成功する!歯科医院のマーケティング対策402号
【コラム】
コロナウイルス感染は、全国的に落ち着いているようです。
東京でも50人程度ということですが、1000万人以上いるわけですから、
誤差の範囲といえる数字だと思います。
新型コロナウイルス感染者が歯科医院に来院する確率はどのくらいでしょうか、試算してみましょう。
日本人の3割が歯科医院に通院しているというデータがあります。
コロナウイルス感染者数は1万8千人ですが、マスコミの言うように、10倍以上の20万人としましょう。
20万人の3割、6万人が歯科医院に通っていることになります。
しかし、歯科医院は毎日通院するわけではありません。
月に2回の15日に1回が普通なので、6万人を15日でわりますと、4000人になります。
患者調査によれば、歯科医院の患者の3分の2が65歳以上です。
この年齢の方は、コロナに感染すると来院できません。
症状の出ない20代から30代の患者は20%しかいません。
4000人の20%、800人が、68500軒の歯科医院に来院するわけです。
すると、来院確率は1.2%、つまり、98.8%の歯科医院に、みんなが怖れている新型コロナウイルス感染者で、症状の出ていない方は来院されないのです。
これが現実です。
しかも、それほど感染力が強くないことが分かっていますし、歯科医院での感染者数、クラスター発生数ともに、いまだにゼロです。
つまり、歯科医院は安全であり、極端に新型コロナウイルスの感染を恐れる必要はないのです。
それは、もともと元気な方が、歯科診療を受けるために来院する医療機関だからです。具合の悪い方は、予約変更をされて来院されません。
しかし、来院確率はごく小さいものの、ゼロではないので、充分な備えが必要です。
感染対策を実施しているという安心感が患者さんを呼ぶという効果も無視できません。
そのために、コロナウイルス感染対策として、窓を開けて換気している医院が多いと思います。
弊社のクライアント医院の多くも窓を開けていますが、梅雨に入り雨の日に困っています。
また、7月に入り暑い日が続くと、いくら冷房をかけても効かないという事態になりかねません。
さらに、冬になると、コロナウイルスの感染リスクが高くなりますが、木枯らしが吹きこむわけで、窓を開け放して換気できなくなります。
今回は、冷暖房下での効果的な換気対策を考えてみましょう。
■■■ 歯科経営改善ゼミナール ホワイトクロス・LIVEセミナーのご案内 ■■■
新型コロナウイルス感染予防のために、7月末までのセミナーはすべて中止しました。
このため、今年度はプログラムを組み替え、ホワイトクロスからLIVEセミナーとして開催いたします。
●ロールプレイやグループワークが必要な自費話術セミナーと、歯科カウンセラー養成講座は、年度計画どおり開催します。
合わせてご参加いただきたいと思います。
●受講ご希望の方は、ホワイトクロスの専用サイトからお申込みください。
https://www.whitecross.co.jp/events/view/1239
■■2020年度「歯科経営改善ゼミナール」WHITECROSS LIVEセミナー版 プログラム■■
第1回 7月14日(火):「差別化戦略とマーケティング対策の進め方」
・差別化戦略はライバル医院を特定し、その医院とどう差別化するかを具体的に考えていくところから始まります。具体的な対策をご紹介します。
第2回 8月4日(火):「患者から選ばれるホームページと情報発信対策の進め方」
・ホームページは比較されることが前提の広告媒体です。最近は、レスポンシブウエブデザインが主流になり大きく環境が変りました。さらに、院内掲示の進め方やSNSなどを通じた情報発信の事例と進め方を解説します。
第3回 9月1日(火):「自費増大対策と、か強診のための在宅歯科の導入対策」
・自費を増やすための具体策を解説します。また、か強診の取得をめざすための在宅歯科の導入対策を解説します。
第4回 10月6日(火):「経営効率を高める!歯科医院の経営管理の進め方」
・経営管理が苦手な先生が多いのが実状です。財務諸表の読み方、キャッシュフロー経営の考え方と実際、在庫管理の適正化、月次管理の項目と目安などを解説します。
第5回 11月3日(火):「歯科衛生士の職務範囲と予防歯科の進め方」
・歯科衛生士の職務範囲はどこまでなのか、日本歯科医学界や厚生局などの資料をもとに解説します。今後の歯科医院経営の主流となる予防歯科について、採算性、導入方法などを解説します。
●受講ご希望の方は、ホワイトクロスの専用サイトからお申込みください。
https://www.whitecross.co.jp/events/view/1239
■■2020年度 「歯科経営改善ゼミナール」プログラム■■
