【コラム】

診療報酬改定の説明会で忙殺されています。

考え方が、治療から管理、連携に変わっているため、
とまどう医院が多いようです。

また、在宅の点数が、居宅、3人まで、9人まで、19人まで、20人以上にわけられ、
3人を超える点数が下がり、特に20人以上は95点と従来の半分になっており、
1人20分を流れ作業のように処置するような訪問診療はするな!
という行政の姿勢がうかがえます。
しかし、
訪問歯科診療の受療率が、要介護者の4分の1程度にすぎないという状況のなかで、
効率的に診療できなくなったために、
訪問歯科診療から撤退する歯科医院もでてくるのではないかという懸念があります。
その場合、患者さんや家族からは、流れ作業でも来てくれていたほうがよかった、
という結果になるように思います。

いずれにしても、9人までで帰って来なければ採算性が大きく低下するため、
訪問歯科診療の訪問回数や予約数を見直す必要があります。
逆に、これまで居宅の訪問歯科診療が伸びてこなかったのですが、
今回の改訂で、居宅1人の場合は20分ルールがなくなり、
歯科医師が1人で鞄をもって患家を訪問し、10分~15分処置をすれば
1100点を算定できるようになったため、
医院に近い患家から、空いた時間に往診するケースが増えてくると思います。

6月23日の「M&D経営塾」では、
私から診療報酬改訂と算定のポイントについて解説させていただきます。
また、人口減少と高齢化の中での歯科医院の将来像を予測したうえで、
歯科医院の持続可能性についてお話したいと思います。

そしてメインの講座は、
特別講師として、弁護士と歯科医師のダブルライセンスをお持ちの、
弁護士法人 小畑法律事務所 代表弁護士 小畑 真 先生をお招きします。

なにごとも、
「知っておくか、知らないままにするか」、で結果が大きく違ってきます。
ぜひ、ご参加ください。

受講料: 11,000円(税込)
会 場:飯田橋レインボービル
定 員: 30名
https://md-management.jp/improve/

なお、このセミナーはオンライン配信は行いません。
後日、録画のDVDを販売する予定です。
1枚 15,400円(税込)です。

合わせてご検討ください。

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NEW【2024年度 歯科経営改善ゼミナール】※対面式

6月23日(日)13:00~17:00 「M&D経営塾」
特別講師として、弁護士と歯科医師のダブルライセンスをお持ちの、
弁護士法人 小畑法律事務所 代表弁護士 小畑 真 先生をお招きします。
受講料: 11,000円(税込)
会 場:飯田橋レインボービル
定 員:4月 20名、6月 30名
https://md-management.jp/improve/

NEW【2024年度 WEBセミナー】 各回16:00~17:30
                       
7月18日(木)4「これがポイント!スタッフが納得する会議とミーティングの進め方」
9月19日(木)5「これがポイント!スタッフが納得する人事評価票の設計」
10月17日(木)6「これがポイント!スタッフが納得する賃金制度の設計」

受講料:各回6,600円(税込)
受講方法:オンタイムまたは録画視聴からお選びいただけます。

NEW【2024年度自費セミナー】
1.ドクターのための究極の自費話術教室
第2回  7月14日(日)、15日(祝月)
第3回 10月13日(日)、14日(祝月)
受講料:275,000円(税込・昼食込)
会 場:【予定】アットビジネスセンター渋谷東口駅前会議室
定 員:各6名
https://md-management.jp/conversation/

2.歯科カウンセラー養成講座
第2回 7月28日(日)9:30~17:00
第3回10月27日(日)9:30~17:00
受講料:27,500円(税込・昼食込)
会 場:飯田橋レインボービル
定 員:各20名
https://md-management.jp/counselor/

【お知らせ】
※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ
https://md-management.jp/dvd/

                          
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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】
優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング対策が必要です。

このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。

みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。

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【発行周期】 第2、第4月曜日
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策 

