【コラム】
早いもので今年も残り5日となりました。
街には年末の買い物客で大賑わいです。

オミクロン株感染者数が日に日に増加しており、今後の動向が気になるところです。

政府は国際線の予約停止要請、3回目ワクチン接種の間隔の見直しなどを検討しています。国内では感染者数が比較的に落ち着いています。

感染症専門家によると、引き続き基本的な感染対策を個々が徹底し、少しでも体調が悪ければなるべく外出しない、検査受けるなども大切だと話しています。自己免疫力を高め、ウイルスに負けない体づくりをしたいものです。

来年度の診療報酬改定の基本方針と改定率が発表されました。
0.43%アップということで、1月に入ると詳しい内容が少しずつ出てくるでしょう。
1月16日(日)の新春セミナーで、解説させていただきたいと思います。
また、
コロナ禍で、歯科経営を取り巻く環境が変化しています。
そのなかで、いたずらに大型化を志向するのではなく、歯科医師が幸せに暮らせる医院規模というものがあるようです。このあたりについても、解説させていただきたいと思います。

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【2022年度プログラム 対面式セミナー】 会場:飯田橋レインボービル
1月16日(日)13:00~17:00 「新春セミナー」 ※対面式/オンライン併用セミナー
テーマは、「令和4年度歯科診療報酬改定の方向性」
1月時点で、判明している最新の情報から、今後の歯科に対する方向性まで推測しながら解説します。
そして、「歯科医院経営の環境変化と対応方向を考える」です。
人口減少と高齢化のなかで、どんな対策が必要になっているかを考えます。
終了後、緊急事態宣言が出ていなければ、賀詞交換会を予定しています。
受講料:対面式/オンラインともに5,000円(税込)
賀詞交換会会費:5,000円程度

4月17日(日)13:00~17:00 「接遇セミナー」
受付助手の方、歯科衛生士の方を含めて、「歯科医療の基本知識」「接遇の基本」です。
定員20人です。
受講料:11,000円(税込)

6月19日(日)13:00~17:00 「経営塾」
今回のゲストは、山梨県甲斐市開業のクリニックささもと歯科の笹本 宝先生 にお願いしています。アポロニア21 5月号に掲載された先生です。
典型的な予防型歯科医院で、歯科医師と歯科衛生士の絶妙なバランスでこだわりの経営をされています。
これからの歯科医院経営の一つの方向性を示されていると思います。
こちらも、終了後、緊急事態宣言が出ていなければ、懇親会を予定しています。
受講料:11,000円(税込)
懇親会:5,000円程度

【2022年度プログラム WEBセミナー】各回16:00~17:30
1月20日(木) 「環境変化と診療報酬改定を考える」
 2月17日(木) 「勝ち残る!差別化戦略の策定方法」
 3月17日(木) 「患者を集める!マーケティング対策」
 4月21日(木) 「自費を増やす!自費増大のマネジメント」
 5月19日(木) 「WEBマーケティングとSNSの進め方」
 6月23日(木) 「採算性を高める!予防歯科の導入対策」
 7月14日(木) 「困ったトラブル患者対策の進め方」
 8月18日(木) 「歯科医院のための人事制度の構築」
 9月22日(木) 「医院を守る、就業規則の策定」
10月13日(木) 「スタッフを育成する人事評価制度の導入」
11月17日(木) 「モチベーションを高める給料賞与の払い方」
12月15日(木) 「何とかしたい! 問題職員対策の進め方」
受講料:各回5,500円(税込)
    全12回同時申込み55,000円(税込)
受講方法:オンタイムまたは録画視聴からお選びいただけます

【2022年度自費セミナー】
1.歯科カウンセラー養成講座 第1回 5月29日(日)9:30~17:00
              第2回10月30日(日)9:30~17:00
受講料:22,000円(税込・昼食込)
会 場:5月家の光会館セミナールーム、10月飯田橋レインボービル
定員20名

2.ドクターのための究極の自費増大の話術教室
第1回 2022年2月10日(木)11日(金祝)
第2回 2022年9月18日(日)19日(月祝)
受講料:220,000円(税込・昼食・懇親会込)
会 場:(予定)アットビジネスセンター渋谷東口駅前会議室
講師3名に対し受講生定員6名という贅沢なセミナーです。
心理学をベースにした徹底的なロールプレイで、話術を持ち帰れるセミナーです。

【お知らせ】
※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ

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では、メルマガを始めさせていただきます。
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【メルマガの主旨】
優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング対策が必要です。
このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。
みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日 
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社 M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策 第430号

【目次】
1.患者の暴力から医院を守ろう
2.他産業でいえばどんなこと?
3.歯科医院ではどうすればよい?
4.まとめ

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■1.患者の暴力から医院を守ろう

12月17日、大阪・北新地の雑居ビルに入居していた心療内科クリニックで放火殺人事件が発生し、男女25人が死亡するという痛ましい事件が起きました。警察は、この医院に通院していた患者で、現場から心肺停止の状態で病院に搬送された谷本盛雄容疑者(61)による犯行の疑いと発表しました。

亡くなった患者には、21歳の女性患者など、社会に復帰する夢を持った若い方が多く含まれていました。

■2.他産業でいえばどんなこと?