●7月末までは中止としました。
9月以降のセミナーは、ZOOMによるWEBセミナーと、リアルのセミナーを取り混ぜて実施する予定です。
受講料が異なりますのでご注意ください。
ZOOMの場合は会場費が不要のため、安価に設定しています。
また、1ヶ月以内でれば、お好きな時間での録画による視聴も可能です。
※ZOOMセミナー 受講料 5,000円+税
(オンタイムと録画の視聴とも同額です)
※リアルセミナー 受講料 10,000円+税
■9月13日 By ZOOM 「スタッフが活性化する賃金規定の作り方」
・午前10時~12時まで、ZOOMにて開催します。
・受講料:5000円+税 オンタイム、録画とも同額です。
・職能資格制度、役割資格制度など、歯科医院の実態に即した賃金規定の作り方を解説します。
■10月25日 「歯科カウンセラー養成講座」2020年第二回
グループワークとロールプレイがあるため、リアルで開催します。
広い部屋で、充分な間隔をとって開催します。
【会場】 飯田橋レインボービル:東京都新宿区市谷船河原町11
Tel 03-3260-4791 JR・地下鉄飯田橋駅5分
【お申し込み】
https://md-management.jp/improve/
■11月22日、23日 究極の自費話術教室セミナー 2020年第二回
会場:アットビジネスセンター渋谷東口駅前会議室
グループワークとロールプレイがあるため、リアルで開催します。
広い部屋で、充分な間隔をとって開催します。
■11月29日 「スタッフが活性化する人事評価の導入対策」
・冬期賞与のための人事評価の導入対策です。ケーススタディを中心に、歯科衛生士、受付助手の人事評価表を差し上げます。
グループワークとロールプレイがあるため、リアルで開催します。
広い部屋で、充分な間隔をとって開催します。
【会場】 飯田橋レインボービル:東京都新宿区市谷船河原町11
Tel 03-3260-4791 JR・地下鉄飯田橋駅5分
【お申し込み】
https://md-management.jp/improve/
■12月20日 By ZOOM 「スピードスタートのための開業対策」
(注)午前10時~12時まで、ZOOMにて開催します。
・受講料:5000円+税 オンタイム、録画とも同額です。
・2021年に開業をめざしている歯科医師のために、成功する開業準備と、
スピーディに立ち上げるための対策を解説します。
【お申し込み】
https://md-management.jp/improve/
【お知らせ】
※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ
https://md-management.jp/dvd/
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では、メルマガを始めさせていただきます。
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【メルマガの主旨】
優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング
対策が必要です。
このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。
みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。
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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社 M&D医業経営研究所 代表取締役
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成功する!歯科医院のマーケティング対策 第402
「冷暖房下の換気を考える」
■1.はじめに
新型コロナウイルス感染対策として、窓やドアをあけ放って換気をしている医院が多いと思います。
最近は多くの商業施設でも、大きく窓を開けて換気しているところがあります。
弊社のクライアント医院の多くも窓を開けていますが、梅雨に入り雨の日に困っています。
また、7月に入り暑い日が続くと、いくら冷房をかけても効かないという事態になりかねません。
さらに、冬になると、コロナウイルスの感染リスクが高くなりますが、木枯らしが吹きこむわけで、窓を開け放して換気できなくなります。
今回は、患者さんにコロナウイルス感染予防対策として、冷暖房下での換気を考えてみたいと思います。
■2.他産業でいえばどんなこと?
