みなさんは、マスクを正しく着用していますか?院内では、ドクター、歯科衛生士、歯科助手のみなさんもマスクを着用していると思います。でも、マスクの着用の仕方や使い方によって効果がほとんどない場合もあるのです。これからインフルエンザや風邪の流行時期を迎えます。歯科は患者さんの口腔や鼻と距離が近いほか、処置中に唾液や血液の飛沫が飛散するので、感染防止のために正しくマスクを着用する必要があります。

ところが、正しく着用している人が意外に少ないのです。次のような方はいませんか?

①マスクと鼻の間に隙間が残っている:息苦しいからとわざと鼻とマスクの間に隙間を残している方がいますが、これでは着用していないのと同じです。

②口だけを覆って鼻を出している:息苦しいからでしょう。しかしこの場合は、自分の咳や唾液の飛散防止効果はありますが、自分を守ることはできません。

③患者さんと話すときに顎マスクで会話をする:これは患者さんに失礼であるだけでなく、治療の際に飛び散り術者の顎などに付着した患者さんの唾液や血液などがマスクの内側に付着してしまうので大変危険です。必ずマスクをいったん外して、患者さんと会話しましょう。

それでは、マスクを正しく着用する手順をご紹介しましょう。

1.上になる部分を確認する:針金の入っている側が上側です。針金を曲 げて鼻とマスクの間のすき間をなくすためです。

2.裏表を確認する:通常は、耳にかけるゴムの取り付け部分がついているほうが外側です。マスクの端っこをゴムが抑えこむような形になります。鼻の前に来るヒダの間に埃が溜まらない向きで装着します。ひだにほこりがたまらず衛生的で空気も吸いやすくなります。裏表を逆に着用すると、息が吸いにくいだけでなく空気中の埃がマスクのヒダに貯まってしまい、それを通して呼吸するようになるので不潔です。

3.真ん中から半分に折り曲げる:図のように半分からきちんと二つに折り曲げます。これは鼻の位置にぴったり合ってずれないようにするためです。外したときにすぐに二つに折ってマスクの内側を保護するためです。

4.折り目に鼻を合わせてゴムを耳にかける:折り目があると鼻の真ん中に装着しやすくなります。ずれないようにゴムを調整しましょう。

5.鼻と折り曲げたカーブを合わせて隙間が残らないようにする:折り目のワイヤーをおさえて

鼻とマスクの間にすき間が残らないように調整しましょう。息苦しくなるからとすき間を残すと、空気中に漂っている飛沫が呼吸のたびにすき間から入ってきます。マスクで直接飛び散ってくる患者さんの唾液などを防護するだけになってしまい効果が半減します。

6.マスクのひだを伸ばして、顎に密着させる:マスクのひだを顎の下まで引っ張って伸ばし、顎に患者さんの唾液やハンドピースからの飛沫がかからないようにしましょう。

マスクの表面には、インフルエンザウイルスやHBVやHCV、HIVなどのウイルスも飛沫と一緒に付着しています。マスクの外側を素手で触らないように注意しましょう。    以上