8月に入ると夏本番を迎え、暑い日が続き、患者さんも不快な思いをされる季節です。少しでも快適に診療を受けていただくために、みんなで話し合って工夫しましょう。

)冷房の設定:
待合室と診察室の冷房の温度で、快適さが違ってきます。
待合室は暑い屋外から入ってきて、爽やかに感じる温度が重要です。
患者さんが座るソファに向けてエアコンの風があたるようにしておきましょう。受付スタッフが座るカウンターを冷やしすぎると、スタッフが体調不良を訴えてくることになるので要注意です。
診察室は冷やしすぎないようにしましょう。歯科医師やスタッフは動き回るほか、処置に集中するので暑く感じがちですが、チェアに座っている患者さんは寒く感じることがあるからです。お年寄りや小さなお子さんでも寒く感じないように配慮が必要です。またブランケットを用意しておきましょう。

よく、室内を28度にするためにエアコンの温度設定を28度にするケースがありますが、これでは院内の温度は28度以上になってしまい暑く感じることになります。室温を28度にするためには、100円ショップで温度計を買ってきて、エアコンの風が直接あたらない場所に2カ所程度に温度計を設置し、その温度が28度になるようにエアコンを調節しましょう。

2)悪臭対策:
①スピットン回りの悪臭。夏場はスピットンのトラップが悪臭の原因になることがあるのでこまめに清掃しましょう。
②診察室のシンク。シンクや流しにはいろいろなゴミが溜まり夏場は悪臭のもとになり、小バエが発生することもあります。
③技工コーナーのトラップ。技工コーナーのトラップも悪臭の原因になることがあります。定期的に清掃をする必要があります。
④スリッパ。紫外線滅菌機能のついたスリッパラックを入れている歯科医院では、夏場は患者の足の汗が乾燥しないまま次の患者に履かれてしまい、細菌が繁殖して悪臭がすることがあります。診療終了後にはすべてのスリッパをラックから出してよく乾燥させる必要があります。また、この機会に土足化を検討しましょう。
⑤ゴミ箱。医療廃棄物のごみ箱はきちんと管理していても、一般ごみは蓋のないゴミ箱に入れているという医院があります。ここに湿気が残るゴミや弁当の残飯の残ったごみを入れてしまうと悪臭の原因になります。
⑥トイレ。トイレの悪臭は主に男性の尿が壁紙や床に広がることで発生します。かなりの範囲まで飛び散るからです。そのため、壁紙もきれいに清拭して防臭剤を噴霧するなどの対策が有効です。トイレの換気扇は常時回しておき、診察室や待合室より負圧にして臭いが院内に流れないようにしましょう。

3)医師やスタッフのユニフォーム:
夏で問題になるのは白衣の臭いと汚れです。特に男性が問題になります。また、白衣の汚れにも注意しましょう。特にズボンの内側が汚れがちです。重点的に漂白するなど、清潔に見えるように配慮しましょう。
歯科医院の清潔管理のポイントは、患者さまになったつもりで順に目に入るものをチェックしていくことです。実際に清潔であるだけでなく、「見るからに清潔である」ことが「信頼感と安心感」に結びつくからです。患者さんが快適に診療を受けられ、医師やスタッフ、受付などすべての医療関係者が快適に過ごせるように工夫を重ねましょう。

以上