梅雨が続き、毎日、降ったり止んだりの日が続きます。
朝晴れていても突然に横なぐりの激しい雨が降りだすことも。

そんなときは、道行く人もみんなずぶ濡れ。
傘も逆さになったり大変な状態になります。
そんな日のために、雨の日タオルと貸し傘を用意しましょう!

前職のゼネコンで大阪支店勤務だった頃、大昔の話ですが、大阪キタ新地の馴染みの飲み屋さんで、ずぶ濡れで入ると、ママさんがおしぼりを何本も出してくれ、私の濡れた髪や服、カバンまで拭いてくれたことがありました。その気配りを嬉しく感じました。

医療施設見学会で訪問させていただいたある医療法人の大型検診施設で驚きました。
弱い雨の日でしたが、なんと、受付カウンターに、真っ白なタオルが山積みだったからです。

事務長にお話しをうかがうと、まさに「雨の日タオル」でした。
雨の日に検診に来院される患者さんのために、雨の日は大量に用意しているのだそうです。
この施設では「ぬくもりのあるサービスの提供」を基本方針の一つにいれています。
なるほど、と感心させられました。

また、ある歯科医院で、激しい雨の日でキャンセルが多くて、ヒマだったようなのですが、ずぶ濡れで来院された中年の女性患者さんに、乾いたタオルをお渡しして、自分も受付カウンターから出て行って裾を拭いてあげたスタッフがいました。
すると、患者さんは「こんなに親切にしていただいて」と恐縮され、あの歯医者はやさしいから、と他の患者さんを紹介してくれるようになったのです。

前述のように、飲み屋さんのサービスでも、雨の日にタオルで濡れた衣服を拭けるのは嬉しいものです。
スーツなどの型崩れも防止できますし、何より、「あなたはお店にとって大切なお客さまです」ということを、態度で示すことで、感謝の気持ちがでてくるからです。

貸し傘も梅雨時の大切なアイテムです。
天候が不安定で、梅雨の晴れ間で油断して傘を持たずに出かけて、帰りに土砂降りにあうことも多くなります。

また、強風でビニール傘が壊れてしまうことも。
そんなとき、歯科医院で貸し傘を用意しておくと、感謝されます。
この貸し傘は、できるだけ丈夫なビニール傘がお勧めです。
男女兼用で使えますし、やや高価ですが、1000円もしません。
テプラで持ち手に医院名のシールを貼っておきましょう。
返してくれる可能性も高くなりますし、コンビになどに寄ったとき、医院名の宣伝にもなります。

歯科医院は、「あまり行きたくない医療機関」の代表です。
痛くされたり、歯を抜かれたり、怖い治療もされる場所だからです。
しかたなく、わざわざ時間を割いて来院してくれているのです。

ですから、「一人ひとりの患者さんが、当院にとって大切な人です」ということを感じていただけるサービスを工夫することが、気持ちよく診療を受けていただくために大切です。

雨の日タオルは、普通の白いタオルをきれいにたたんで受付カウンターの上や、スリッパラックなど、邪魔にならないところに積んでおくだけです。
そして、受付から声をかけましょう。「ご来院ありがとうございます。よろしければ、そのタオルをお使いください」
ずぶ濡れの患者さんが来たら、出て行って一緒に拭いてあげましょう。
また、傘を持たずに外の様子をうかがっている患者さんがいたら、すぐに声をかけてみましょう。
「よろしければ貸し傘がありますよ、いかがですか?」

きっと感動してくれるでしょう。
そして、貴医院のファンになってくれると思います。 

以上