【コラム】

明けましておめでとうございます。
今年は、元旦早々に大変な事件が続発しました。

能登半島の大地震です。
TVは全てのチャンネルで、「津波の避難をしてください。命を助ける行動をしてください」
と繰り返し絶叫しており、
お屠蘇気分も吹っ飛んでしまいました。

私は阪神大震災を体験しましたが、当時を思い出しました。
被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

日本は地震国です。
どこで大地震が発生しても不思議ではありません。
今回は、歯科医院での地震対策をご紹介します。

そして、羽田空港でのJALと海上保安庁の航空機の衝突事故です。
炎に包まれた機体に、乗客乗員の無事を祈りました。
管制官と機長とのやり取りで誤解が入り込んだのです。
これは歯科医療の現場でも患者さんの呼びまちがいや予約まちがいなど、日常的におきることです。
歯科医院でも、大切なことは復唱や指差し確認をするように心がけましょう。

さて、今年も1月14日に無事、新春セミナーを開催することができました。
ご参加いただいた皆様には御礼を申し上げます。
診療報酬改定と介護報酬改定について、分かっている範囲で解説させていただきました。
さらに、歯科経営をとりまく環境変化と対応についても、詳しくお話しました。
録画を撮っておりますので、ご希望の方には、お申込みいただくと、振り返り視聴ができるように手配いたします。
全4時間のセミナーですが、
DVDでお送りすることもできますので、お問い合わせください。
https://md-management.jp/improve/

また、すぐに自費が増えると人気のセミナー
「ドクターのための究極の自費話術教室」を
2月11日(日)、12日(祝月)に開催します。
あと残席が2席です。
お早めにお申し込みください。
受講料:275,000円(税込・昼食込)

前回も、翌日にジルコニアのブリッジを獲得したというお電話をいただきました。
すぐに回収可能です!
https://md-management.jp/conversation/

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NEW【2024年度 歯科経営改善ゼミナール】※対面式
4月14日(日)10:00~17:00 「歯科助手養成講座」
6月23日(日)13:00~17:00 「M&D経営塾」
特別講師として、弁護士と歯科医師のダブルライセンスをお持ちの、
弁護士法人 小畑法律事務所 代表弁護士 小畑 真 先生をお招きします。
受講料:1月5,500円(税込)、4月27,500円(税込)、6月11,000円(税込)
会 場:飯田橋レインボービル
定 員:1月・4月 20名、6月 30名

NEW【2024年度 WEBセミナー】 各回16:00~17:30
2月15日(木)1.「これがポイント!歯科衛生士と歯科助手の業務範囲」                         
3月14日(木)2.「これがポイント!医院リニューアルの進め方」
5月16日(木)3.「これがポイント!材料費削減の進め方」
7月18日(木)4.「これがポイント!スタッフが納得する会議とミーティングの進め方」
9月19日(木)5.「これがポイント!スタッフが納得する人事評価票の設計」
10月17日(木)6.「これがポイント!スタッフが納得する賃金制度の設計」
受講料:各回6,600円(税込)
受講方法:オンタイムまたは録画視聴からお選びいただけます

NEW【2024年度自費セミナー】
1.ドクターのための究極の自費話術教室
第1回  2月11日(日)、12日(祝月)
第2回  7月14日(日)、15日(祝月)
第3回 10月13日(日)、14日(祝月)
受講料:275,000円(税込・昼食込)
会 場:【予定】アットビジネスセンター渋谷東口駅前会議室
定 員:各6名
https://md-management.jp/conversation/

2.歯科カウンセラー養成講座
第1回  3月24日(日)9:30~17:00 
第2回 7月28日(日)9:30~17:00
第3回10月27日(日)9:30~17:00
受講料:27,500円(税込・昼食込)
会 場:飯田橋レインボービル
定 員:各20名
https://md-management.jp/counselor/

【お知らせ】
※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ
https://md-management.jp/dvd/

                          
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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】
優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング対策が必要です。

このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。

みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。

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【発行周期】 第2、第4月曜日
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策 第269号 

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「大震災に備える」

【目次】

1.大震災に備える
2.歯科医院ではどうすればよい?
3.まとめ
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■1.大地震にそなえる

1月1日、元旦で親族が集まって団らんしている夕方、能登半島に大地震と津波が押し寄せました。
輪島朝市は大火災になり、珠洲市では津波と地震で市街地が破壊され、道路も寸断されてしましました。

石川県や富山県では、まだ2万人もの方々が避難生活を送っているそうです。
亡くなった方も213人を数え、まだ増えていくものと予想されます。

そして、石川県や富山県の歯科医院は診療できない状態になっています。
歯科治療を必要とする被災者の方々に、歯科医療を提供できない状態です。

阪神大震災のときは、香川県の歯科医師会の皆さんが、避難所にボランティアで駆け付けてくれ、
入れ歯を紛失したお年寄りや、むし歯に悩む被災者の治療を行ってくれました。
しかし、
能登半島は、まだボランティアも入れない状態ということです。
一日も早く、歯科医療を提供してあげられるようになって欲しいと思います。

そして、あらためて歯科医院での防災対策を考えてみる必要があると思います。
歯科医院では、患者さんと歯科医師やスタッフを守る必要があるからです。

※今回は、平成23年3月14日発行のメルマガを再度加筆のうえ再録させていただきます。
ご参考にしていただければ幸いです。

■2.歯科医療ではどうすればよい?

歯科医院では、タービンなどの刃物をもって外科処置をしています。さらに、各ユニットでバーナーを使用していることもあります。
このため、地震発生時においては患者さまと医療スタッフの防護、火災の防止を最優先にする必要があります。
さらに治療途中の患者さんの応急処置も必要となってきます。

最近は歯科医院でも電子化が進んでいますが、阪神大震災では、基幹病院である神戸市民病院でコンピューターが損壊し、膨大な電子カルテ情報が失われてしまいました。
歯科医院でもレセコンが損傷を受けるとデータが飛んでしまいます。
東関東大震災でも、海水をかぶったレセコンが壊れてしまったほか、確定申告の直前だったために、多くの税理士事務所で書類が流失してしまい、コンピューターが壊れたため、データ復旧は不可能でした。

デジタルレントゲン画像も含めて、電子情報は、壊れにくい外付けハードディスクなどにバックアップをとり、緊急時には持ち出す必要があります。
歯科では、デンタルシステムズのパワー5Gなど、クラウドを活用したレセコンを利用することも一つの方法でしょう。

東関東大震災では、地震そのもので建物が倒壊したために起きた怪我などの被害は少なかったのですが、津波で流された被害が甚大でした。
阪神大震災では、これに対して建物の倒壊によって亡くなったり重傷を負った方が多くでました。
今回の能登地震でも、建物の倒壊によって亡くなった方が多かったようです。
そして、落下物や転倒などによって顎などに外傷を負い、口腔外科処置を必要とする患者も多いのではないかと考えられます。
また、インプラント1次オペ後や抜歯後など消毒や処置を必要とする患者に対してのフォローも考えておく必要があるでしょう。

東関東大震災でも、阪神大震災や新潟地震でも、避難所に入れ歯を忘れて避難をした高齢者が多数あったことが報告されています。
このため義歯の製作が重要な緊急歯科医療の一つになります。県の歯科医師会などで対応策を検討していただきたいと思います。

東関東大震災では、流失した地域以外では序々に電力が復旧しました。しかし、南三陸鉄道のリアス線の復旧には数年を要しました。
阪神大震災では神戸市内全域の電力復旧に3日を要しました。また水道の完全復旧には30日を要しました。さらにガスの復旧には3カ月かかりました。JRや私鉄の復旧には半年を必要としました。
能登半島では、道路が寸断され、孤立している集落が多数あるそうです。
1日も早い支援が必要と思います。

