新型コロナウイルス感染予防のなかで、7月に入ってもぐずついた天気が続きます。感染予防のために窓を開けて換気したいのですが、激しく降る日は雨が入ってきますし、冷房や除湿を入れていても換気をするたびに湿気が入ってきます。受付に透明ビニールを設置している医院では、内側に空気がこもって蒸れるので、マスクを着用したままの患者応対も大変です。そんな梅雨の日に患者さんが「こんな歯科医院は安心だ」「こんなサービスがあれば嬉しいな」と感じていただけるアイデアを考えてみましょう。コロナ感染対策に明け暮れている今ならではの、医療機関らしいサービスはないでしょうか。

1.定番は雨の日タオル: 激しい雨の日に来院される患者さんのために、乾いた清潔なタオルを用意して、濡れた洋服や、カバンなどを拭いていただくのです。土砂降りの日など、かなり感動してくれます。しかも、タオルで鞄などを吹いていただくとソファが濡れなくなります。そのとき、コロナ禍ならではの工夫として「このタオルは感染リスク対策として、毎回きれいに洗濯しています」と表示しておきましょう。

清潔なタオルで濡れた髪や衣服を拭けるのは嬉しいものです。スーツなどの型崩れも防止できますし、何より「あなたはこの医院にとって大切なお客さま(患者さま)です」ということを、態度で示されるので、感謝の気持ちがでてくるからです。

2.忘れ傘の対策: 持ってきた傘を傘置きに立てておいて、間違って持って行かれたり盗まれてしまったり、というケースが絶えません。忘れて帰る患者さんも大勢いらっしゃいます。しかし、コロナ禍のなかではこの忘れ物や取り違えも問題です。感染リスクが気になる患者さんがいると考えられるからです。このため、忘れ物の傘は柄の部分をアルコールや次亜塩素酸で消毒したうえで保管しましょう。そのうえで「お忘れ物の傘です。感染対策として柄の部分を消毒しております。安心してお持ち帰りください」と書いたメモを輪ゴムで貼り付けておきましょう。取りに来られた患者さんは喜んでくれると思います 。

3.定番の貸し傘: ビニールの透明の傘を用意して柄の部分に医院名のテープを貼っておくのです。もちろん、柄の部分を消毒しているメモを輪ゴムで貼っておきましょう。

4.洗口コーナーにヘアドライヤーを置く: 雨の日に髪が爆発状態になる患者さんもいらっしゃいます。ドライヤーにも「消毒済」と表示しておきましょう。

歯科医院は、「あまり行きたくない医療機関」の代表です。痛くされたり、歯を抜かれたり、怖い治療もされる場所だからです。しかも、今はコロナウイルス感染の予防を心がける必要があります。マスコミが「歯科医院は不要不急で感染リスクが高い」という誤った情報を初期に流したために、いまだに歯科医院の受診を警戒している患者さんもいると思います。

そのために、雨の日だけの「清潔感があって、やさしい心配りが伝わるサービス」を工夫することをお勧めします。そのとき、定番のサービスに「感染予防をしていることを伝える工夫」を追加しましょう。きっと、良い口コミが広がっていくと思います。           

以上