連日、猛暑のなかで、検査や重篤な患者への対処、待機中患者の対処などに尽力していただいてる医師や医療スタッフの皆様に、深い敬意と感謝を申し上げたい。 さて、マスコミや行政は連日、二次感染が起きており感染者数、重症者数ともに増加しているなどと危機感を煽っている。最近は日本感染症学会の尾身会長が、「流行はピークに達したとみられる」と発表し、医療関係者からもこれと同様の情報も多く発信されている。にもかかわらずワイドショーではこのような情報は報道されない。この結果、来店客数が戻りつつあった飲食業も、旅行業界やホテル業界も再び大きな影響を受け、歯科医院でも再び予約キャンセルが増加しつつある。

支払基金のデータによれば、4月の各診療科の新型コロナウイルス感染による患者数と売上高の減少率は、耳鼻咽喉科が患者数で-41.2%、診療報酬で-44.4%と最も深刻で、次いで小児科が患者数で-38.3%、診療報酬で-39.4、さらに、眼科が患者数で-35.1%、

診療報酬で-26.1%の減少となっている。歯科の患者数の減少データは示されていないが、恐らく-35%程度で、診療報酬の減少は-25%程度の減少であったと推測される。

ところで、新型コロナウイルス感染症は、それほど危険な疾患なのだろうか。ワクチンがないといっても、すでに基本的な治療法は確立しており、重症患者数も安定的に推移している。図表は、新型コロナ感染症によって入院治療を要する者の数と、死亡者数の推移の比較である。8月現在の死亡者数は1,114人で5月からほとんど増えていない。インフルエンザによる2018年の死亡者数は3,225人で、コロナによる死者数がこれを超えることはないだろう。また、令和2年の自殺者数では年間で2万人を超え、毎月1,500~1,700人が亡くなっている。今後、コロナ感染の危機を煽る報道が激化すると、解雇された労働者や経営が立ちゆかなくなった経営者が自殺まで追い込まれるかもしれない。考えてみて欲しい。インフルエンザで隔離されたり、飲食店が22時以降の営業停止を求められたりするなど聞いたことがない。このような集団ヒステリー状態では、院内から感染者を出してしまうと、風評被害で閉院に追い込まれかねないという恐怖を感じる。

定期的な口腔ケアによって新型コロナウイルス感染症の予防効果が得られ、口腔内が清潔になることで重症化の防止効果も期待できる。そして、歯科医院はコンビニよりも感染リスクが低く安全である。これまで歯科医院で患者が感染した事例は1件も発生していないし、先日も千葉県の亀田クリニック歯科センターで、感染した歯科医師が治療をした61人の患者のPCR検査結果が全員陰性で、新型コロナウイルス感染症を疑う症状が出ていないことも確認されたという。歯科医院が健全経営のために取り得る対策は、これらを踏まえて、一層の感染予防に努めながら、粘り強く、ぶれずに患者さんに来院を呼びかけることである。それが、自医院の経営だけでなく国民全体の感染予防にも重症化予防にもつながる社会的にも正しい選択と考えられる。歯科医師、スタッフともに一丸となって、患者さんに来院を呼びかけていただきたい。

以上