナー」
受付助手の方、歯科衛生士の方を含めて、「歯科医療の基本知識」「接遇の基本」です。
定員20人です。

6月19日(日)13:00~17:00 「経営塾」
今回のゲストは、山梨県甲斐市開業のクリニックささもと歯科の笹本 宝先生 にお願いしています。
アポロニア21 5月号に掲載された先生です。
典型的な予防型歯科医院で、歯科医師と歯科衛生士の絶妙なバランスでこだわりの経営をされています。
これからの歯科医院経営の一つの方向性を示されていると思います。
こちらも、終了後、緊急事態宣言が出ていなければ、懇親会を予定しています。

【2022年度プログラム WEBセミナー】各回16:00~17:30
1月20日(木) 「環境変化と診療報酬改定を考える」
 2月17日(木) 「勝ち残る!差別化戦略の策定方法」
 3月17日(木) 「患者を集める!マーケティング対策」
 4月21日(木) 「自費を増やす!自費増大のマネジメント」
 5月19日(木) 「WEBマーケティングとSNSの進め方」
 6月23日(木) 「採算性を高める!予防歯科の導入対策」
 7月14日(木) 「困ったトラブル患者対策の進め方」
 8月18日(木) 「歯科医院のための人事制度の構築」
 9月22日(木) 「医院を守る、就業規則の策定」
10月13日(木) 「スタッフを育成する人事評価制度の導入」
11月17日(木) 「モチベーションを高める給料賞与の払い方」
12月15日(木) 「何とかしたい! 問題職員対策の進め方」

【2022年度自費セミナー】
1.歯科カウンセラー養成講座 第1回 5月29日(日)9:30~17:00
              第2回10月30日(日)9:30~17:00
待合室に掲示できる、「歯科カウンセラー養成講座修了証」を発行します。
歯科助手のキャリアアップが1日でできる講習会です。お勧めです!
毎回人気のセミナーで早めに満席になります。お早めにお申込みください。
受講料:22,000円(税込・昼食込)
会 場:5月家の光会館セミナールーム、10月飯田橋レインボービル
定員20名

2.ドクターのための究極の自費増大の話術教室 9月18日(日)~19日(月祝)
受講料:220,000円(税込・昼食・懇親会込)
会 場:(予定)アットビジネスセンター渋谷東口駅前会議室
講師3名に対し受講生定員6名という贅沢なセミナーです。

【お知らせ】
※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ

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では、メルマガを始めさせていただきます。
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【メルマガの主旨】
優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング対策が必要です。
このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。
みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。
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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日 
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社 M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策 第429号

【目次】
1.トラブル患者への対策を考える
2.他産業でいえばどんなこと?
3.歯科医院ではどうすればよい?
4.まとめ
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■1.トラブル患者への対策を考える

長かった緊急事態宣言が終わり、初診患者が少しずつ戻ってきました。
しかし、以前に院内で問題を起こしたトラブル患者が再び予約を入れてくる可能性があります。そうなるとトラブルが頻発し、歯科医師もスタッフも疲弊してしまいます。
このため、このような問題患者をリストアップして対策を院内で共有しておきましょう。

・トラブル患者の困った実態
先日、ある医院で、予約キャンセルを20回以上繰り返してくる中年の女性患者さんからの予約電話がかかってきました。
担当していた歯科衛生士が受けたのですが、
「確実にご来院できる日時でご予約いただきたい」と伝えたところ、「確約できない」と返されて、それでは予約できないと押し問答になり、担当の歯科衛生士が泣き出してしまいました。 

他の例では、「痛いところだけ治療して欲しい、歯石とりなどしないでくれ」と強硬に主張する患者や、いくら説明しても「絶対にレントゲンを撮らないで欲しい」という患者などがいます。

服薬中の薬を聞くと「絶対に教えません」と回答した女性患者もいました。これでは抗生物質も痛み止めも処方できません。
極度の歯科恐怖症で、突然自分でユニットを下りて帰ってしまう患者もいました。

先日はある歯科医院で、ナルコレプシー(眠り続ける睡眠症の精神疾患)で、ユニットを倒したらそのまま2時間以上も眠ってしまった女性患者がいました。
スタッフが傍でずっと待機させられ、ユニットも空けられず、医院は大迷惑でしたが、本人はケロッとして帰っていきました。