~歯科医院での地震対策リスト~

それでは、歯科医院でお勧めする地震対策をご紹介します。
ご参考にしていただければ幸いです。

1.防災マップを確認しておく
広域避難所など、災害が発生した場合の集合場所を決めておきます。

2.LINEなど、緊急時の連絡体制を構築しておく
東関東大震災では、ツイッターが最も早く情報を伝達できました。
このため、院内の災害専用のホームサイトを作ってフォローし合っておくことをお勧めします。
また、日頃から医師やスタッフとの緊急連絡体制を構築しておきましょう。
日ごろから携帯電話や家庭の電話、メールアドレスを把握しておき、万一の際に安否確認ができるようにしておきましょう。

3.ポリタンクなどで水を備蓄しておく
震災によって断水します。
このため、日ごろからポリタンク2本程度の水を備蓄しておくことをお勧めします。
歯科用ユニットだけでなく、水洗トイレなど全ての水系が断水によって使用不能となるためです。
水がなければ水洗トイレが使用できなくなります。地震で外傷を負った患者やスタッフの傷口の洗浄もできなくなります。
水がなければ米とカセットコンロがあっても飯を炊くことができません。
また、空のポリタンクも設置しておき、断水までにできるだけの水を貯蔵しておくためです。
阪神大震災の当日、筆者の居住地神戸市兵庫区では地震発生後2時間程度は給水可能でした。
貯水用のポリタンクを日頃から常備しておくほか、すぐに風呂おけやバケツなどに貯水を開始する必要があります。
なお、屋上に給水タンクを設置している建物では、地震の振動でほぼ100%使用できなくなると考えておくべきです。

4.カセットコンロとカセット3日分を備蓄しておく
震災時にカセットコンロは重宝です。2台程度のコンロと、最低でも電気が復旧するまでの3日分のカセットガスの備蓄をお勧めします。
水の備蓄があれば、米を炊いたりレトルト食品の加熱調理が可能です。お湯が沸かせるので器具の消毒もできます。

5.非常用電灯を準備しておく
電力が止まるので、キャンプ用のランタンなどの灯火が必要です。真っ暗になってしまうと不安感が増してしまいます。明るいと片づけなども可能です。
東関東大震災では、計画停電が実施されました。指定された街区は信号も含めて真っ暗闇になります。
懐中電灯も電池もすべて売り切れ状態のなかで、広島のクライアント医院の先生が、LEDライトを2本送ってくれました。これは本当にありがたく感じました。

6.携帯用のテレビやラジオを準備しておく
停電になると情報が入らくなります。これが不安をあおることになります。
電池式のテレビやラジオを常備しておきます。ワンセグTVつき携帯電話は震災の被害情報や余震などの情報は重宝であると考えられます。給水ポイントや自治体のサービスなどの情報も得ることができます。

7.消火器を必要数常備しておく
消火器は歯科医院には常備されていると思いますが、震災によって火災が発生するためぜひ備えておいてください。
阪神大震災では、電柱のトランスが火花を出してショートを起こし、その火が電線を通じて民家に引火し、250m四方の街区全体を消失した例があります。消防車が活動できないからです。
また、電気が早期に復旧した地域では、冷蔵庫など常時電力が流れている台所機器が家屋の倒壊で壊れてショートし、ガス管から漏れ出したガスに引火して火災を起こした例もあります。
いずれにしても断水しているため消防活動が不可能であり、消火器はぜひ常備してください。
なお消火器には炭酸ガスボンベが内蔵されており、これが使用できなくなると意味がありません。使用期限には留意が必要です。

なお、スプリンクラーは、阪神大震災では振動で管がずれてしまい、建物内を水浸しにしてしまいました。今は地震で被害を受けにくいフレキシブル管も選べるので、ビルなど新築する場合はぜひこちらのほうを採用してください。