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「院内恋愛のルールをつくろう」

【目次】

1.はじめに
2.他産業でいえばどんなこと?
3.歯科医院ではどうすればよい?
4.まとめ
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■1.はじめに

先日、ある歯科医院から院内恋愛について相談を受けました。
アルバイトの非常勤歯科医師が、受付助手のAさんにモーションをかけている。
Aさんは嫌がっているが、どうすればよいか、というものでした。

この場合、対処を間違えると
この歯科医師も受付助手のAさんも辞めてしまう可能性があります。
かといって基本的に恋愛は自由です。
どうすればいいでしょうか。

女性中心の職場である歯科医院にとって放置できない問題です。

■2.他産業でいえばどんなこと?

社内恋愛はどの企業でも起きています。
それは、平日は朝から夜まで仕事をしているので、
どんな産業でも、他の職場や環境にある異性と出会う機会が限られるからです。

せいぜい友人の結婚式で出会ったり、誕生パーティで知り合ったり、
紹介されて交際が始まったという程度でしょう。

最近は、アプリや合コンでの出会いもあるようですが、
出かけるにも残業のない日を選ばなければならず、
一般企業でも結構ハードルは高いと思います。
そのためか、
前職のゼネコンでも、社内恋愛でゴールインしたカップルがたくさんありました。

しかし、破局するケースもありました。
その場合、女子社員が退職していくケースが大部分でした。

■3.歯科院ではどうすればよい?

歯科医院は女性が主体の職場であり、
勤務医とスタッフの恋愛や、
取引業者の営業マンとスタッフとの恋愛が起きることがあります。
また、患者さんから誘われることもあるでしょう。

もちろん、まじめに交際しているのなら問題にはなりません。
数年前に帯広開業の秀和会つがやす歯科医院の栂安秀樹理事長(当時)から、
同歯科医院の40周年記念式典の席でお聞きしたのですが、
院内恋愛から結婚したカップルが40年で22組もあったそうです。
同医院が積極的に院内恋愛を推奨しているわけではないのですが、
100人もの歯科医師やスタッフが集まるなかで自然にカップルが誕生し、
子ども達を連れて同窓会にやってくるスタッフも多いということです。

このように幸福になってくれればいいのですが、
残念ながら破局してしまうカップルも多いのが実情です。

弊社のあるクライアント医院で、
結婚を前提に付き合っていた勤務医と受付スタッフがいたのですが、
その勤務医が浮気をしたと、
待合室の患者がいる前で勤務医を蹴りつけて大騒ぎになったことがあります。
二人とも院内に居づらくなり退職していきました。
医院は勤務医と受付スタッフを失い大きな損失になりました。

院内恋愛が噂になって辞めていったケースもあります。
この医院では院内恋愛は結婚を前提とすること、という院内ルールを設定していました。

歯科医師同士の院内結婚や、歯科医師と歯科衛生士の院内結婚もありました。
その医院で、歯科医師と受付チーフがつきあっているという噂が流れてきました。

院長は二人を別々に呼び、付き合っているのなら応援すると伝えたところ、
二人とも交際していることを否定しました。
やがて女性から退職願いがだされ、両親の都合で引っ越すということでした。
そして、数か月後に歯科医師も退職していきました。

驚いたのは、
1年後に二人が結婚して子どもが生まれたというニュースが入ってきたことです。

医院を辞めてからお互いの気持ちに気づいて交際が始まったのかもしれませんが、院内の無責任な噂や視線が嫌になった可能性もあります。
いずれにしても、医院としては歯科医師と受付チーフを失ったのです。

このように院内恋愛は大変微妙な問題です。
医院としては人材不足のなかでせっかく採用した貴重なスタッフを失うわけで、院内恋愛について何らかの対策を講じたいという医院は多いと思います。