最近は、美容院でも床屋でもドアや窓を開け放っているお店が多いようです。
飲食店でも、個人経営の小さなお店では、窓を開けているようです。
そのため、ラーメン店や焼き鳥屋などの良いにおいが周りに立ち込めていたりします。コロナ対策というよりも、集客対策の効果のほうが多いかもしれませんね。
しかし、吉野家やケンタッキーフライドチキン、マクドナルドなどの大型チェーン店では、
窓を開けている店はないようです。
これは、店内でお客さん同士の間隔を十分にとるほか、空気清浄機を稼働させていたり、強制換気装置を設置したりしており、
窓を開けることによる虫や害獣の侵入リスクのほうを重視しているからでしょう。ゴキブリやネズミが侵入すると大変だからです。
外科病院でも、注射や外科処置をする診察室で常時窓を開放するなど、考えられないと言っています。
それは、外気に含まれる細菌や芽胞の侵入を警戒しているからです。
では、歯科医院ではどうすればよいでしょうか。
■3.歯科医院ではどうすればよい?
新型コロナウイルスは、簡単にマスクを通り抜けてしまうサイズです。
しかし、ウイルス単体で飛散するわけではなく、感染した患者のくしゃみや咳、
あるいは歯科治療中に飛び散る飛沫に乗って空中に放出されます。
そのうち大きなものはすぐに落下してしまい、微小なエアロゾルになったものが空中に長く漂うことが知られています。
このエアロゾルを除去する対策として、「換気」が有効とされています。
これから盛夏を迎えるわけで、冷房効果を大きく損なわない対策を考える必要があります。
1)空気の流れる道をつくる
換気では空気が流れる道を作ることが必要です。
窓を開けても空気の流れができなければ換気ができません。
そのため空気の出口と入り口を作る必要があります。
1.部屋の対角線の窓をあける
効果的に部屋の空気に流れを作るためには、
部屋の対角線上にある2か所の窓を開けて空気の流れを作ることが有効です。
このとき、窓は全開にせず、空気の出口は大きく、入り口は狭くするほうが
強い空気の流れを作り出すことができます。
逆に、全ての窓を開け放っても、強い換気効果は得られません。
このため、換気を行なう際は、どの窓を開放するかを決めておく必要があります。
2.高低差のある窓を開ける
高低差のある窓を開けることも有効です。
室内の温度分布が上と下では異なっているからです。
冷房中でも暖房中でも冷たい空気は下のほうに滞留し、暖かい空気は天井近くに滞留します。
このため、高低差のある窓、例えばベランダの窓のように上下に大きく開口した窓は、15Cmぐらい開けておくと、上部から暖かい空気が排出され、下部から外気が入ってきます。
これは温度差換気といわれ、部屋のなかに上下の新鮮な空気の流れを作ることができます。
3.窓が一つしかない場合は、換気扇やサーキュレーターなどを活用する
窓が一つしかない場合は、換気扇やサーキュレーターなどを使って、強制的に排気します。
そうすると開放した窓から外気が入ってくるからです。
ただし、部屋のなかに空気の流れを作り出すためには、窓を大きく開放し過ぎないことが大切です。
4.風が通りにくい場所には、送風機を活用する。
診察室など、風が通りにくい場所は空気が滞留するので、サーキュレーターなどを使って強制的に空気の流れを作ります。
5.窓が使えない場合は、強制換気装置を活用する
窓が開けられないなど、使えない場合は強制換気装置の活用を考えます。
換気扇を使って、強制的に外気を部屋から排出するわけです。
ただし、常時換気にすると冷暖房効果が損なわれますので、定期的な換気を考える必要があります。
6.熱交換器内蔵の換気システムを活用する。
機械換気にする場合、熱量のロスが少ない換気装置を考える必要があります。
それがロスナイ換気システム(メーカーによって呼称が異なります)です。
これは1台でも温度差による排出換気ができます。また、冷暖房ロスがないので常時換気にも適しています。
2)歯科医院では時間を決めて換気することが望ましい
常時窓を開放すると冷房効果が損なわれてしまいます。
また、外気に含まれる細菌や芽胞なども診療室に入ってきます。