8.携帯電話用の充電用電池パックを準備しておく
電話も不通となります。横浜でも今でも通話がかかりにくい状態です。携帯メールもいつ届くか分からない状態が続いています。
携帯電話は必需品です。ただし、今回は被災地では無線基地が破懐されて圏外になっているようです。
大震災では衛星を使った緊急無料公衆電話が市役所や区役所などに設置されます。緊急公衆電話の場所を確認することが重要です。
そのうえで、数日経過すると通話状態が改善するため、電話による医療スタッフの家族の安否確認、食事、睡眠場所の確保など、安心して救急医療に従事できる体制づくりが必要です。
また、携帯電話の電池切れに備えて乾電池による充電装置を備蓄しておくことをお勧めします。
電池式充電パックはコンビニなどで簡単に入手可能です。

9.緊急時の診療体制に備える
生理食塩水、清浄水、消毒薬と抗生物質、麻酔、ガーゼなどの救急医薬品を緊急用にパックしておく。
口腔外科を標榜している医院では、地震で被災した患者が救急で来院する可能性があります。
落下物や転倒で顎や歯牙を損傷する危険があり、また、スタッフや患者が転倒したキャビネットのガラスが飛び散るなどで外傷を受ける可能性もあります。
このとき、断水、停電という事態のなかでの応急手当てを想定しておく必要があるのです。
さらに前日インプラントを埋入したり、抜歯した患者の消毒などに対応できる体制を確保する必要があります。

10.非常用電源を確保しておく
歯科治療中に停電した場合に備え、非常用電源を装備しておくことをお勧めします。
バッテリー式のものやエンジン式のものがあります。
屋根式ソーラー発電は大地震による振動で断線したり、屋根からずり落ちたりする可能性がありますが、停電する地域は大きな被害を受けていない地域にも広がるため、装備しておけば安心感はあると考えられます。

11.担架を常備しておく
阪神大震災では、多くのけが人が戸板や雨戸に乗せられて医療機関にかつぎこまれました。
歯科医院でも担架や緊急搬送バッグなどを設置しておくことをお勧めします。
これは診療中のショックなどの際にも使用可能です。

12.義歯やTEKの制作用具を持ち出せるようにしておく
阪神大震災では、避難所に入れ歯を忘れて避難した人が多かったのですが、避難所では高齢者向けの柔らかな食材の提供などきめ細かな対応が不可能です。食べられるものがなかったり、残存歯に過剰な負担をかけ口腔内を悪化させる例が多かったのです。
そのため、他県からのボランティア歯科医師団による義歯制作が好評でした。
歯科医師会などからの緊急要請が考えられるほか、患者が来院する可能性もあるため、義歯の制作体制を確保しておくことをお勧めします。

13.訪問歯科診療用のポータブルユニット、レントゲンを活用する
電源さえあれば使用できるポータブルユニットは、避難所や訪問先への往診だけでなく、電力が復旧すれば歯科用ユニットが壊れた場合の緊急用として院内でも使用できます。
地震で診療室が被害を受けてもすぐに引き出せる場所に格納しておく必要があります。
また、ヘッドランプも停電時や避難所での診療に威力を発揮します。

14.非常用食料、非常用寝具を確保する
場合によっては、医師やスタッフが帰宅できなくなる可能性があります。
このため、最低限の診療体制を維持できるだけの非常料食料や非常用寝具を確保しておくことをお勧めします。3日分を想定しておけば十分でしょう。

15.AEDを活用できるようにしておく
外来診療環境加算を算定している医院ではAEDを常備しています。これを緊急時に活用できるようにしておきます。

16.高度医療器具の損傷や人的被害を軽減する
免振構造の建物に入ります。免振建物では地震による振動が10分の1程度に軽減されるため建物の倒壊リスクが軽減されます。
CTやデジタルレントゲンなど高価な医療機器は地震による振動で破壊されやすく、レセコンなども机から落下して物理的に破壊するとデータを消失する可能性がありますが、免振建物であればこれらの被害を避けることが可能になります。
さらに、キャビネットなどの破損や、ガラスの破損によるスタッフや患者の負傷リスク、ユニットの水系から漏水するリスクも大幅に軽減されます。

