【コラム】
一部のマスコミで、専門家ではないゲストやお笑い芸人などがバラエティ番組で、
「歯科医療は不要不急」と言ったり、
「感染リスクが高いから歯科医院には行かないほうがよい」と言ったりしているようです。

非常事態宣言が出されて以来、歯科医院の患者数も激減しています。
ここで明確に反論しておきたいと思います。

正しいのは、「新型コロナ肺炎を重症化させたくなければ、歯医者へ行こう!」です。そして、「歯科医療は不要不急ではなく、感染リスクも高くない」です。

患者さんには、安心して歯科医院で継続治療を受けていただけるように、
次の内容をご案内していただきたいのです。
「コロナウイルスに感染しても、重症化を予防できる数少ない手段の一つが、歯科医院での口腔ケアと毎日のきちんとした歯みがきである」。 

今回は、この理由をご紹介します。
ぜひ、シェアしていただければと思います。

■■■歯科経営改善ゼミナール ホワイトクロス・LIVEセミナーのご案内 ■■■

弊社も新型コロナウイルス感染予防のために、5月までのセミナーはすべて中止しました。

6月の「M&D経営塾」は、5月6日の緊急事態宣言の状況をみて判断する予定です。

このため、今年度は改めてプログラムを組み替え、ホワイトクロスからLIVEセミナーとして開催することにしました。

「歯科経営改善ゼミナール」ホワイトクロスLIVEセミナー版のご案内

他医院と差別化するマーケティング対策やホームページの作り方、自費増大対策と在宅歯科、経営管理対策、そして予防歯科の進め方などを5回のプログラムで解説します。ぜひ、ご視聴いただきたいと思います。

また、ロールプレイやグループワークが必要なセミナーは別途開催します。
追ってご案内いたしますので、ぜひ合わせてご参加いただきたいと思います。

■■2020年度 「歯科経営改善ゼミナール」WHITECROSS LIVEセミナー版 プログラム■■

第1回 7月14日(火):「差別化戦略とマーケティング対策の進め方」 
差別化戦略はライバル医院を特定し、その医院とどう差別化するかを具体的に考えていくところから始まります。
具体的な対策をご紹介します。

第2回 8月4日(火):「患者から選ばれるホームページと情報発信対策の進め方」
ホームページは比較されることが前提の広告媒体です。
最近は、レスポンシブウエブデザインが主流になり大きく環境が変りました。
さらに、院内掲示の進め方やSNSなどを通じた情報発信の事例と進め方を解説します。

第3回 9月1日(火):「自費増大対策と、か強診のための在宅歯科の導入対策」
自費を増やすための具体策を解説します。
合わせて、か強診の取得をめざすための在宅歯科の導入対策を解説します。

第4回 10月6日(火):「経営効率を高める!歯科医院の経営管理の進め方」
経営管理が苦手な先生が多いのが実情です。
財務諸表の読み方、キャッシュフロー経営の考え方と実際、在庫管理の適正化、月次管理の項目と目安などを解説します。

第5回 11月3日(火):「歯科衛生士の職務範囲と予防歯科の進め方」
歯科衛生士の職務範囲はどこまでなのか、日本歯科医学界や厚生局などの資料をもとに解説します。
今後の歯科医院経営の主流となる予防歯科の採算性、導入方法などを解説します。

なお、次のセミナーは、現時点では開催の予定です。
変更がある場合は、追って告知させていただきます。

■■2020年度 「歯科経営改善ゼミナール」プログラム■■                  

6月28日  M&D経営塾「分院経営の成功対策を考える」
~医療法人スワン会元理事長 鈴木純二先生~
大型医院をファンドに売却され、注目を浴びている先生です。
大型化と分院経営の成功ポイントを、事業承継まで含めてお話いただきます。

7月19日  「診療契約の知識とトラブル対策の実務」
・歯科診療契約によってどんな責任と義務を負うのか、
医療事故や理不尽なクレームに対してどう対応するか、実務的な知識を解説します。  

9月13日  「スタッフが活性化する賃金規定の作り方」
・職能資格制度、役割資格制度など、歯科医院の実態に即した賃金規定の作り方を解説します。

10月25日 「歯科カウンセラー養成講座」2020年第二回

11月22日、23日 究極の自費話術教室セミナー 2020年第二回

11月29日 「スタッフが活性化する人事評価の導入対策」
・冬期賞与のための人事評価の導入対策です。ケーススタディを中心に、歯科衛生士、受付助手の人事評価表を差し上げます。

12月20日 「スピードスタートのための開業対策」
・2021年に開業をめざしている歯科医師のために、成功する開業準備と、スピーディに立ち上げるための対策を解説します。
【会場】 飯田橋レインボービル:東京都新宿区市谷船河原町11 
Tel 03-3260-4791 JR・地下鉄飯田橋駅5分
【お申し込み】
https://md-management.jp/improve/

【お知らせ】
※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ
https://md-management.jp/dvd/

                           
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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】

優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング対策が必要です。

このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。

みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日 
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社 M&D医業経営研究所 代表取締役
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成功する!歯科医院のマーケティング対策 第398号