これらの困った患者さん達に加えて、過去に暴言や暴力行為のあった患者さん、
セクハラ行為があった患者さん、クレーム体質の患者さん、遅刻常習患者や無キャン常習、頻回の予約変更をする患者さん、極度の痛がりや歯科恐怖症、認知症の疑いのある高齢患者さん、うつ病や統合失調症など精神疾患の疑いのある患者さん、多動症などの発達障害の疑いのある患者さんなどがいます。

彼らが来院すると歯科医院は非常に困った事態に陥ります。
それは、その患者への対応に時間とスタッフを取られてしまうからです。
当然ながら治療が進まず、診療回数も多くなりがちです。

このため、自院で診療を継続するよりも、大学病院などの専門医療機関に送ったほうが、患者さんのためにもよいと考えられるケースも多いのです。

■2.他産業でいえばどんなこと?

レストランや小売業などでの理不尽なクレーマー対応はどうしているのでしょう。
「納得・了解」を目指すのではなく、
「クレーマーの要求を断りあきらめさせる」ことが大切になります。
断るとクレーマーは怒りますが、それでもひるまずに同じ説明をし続け、明確に断り続けます。

それでも納得のいかない悪質なクレーマーには弁護士に相談し文章を出すなど対策を講じます。
理不尽な要求を繰り返す相手は、お店に不利益を与えるため、「お客様」ではなく「対等・公平」な相手と意識を変え、対応しています。

■3.歯科医院ではどうすればよい?

・トラブル患者の診療拒否や紹介は可能か
では、このようなトラブル患者達の診療を断ったり、大学病院などに送ったりしてもよいのでしょうか。まず、応召義務があるので診療を拒否できないのでしょうか。
歯科医師法第19条で、正当な事由がなければこれを拒んではならない、と定められており、言い換えれば正当な事由があれば拒んでもよいということです。

例えば、暴言や暴力行為のある患者、セクハラ行為や必要な検査を拒否する患者、遅刻や無断キャンセル常習、頻回の予約キャンセル患者など、診療契約の前提となる信頼関係が構築できない患者に対しては、これを理由に診療契約を拒否することができます。

当然ながら、その際はきちんとその患者に理由を伝える必要があります。
毅然ときっぱりと伝えることが大切です。

また、歯科疾患以外の理由で自医院で手に負えない患者を大学病院などへ紹介してもよいのでしょうか。
これについては、療養担当規則第16条に規定があります。
例えば、痛みの原因が歯科専門外の精神疾患や神経症状の疑いがある場合や、歯科以外の原因が想定される場合、あるいは、その患者さんの体調や精神状況などで自医院では手に負えない場合などは、むしろ専門医療機関に送るなど適切な措置を講じる必要があるのです。

・トラブル患者への対応を医院として検討し、共有しておく必要がある
とはいえ、このような患者を無条件に拒否したり、専門医療機関に送ったりすることは医院として得策ではありません。
例えば、当院でインプラントを複数埋入した患者などはトラブル患者でも継続的に予後を診ていく必要があります。
逆に、無断キャンセル常習だった患者さんは、自費治療やインプラント、矯正治療が見込まれる患者であっても、きっぱりと以後のご予約をお断りしたほうが結果的に得策です。
このように個々の問題患者さんごとに方向性を検討する必要があります。
ただし、このような患者さん達への対処を、担当医や担当の歯科衛生士、あるいは受付がそれぞれ勝手な判断で行なわないようにする必要があります。
暴言や暴力はともかく、治療に際してうるさい患者や面倒な患者というだけで問題患者扱いにしてしまうこともあるかもしれません。

つまり、医院として過去のトラブル患者をあらかじめリストアップして、一人ひとり対処を決めて、医院として共有しておく必要があるのです。

そして、予約システムにアラームを表示したり、カルテケースに目印をつけたりして、予約が入ったときの対応を医院として共有しておくのです。

■4.まとめ

コロナ禍のなかでも、総患者数では元通りかそれ以上に回復した歯科医院も多いのですが、長引いた緊急事態宣言によって初診患者が激減しており、いまだに一昨年の7割から8割程度の医院が多いようです。
これから本格的に初診患者が戻ってきますので、過去にトラブルを起こした患者については、院内で対応を共有し、歯科医師や歯科衛生士、受付や歯科助手などスタッフを守り、その患者さんにとっても最善の方向性を考えていただきたいと思います。

以上