院内恋愛に起因して医師免許がはく奪された事件や、
解雇された事件も起きています。

医師免許がはく奪された事件は、総合病院で看護師と交際していた医師が、
別の女性と婚約し、交際していた看護師が妊娠していたため密かに薬をのませて堕胎させ、不同意堕胎で刑事告訴された事件です。
この医師は刑事罰を受け、医道審議会にかけられて歯科医師免許をはく奪されました。

社内恋愛で解雇された事例は、
妻子あるバス運転手が未成年の女性バスガイドと不倫関係になり、
そのバスガイドが妊娠したため中絶させ、
そのバスガイドが退職を余儀なくされたというものです。

バス会社はその運転手を解雇したところ、
その運転手が不当解雇として会社を提訴したのです。

裁判所は解雇を認め、会社側が勝訴しました。
理由は、若いバスガイドが戦力として欠かせない観光バス会社にとって、
「運転手とバスガイドとの間の風紀維持は
経営者として最も留意すべき重要事項である」という理由からです。

この不倫によって、このバスガイドの退職だけでなく、
他の女子従業員が動揺し、噂によって求人での悪影響がでたほか、
このバス会社の社会的地位、名誉、信用等が傷つけられ、
業務の正常な運営を阻害されたことが認められたのです。
「社内恋愛による懲戒解雇の裁判例(長野電鉄事件・東京高判昭和41年7月30日判決)」
裁判所も、
「院内の風紀維持は経営者として最も留意すべき重要事項である」
としているのです。

■4.まとめ

院内恋愛のルールを定めておこう

歯科医院は若い男女が多いため、
院内恋愛が行われているとシフト編成などで周りが気を遣ったり、
微妙に院内の風紀が乱れてきたりすることがあります。

そのため、院内恋愛を禁止している医院や、
禁止まではしていなくても「必ず結婚すること」を院内恋愛の前提として、
「遊び」での院内恋愛を禁止している医院も多いようです。

無責任な院内恋愛がおきないように、
院内ルールとして明文化しておくことをお勧めします。

また、院内恋愛が発覚したら、
院長はできるだけ早く二人と面談をして、二人の将来の意向を確認し、
成就するように釘を刺しておく必要があります。

院内恋愛で二人とも幸せになってくれれば、長く勤務してくれることにつながり
歓迎すべきだからです。

困るのが、外部の業者や、患者さんからからの
女性歯科医師やスタッフへの交際の誘いです。

これを防止するため、
誘われたらすぐに院長に申告するように院内ルールで定めておく必要があります。

業者の営業マンと合コンに行ったり、食事に行ったりなどの関係が起きると、
歯科衛生用品の購入などで便宜を図るようになったり、
不必要なものを購入したりという行動につながる危険があります。

また、患者さんとの交際も、特別な対応をするなど、
周りの患者さんやスタッフなどに違和感を与えたり、
他のスタッフも紹介されて付き合うなど風紀の乱れが広がったりする危険があります。

そして、どちらの場合も、真面目に付き合って結婚してくれればいいのですが、
そうでない場合は女性スタッフの退職につながっていく危険があります。

ある医院では、スタッフが患者さんからの交際申し入れを断ったところ、
ストーカー行為をうけて警察に相談したこともあります。

このため、業者や患者さんから誘われた場合は、
すぐに院長に申告することをルール化しておくことをお勧めします。
申告をうけたら、院長は本人と面談して意向を確認し、
スタッフが交際を嫌がっているのであれば、
その業者や患者さんと面談して毅然と断る必要があります。
場合によっては、出入り禁止の通告も必要になります。

本来、恋愛は個人の自由で行われる私生活上のもので、
医院が不必要に干渉することは避けなければなりせん。
しかし、破談になった場合に業務で問題が生じたり、
片方が退職したりすることがあるため、
歯科医院にとって重大な経営上のリスクでもあります。

不幸になるスタッフや、居づらくなって辞めていくスタッフを生まないために、
院内ルールを定めておきましょう。
それは、「院内の風紀維持は経営者として最も留意すべき重要事項」だからです。

以上

*******************

【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久