人スタッフも2ヶ月目に入り慣れてきた頃かと思います。でも中途退職が多くなる時期は3日、3か月、3年といわれており、今頃は「思っていたのと違った」「先輩や上司が怖い」等の理由で辞める人が出る時期です。そうならないために、今回は人材育成のポイントをご紹介しましょう。

1.新人達の従業員満足度を高める

従業員満足度が低いと、新人たちは「仕事が早く終わらないかなー」「言われた通りのことだけしていれば良い」などと考えがちです。やがて医院を辞めることまで考えるでしょう。そうなると、患者さんの評判が悪くなり、医院の業績も下がってしまいます。従業員満足があって患者満足が実現できるのです。

2.行動指針の優先順位を伝える

行動指針とは仕事を進める上での優先順位です。たとえば、「スピード」と「正確性」は対立しますが、歯科医院は医療機関なのでどんなに混雑していてもきちんとした処置が必要です。時間がないから滅菌が不十分な器具をだしても良い、なんてことは絶対にありません。正確な仕事で確実性を保ちながら、スピードアップを図る工夫が必要なのです。歯科医院の優先順位は、1.安全性、2.診査診断、治療の正確性、3.分かりやすい説明と丁寧な傾聴、4.診療効率でしょう。

3.「見て覚えろ」では人は育たない

後輩の指導は手間がかかります。教える時間が十分にとれない場合もあります。しかし、「見て覚えなさい」「一度言ったから分るでしょう」と放ったらかしでは、モチベーションが低下し、いつまでたっても覚えられないどころか、辞めてしまうスタッフもでてくるでしょう。繰り返し説明して、丁寧に質問に答える、小さなことでもできたら褒める、というようにすると、やる気がでてスキルが効率よく身につき、自分も同じように後輩を育てようとしてくれるでしょう。   

4.仕事の成果だけに注目しない

仕事ができる、仕事ができないなど結果ばかりに目を向けるのではなく、頑張る姿勢を評価してあげることが大切です。「練習がんばったね、SRP上手にできています」など後輩の努力と成果を褒めることで、自ら工夫をしたり、練習に取り組むようになるのです。

5.指示する時は必ず理由と重要性を伝える

意味や理由を伝えずに細かな指示をすると、新人には「そんなことまで指図されたくないのに」など反発する気持ちが出てきます。不満げな態度が表に出てしまい、患者さんにも不愉快な印象を与えてしまいかねません。指示をするときは、その理由や大切さも伝えて納得させることが大切です。歯科診療はチーム医療です。受付や歯科衛生士、歯科助手、それぞれの仕事がなくてはならないものです。なぜその仕事や作業の手順が重要なのかを具体的に伝えることで新人達の気持ちも変わってきます。朝の院内清掃やトイレ掃除、滅菌消毒、技工所との連絡、その他にも「直接患者さんに触れないが、医院のために大切な仕事」が沢山あります。またバキュームの持ち方なども細かなテクニックと気配りが重要です。どうしてこんなに細かな指示をするのか、理由とその注意点の大切さを伝えてあげましょう。 

以上