真冬です。コートやマフラー、手袋などの忘れ物、冷たい雨や雪を避けるための傘の取り違えなどが増える時期です。高齢の患者さんが増えてくるにつれ、コートやジャンパーを間違って着て帰られる患者さんがでてくる可能性があります。では、患者さんからコートや傘が間違っていると言われたらどうすればよいでしょうか。

まず、丁寧にお話しをお聞き、今日来てこられたコートや傘の色や形を確認する必要があります。受付と待合室を写す防犯カメラがあれば、その画像から患者さんが着てこられた衣服を確かめることができます。さらに、間違えて持ち帰った患者さんを特定することもできます。このように、防犯カメラは保険証の返し間違いやお釣りの間違いなども特定できるので大変重宝です。しかも、不審者が入ってきたときなど、動画を警察に見せて対処してもらうこともできます。ぜひ待合室に防犯カメラを設置することをお勧めします。

防犯カメラがない場合は、その時間にお帰りになった全ての患者さんに電話をして確かめましょう。さらに、コートや傘をなくした患者さんのご自宅にも電話をして、ご家族に残っていないかどうか調べていただくか、一旦ご本人にご自宅に戻ってもらって、ご自宅にないかどうかを確認していただきましょう。お年寄りやお子さんなど、ご家族に車で送ってもらってコートを着てこなかったり、傘を持って来なかったりというケースがあるからです。

最も大切なのは、患者さんが取り間違えたり、忘れ物をしたりしないように工夫することです。待合室にはコートハンガーを設置せず、ユニットサイドにハンガーを設置してコートやマフラーを診療室に持ち込んでいただく、荷物カゴを設置してハンドバックや手袋などを置けるようにする、傘立ては受付の目の届くところに置く、などです。

また、年末は患者さんもスタッフもバタバタしているので、レントゲン撮影の際に外していただいたピアスや眼鏡、ネックレスなどの忘れものも増えてきます。これらは高価なものが多いので、お預かりしたらレントゲンのそばにポンと置いておくのではなく、ビニール袋に入れて丁寧にお預かりしておきましょう。そして、患者さんのバックやコートなどと一緒にクリップなどで留めて置き、忘れないように工夫しましょう。さらに、レントゲン室に忘れ物がないかどうか、必ず一度見まわしてチェックしておきましょう。患者さんが老眼鏡や入れ歯などを思わぬところに置いてしまい、忘れてしまうことがあるからです。

もし、忘れているのを見つけたら、あるいはお預かりしたものを返し忘れてしまったら、すぐに患者さんに連絡を取りましょう。すでにお帰りになってしまっていた場合は、電話をかけて次回の来院までお預かりするか、取りにいらっしゃるかを相談しましょう。そして、その内容は受付や他のスタッフにもわかるようにしておきましょう。

忘れ物をされたときの連絡方法や対処方法も患者満足度に影響がでてきます。スタッフミーティングで話しあって工夫しておきましょう。

以上