令和2年4月27日

「歯科医療は、不要不急でもなく、感染リスクも高くない」

今回も、いつものスタイルではなく、メルマガを進めます。

一部のマスコミが「歯科医療は不要不急」と言ったり、
「感染リスクが高いから歯科医院には行かないほうがよい」という意見もあるようです。
ここで明確に反論しておきたいと思います。

【1.歯科医療は不要不急ではない】 

急患でお痛みの患者さんの治療はもちろん、エンドの途中で1週間も余計に治療期間が開くと根管への感染リスクが高くなります。

歯牙を形成してからセットまで3週間も開けるとかなりの調整が必要になり、3ヶ月も開くとせっかく作った技工物が使えなくなってしまいます。

歯列矯正でも、毎月のチェックをしておかなければ、狙い通りのリザルトが得られなくなるリスクがでてきます。

このように、歯科医療は治療計画に基づいて一定の期間を設定しながら治療を進めているわけで、決して不要不急ではないのです。

歯科衛生士の処置も同様に不要不急ではありません。
例えばSPT(歯周病安定期治療)は、重症化予防のための医学管理です。
糖尿病や高血圧の医学管理と同じで、放置しておくと糖尿病などを発症する危険があるから、定期的に予防管理しているのです。

不要不急といえるのは審美目的のホワイトニングぐらいでしょう。
これも、歯の色にお悩みの患者さんにとっては、不要不急ではないでしょう。

元国立保健医療科学院 口腔保健部 部長で、 鶴見大学 歯学部探索歯学講座教授の花田 信弘 先生が、4月20日のNHKのテレビ番組「朝イチ」で、「口腔ケアをすることで、重症化が予防できる。ウイルス感染による肺炎に続いて起きる、免疫力低下による細菌性肺炎のリスクを低下させることができる」と話されていました。

歯科衛生士のみなさんも、自信をもって口腔ケアを提供していただきたいと思います。

【2.歯科医院の患者への感染リスクは高くない】 

歯科医院では、新型コロナウイルス感染対策に関わらず、以前から患者ごとの器具の交換、滅菌、ディスポーザブルの器具の使用などを行ってきました。

か強診や外来環を算定する医院では口腔外バキュームを常備しています。

グローブも患者毎に交換し、マスク、ゴーグルを着用して処置を行なっています。
問診の際も歯科医師はマスクを着用しており、術者の唾液が患者の口腔内に飛ぶ可能性は少ないでしょう。

待合室での感染リスクも高くありません。

内科や総合診療科は、感染リスクの高い患者が来院する一次医療機関です。
そして、どこも混雑しており、待合室で30分ぐらい待たされることが多いので、患者同士の感染リスクが否定できないでしょう。

しかし、歯科医院はもともと体調が優れない患者が集まる医療機関ではありません。
また、ほとんどの患者さんは体調が悪いと予約変更をされて来院されません。

さらに、歯科医院の多くは予約制です。
待合室は混雑しないし10分も待たせることは少ないでしょう。

また、多くの歯科医院の待合室は空気清浄機を稼働させたり、窓を開けたりしており、密室状態ではありません。
狭い待合室で大勢の患者が密集したり、密着して座る可能性は少なく、他の診療科に比べて感染リスクは高くないのです。

【3.患者から医療スタッフへの感染確率も高くない】 

次に、感染した患者が来院する確率を考えてみましょう。急患で来院するのはう蝕の患者さんが多いわけです。
厚生労働省の患者調査によれば、う蝕(むし歯)の受療率は人口10万対219人です。

そして、日本の感染者数は約1万1千人です。
マスコミが言うようにその10倍の潜在感染者がいると仮定しても、10万1千人です。
う蝕で来院する患者数は221人ということになります。

これに対して歯科医院は2020年1月現在で約68,300軒あります。
つまり、感染した患者さんが来院する確率は221人÷68,300軒=0.32%です。

さらに、平成29年の患者調査では歯科医院の患者の45.2%が65歳以上です。
この年齢層は、COVD-19に罹患すると自覚症状がでてアポイント変更をするでしょう。
自覚症状のない15歳~44歳は20.4%です。

自覚症状のない患者20.4%が検温をすり抜けて来院する可能性は、
0.32%の20.4%ですから、0.065%になります。
有意な確率でしょうか。

そして、歯科医師、歯科医師ともマスク、グローブ、ゴーグルでガードしているのです。

だれもが買い物に立ち寄り、店員がマスクだけの無防備状態で接客しているコンビニやスーパーなどと、歯科治療を受ける患者だけが来院し、医療スタッフが完全防備で対処する歯科医院との感染リスクには大きな違いがあるのです。

とはいえ、楽観は禁物です。
ただし、必要以上に怖れず、冷静に診療を進めていただきたいと思います。  

また、患者さんには、安心して歯科医院で継続治療を受けていただけるように、
次の内容をご案内していただきたいと思います。
「コロナウイルスに感染しても、重症化を予防できる数少ない手段の一つが、歯科医院での口腔ケアと、毎日のきちんとした歯みがきです。
それは、口腔内の常在細菌を減少させ、細菌性肺炎のリスクを低下させるからです。」                                      

おわり