医療機関での患者による暴力事件が後を絶ちません。平成20年4月21日の社団法人 全日本病院協会「院内暴力など院内リスク管理体制に関する医療機関実態調査」報告によれば、52.1%が「身体的暴力、精神的暴力があった」と回答しています。実に、半数が経験しているのです。

この調査による、職員に対する院内暴力と暴言などの発生件数は、6882件にものぼり、患者本人による身体的暴力、精神的暴力の多さに驚きます。セクハラも935件と無視できない件数です。

■3.歯科医院ではどうすればよい?

今回の事件は心に問題を抱えた患者が集まる心療内科クリニックでした。また、先ほどのデータは入院患者を抱える病院でのデータでした。
では、歯科医院は大丈夫といえるのでしょうか。

実は、歯科医院でもささいなことから恨みを抱かれてしまうことが多いのです。2017年1月20日、岐阜県の「渕野歯科」で院長が患者に刺殺されました。
犯人は過剰に抜歯されたと思い込んだ患者で、2度にわたり不満を訴える手紙を投函しており、院長は警察に相談したものの、「もめ事は避けたい」と警察の介入を避け、話し合いの場をもったところ患者に命を絶たれてしまったのです。

患者による暴力を防ぐ対策は、「入れない」「放置しない」「安全対策の実施」の3つです。

1)入れない
最も大切なのは、問題患者を医院に入れないことです。
弊社のクライアント医院では、3回無断キャンセルで以後の診療予約をお断わりしています。
ある医院では、これを歯科医師から初診の際に伝えることで、不良患者を減少させています。
明らかに変な患者が来院したときは、「治療を始める前に診療システムをお話しておきます。当院では3回無断キャンセルをすると予約ができなくなります。大丈夫ですか?」と声をかけ、約束できない患者には治療をせずに帰っていただくそうです。

また、3度目の無断キャンセルになったら、患者に手紙を郵送して以後の予約や診療をお断わりします。

歯科医師は誠実に診療を行う義務がありますが、患者にも誠実に治療を受ける義務があります。3度も診療契約の前提となる予約の無断キャンセルを繰り返すような患者とは、療契約の前提となる信頼関係が成立しません。

そのため、予約を断ったり治療を断ったりしても応召義務違反にはならないと考えられるのです。

2)放置しない
次に、問題患者を放置しないことが大切です。「可哀そうだから、あるいは断ると何をされるか分からないから」と安易に治療を進めないことが重要です。

そのため、過去に暴言や暴力、執拗なクレームなどの問題行動があった患者をリストアップして対策を立てておく必要があります。

具体的には、勤務医や歯科衛生士、受付が話し合って、二度と来院させたくない患者とその理由をリストアップし、診療を継続するか、以後の診療をお断わりするか、他の医療機関に転院させるか、など一人ひとり対応を決めて計画的に排除するのです。

3)安全対策を講じておく
勤務医やスタッフを守るために次のような安全対策を取ることも大切です。

1.動画を撮影できる防犯カメラを患者から目立つ位置に設置
2.電話は録音ができる装置を付けておく
3.セコムなど警備会社と契約して、受付カウンターの下に緊急連絡ボタンを設置
4.受付に消火器を複数本設置し、消防訓練を実施しておく
5.避難器具を設置する
6.避難訓練を実施する

■4.まとめ

前述のように歯科医院でもささいなことで患者から恨まれてしまうことがあります。患者の性格によっては、こちらが気づかないうちに強い恨みをもたれることもあるでしょう。

歯科医院には勤務医やスタッフに対する安全配慮義務があります。また、医療機関として患者さんの安全を守る義務も負っています。

そして、どんなに大きな歯科医院でも、自医院だけでは解決できないことがあります。患者の暴言暴力だけでなく、患者の症状や精神状態などによっては、大学病院など専門医療機関に送らなければ対処できないこともあります。

問題患者をリストアップして、院内で共有し、うかつに予約を取らないようにするとともに、現在継続中の場合は、大学病院などに送る、無断キャンセルや遅刻常習を理由に以後の診療を拒否する、暴言暴力は警察と連携して排除するなど、大切な勤務医やスタッフ達と患者さんを守るための対策を進めていただきたいと思います。                   

以上