また、最近は免振床・免振フロアという設備も出ています。あまり重量のあるものはおけませんが、最近の歯科用CTであれば十分設置可能と考えられる。リニューアル時に経済的な余裕があれば、CT室だけでも採用の価値はあると考えられます。
ただし、免振床の場合は建物自体が倒壊すれば意味はありません。

17.データのバックアップ体制ととっておく
地震ではデジタル機器が損壊しデータを消失する例が多く、日ごろからバックアップをとっておく必要があります。レセコンなどには内臓されていますが、独自にサーバーを置いてミラーリングするなどの対応をお勧めします。

18.消毒キャビネットは振動でロックがかかるものにしておきます。
地震で両開きキャビネットが開き、振動で中のものがすべて部屋中に飛び散るためです。
ガラスや瀬戸物は割れ、スリッパでは歩けない状態になります。
このため、キャビネットの戸には振動を感知してロックがかかるようにしておくとよいでしょう。

19.窓ガラスやドアガラスにはフィルムを貼っておく
最近の建材は最初からフィルムを貼っていたり、プラスチックだったり地震での破壊を防ぐ素材になっています。
しかし、古くからの窓ガラスなどは地震で割れると破片が飛び散る可能性があります。
医師やスタッフ、患者さまの人的被害を防止するためガラスなどにはフィルムを貼っておきます。ガラス屋にいえばすぐに貼ってくれます。

20.院内は土足にしておく
ファイルやバーなど鋭利な器具が床に飛び散る可能性があります。
またガラス類が割れたり薬品が飛散するなど、床はスリッパでは歩けない状態になります。
土足にしておけば、患者さまの被害を最小限にできます。
日常の診療でも不自然な姿勢でスリッパにはきかえる手間がないほか、水虫などの感染リスクがなくなるので、高齢患者や、冬季はブーツ夏季には素足が多い若い女性患者に喜ばれます。

21.重たい機器にはキャスターにベースをとりつけておく
コピー機やレントゲンなどキャスターがついている重量の重い機器は、震災の横揺れで院内を走り回りあちこちにぶつかる危険があります。
車輪やキャスターにゴムのベースをとりつけて設置性を高めておきましょう。

22.歯科医師会や保険医協会との連絡体制を構築しておく
歯科医師会や非会員でも保険医協会との連絡体制を構築しておくことをお勧めします。
ボランティアによる支援や緊急薬剤の配給などが受けられる可能性があるためです。
仮設の歯科診療所などへのボランティアでの被災者の支援などへの協力も可能になります。

23.外科処置をした患者との連絡体制を確認しておく
インプラント埋入や抜歯など外科処置をして消毒や経過観察が必要な患者さんの連絡体制を確立しておき、震災発生後もケアできるようにしておくことをお勧めします。

24.連携先医療機関との連携体制を確認しておく
外科など、連携している大学病院や総合病院などとの搬送体制など連携体制を確認しておきます。
口腔領域に外傷を受けた患者だけでなく、全身症状を持つ患者の来院が想定されるためです。

25.近郊の親しい歯科医院との連携体制を確認しておく
地震で激しい被害を受けた地域では歯科医院も被害を受けており診療が停止します。
被害を受けた医院では患者が来院しなくなり収入が途絶えてしまいます。
また、その医院に通院していた患者は近くの被害をうけていない地域の歯科医院に殺到し急患でパンク状態に陥ることが想定されます。

このため、医師スタッフとも、勤務医あるいは非常勤衛生士として震災復旧までの間、診療を続けられる医院を確保しておくことをお勧めします。
元の患者達に連絡をして診療継続を案内することもできるし、一定のアルバイト収入を得ることが可能になるためです。

■3.まとめ 

以上、歯科医院で考えられる防災対策リストをご紹介しました。
このほかにも、できることがあると思います。

スタッフミーティングなどでこの資料をもとに話し合っていただき、自医院としての震災対応リストを完成させていただきたいと思います。

そして、
大災害が発生した際は、一日も早い復旧と被災者の救援を可能にしていただきたいと願います。

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【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久