実は、わずか5分から10分間の自然換気で部屋の空気が入れ替わります。
歯科医院で患者に対して治療のために接している時間は30分程度です。
30分の治療時間が終わり、患者さんを退出させ、次の患者さんを導入するタイミングで30分ごとに5分間程度窓をあけて換気すれば十分ということになります。
チェアタイムが1時間の歯科医院では、1時間に1回、5分~10分間換気する、という対策が現実的でしょう。
エアコンを使用しながら窓を開けて換気するわけですが、
消費電力が最も大きくなるのは電源を入れた時なので、使用中のエアコンは電源を切らず、つけたままの状態で窓を開けることが省エネになります。
また、外気が入ると部屋の温度が上がるのでエアコンの消費電力が増えます。
このため、換気の前に温度設定を少し高めに設定してから窓を開け、徐々に下げていくと省エネになります。
さらに、口腔外バキュームを使用した場合は、90%のエアロゾルが除去できますので、形成や超音波スケーラーを使用するときは活用することをお勧めします。換気回数を減らすことができます。
3)24時間換気システムが稼働している建物があります
2003年7月以降に建てられた戸建ての歯科医院では、24時間換気システムが備えられている場合があります。
24時間換気システムは、換気扇によって建物の壁などについている給気口から外気を取りこみ、部屋の空気を入れ替えたあと、洗面所などの天井内にある排気口から汚れた空気を換気扇などで外に排気するシステムです。
基本的に、室内の空気を2時間で1回入れ替えられる設計になっています。
ただし、歯科医院で新型コロナウイルス感染対策として院内のエアロゾルを除去するためには、ある程度強い風の流れが必要です。
そのため、24時間換気に合わせて、1日に数回、定期的に窓を開ける自然換気を併用することが必要になります。
例えば、朝の始業時、昼休み、午後4時頃など、1日に3回程度、5分から10分の換気をすればよいと考えられます。
■まとめ
患者さんに新型コロナウイルスの感染対策をアピールするには、換気を実施していることを、患者さんに見て分るように伝えることが重要です。
そのため、医院の定期的な換気対策や方法を待合室にポスターで示したり、
ホームページで解説したり、という工夫が重要です。
換気の回数や、どの窓を開けるのか、また患者さんへの告知をどうするかなど、スタッフミーティングで話し合っていただきたいと思います。
おわり
■■2020年度「歯科経営改善ゼミナール」WHITECROSS LIVEセミナー プログラム■■
第1回 7月14日(火):「差別化戦略とマーケティング対策の進め方」
・差別化戦略はライバル医院を特定し、その医院とどう差別化するかを具体的に考えていくところから始まります。具体的な対策をご紹介します。
第2回 8月4日(火):「患者から選ばれるホームページと情報発信対策の進め方」
・ホームページは比較されることが前提の広告媒体です。最近は、レスポンシブウエブデザインが主流になり大きく環境が変りました。さらに、院内掲示の進め方やSNSなどを通じた情報発信の事例と進め方を解説します。
第3回 9月1日(火):「自費増大対策と、か強診のための在宅歯科の導入対策」
・自費を増やすための具体策を解説します。また、か強診の取得をめざすための在宅歯科の導入対策を解説します。
第4回 10月6日(火):「経営効率を高める!歯科医院の経営管理の進め方」
・経営管理が苦手な先生が多いのが実情です。財務諸表の読み方、キャッシュフロー経営の考え方と実際、在庫管理の適正化、月次管理の項目と目安などを解説します。
第5回 11月3日(火):「歯科衛生士の職務範囲と予防歯科の進め方」
・歯科衛生士の職務範囲はどこまでなのか、日本歯科医学界や厚生局などの資料をもとに解説します。今後の歯科医院経営の主流となる予防歯科について、採算性、導入方法などを解説します。
●受講ご希望の方は、ホワイトクロスの専用サイトからお申込みください。
https://www.whitecross.co.jp/events/view/1239