【コラム】

令和8年診療報酬改定の概要が見えてきつつあります。

12月19日、政府は医療者の人件費などに充てられる「本体」部分の改定率をプラス3.09%にする方針を固めました。

3%を超えるのは30年ぶりで、大幅な引き上げになります。

物価高騰によって病院は赤字施設が続出し、病院協会などの病院団体が

10%程度の大幅な引き上げを求めていました。

中医協の資料でも、歯科診療所全体で、赤字医院が41.4%だったという

データを公表していました。

3%の内訳はこれから配分されていくわけですが、歯科診療報酬についても

多少期待ができそうです。

1月25日(日)の新春セミナーでは、

令和8年歯科診療報酬改定について、分かっている範囲で概要と対策方向を

解説します。

また、例年通り、歯科医院をとりまく環境変化と対応方向を解説します。

WEBによる振り返り受講、DVDの販売も予定しています。

ぜひ受講していただければと思います。

~~【2026年 セミナー案内】~~

■2026年の公開セミナーのご案内です。

●新春セミナー 1月25日(日)13時30分~17時00分

会場:飯田橋レインボービル

代表 木村 泰久が、第一講座「歯科経営を取り巻く環境変化と対応方向」、

第二講座「令和8年度歯科診療報酬改定の概要と対策の方向性」を分かりやすく解説します。

●M&D経営塾 6月28日(日)13時30分~17時00分

会場:飯田橋レインボービル

テーマ 「成功する歯科医院の承継を考える」

ゲスト講師:長﨑 敏宏 先生 (医療法人社団宏真会 ながさき歯科医院 前理事長)

事業承継の体験談と成功のポイントを解説していただきます。

また、代表 木村 泰久から、歯科医師の高齢化、後継者不在の状況、そして、医院の事業承継の事例と成功のポイントなど、事業承継をとりまく状況を解説する予定です。

■2026年度の歯科経営改善ゼミナールのご案内です。

実務的な内容のセミナーですので、参考にしていただけると思います。

興味のある回だけご視聴いただけますので、ぜひご検討ください。

●歯科経営改善ゼミナール(すべてWEBセミナーです)

受講料:1名様 各回6,600円(税込) 

16:00~17:30または録画視聴 ※視聴期間 各1か月

2月12日(木) 「分かりやすい!会計と経理のポイント」

3月19日(木) 「分かりやすい!事業承継のポイント」

4月16日(木) 「分かりやすい!電話応対と話し方の基本」

6月18日(木) 「分かりやすい!増患対策のポイント」

9月17日(木) 「分かりやすい!在庫管理のポイント」

10月22日(木) 「分かりやすい!人事評価の進め方」

11月19日(木) 「分かりやすい!開業準備のポイント」

※歯科経営改善ゼミナール

※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ

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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】

優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。

そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング対策が必要です。

このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。

優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日

【発行者】 木村 泰久

(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント

株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策  

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「キッズコーナーを考える その2」

【目次】

1.はじめに

2.他産業でいえばどんなこと?

3.歯科医院ではどうすればよい?

4.まとめ

■1.はじめに

前回は、キッズコーナーの役割とその必要性について考えました。

今回はさらに踏み込んで、実際に導入を検討する先生方のために、

現実的なレイアウトや感染対策などについて、整理していきたいと思います。

「狭いから無理」と思っていた医院でも、実は少しの工夫で十分機能的な

キッズコーナーを作ることが可能です。

■2.他産業でいえばどんなこと?

他産業の事例をみてみましょう。

たとえば、カフェチェーンの「親子席」をご存じでしょうか?

小上がりスペースに低めのテーブルとベンチを設置し、子供用椅子を常設。

床はクッション性のある素材で、転倒しても安心です。

大人がコーヒーを飲みながら、子供を見守れる配置になっています。

この「安心して見守れる距離感」が、来店リピートにつながっています。

また、大手書店の児童書コーナーも参考になります。

小さな本棚を低い位置に並べ、角を丸く加工。

床は防滑マット、照明はやわらかい色温度で落ち着いた空間にしています。

スペースの広さではなく、「子供が落ち着いて過ごせる心理的な安心感」を

重視している点がポイントです。

これらを歯科医院に置き換えると、

「保護者が診療を受けている間、受付スタッフが視線を送れる距離」に

キッズコーナーを設ける、

あるいは

「待合室の保護者から見える位置」に設置することが理想的といえます。

■3.歯科医院ではどうすればよい?

小規模な医院でも設置可能なキッズスペースのパターン。

想定スペース:

 1平米あれば最小のキッズスペースが設置できます。

あまり大きいと目が届きにくくなり、安全性に問題がでてきます。

設置場所:

基本は、待合室の一角・受付の隣で、すぐにスタッフが出て行って、

子供を抱きとめることができる場所とします。

やや広めの個室診療室がある場合は、ユニットの前に小さなキッズスペースを置いて、仕切りの低い柵を設置し、キッズスペース付診療室としているケースもあります。

小さくても「子供を下せる場所」があることで、小さな子供を持つ母親に安心感を抱いてもらいます。

レイアウト

・床に厚手のジョイントマットを敷く。

・壁際に小さな絵本ラックとおもちゃを配置。

・そばに椅子やマットを置いて、親が腰かけられるようにする。

・キッズスペースの側に保護者が座れる椅子を設置して「親子で過ごせる空間」にする。

・季節ごとの装飾(ハロウィン・クリスマスなど)で雰囲気を演出する。

・受付からも待合室の患者さんからも目が届きやすい、開放的な空間にする。

・壁付けの小型液晶モニターでアニメのDVDを流す。

・絵本やおもちゃは高価なものより、入れ替えをこまめに行える手軽なものにする。例えばディスニー絵本は、1,000円程度でハードカバーのディスニー映画の絵本が購入できる。

安全対策

・子供が倒したり、見えないところで怪我をしたりするリスクがあるので、

パーテーションなどは置かない。

・防犯カメラの視野のなかにキッズスペースが入るようにする。

・子供が危ない行動をしたとき、受付からすぐに出ていけるように受付の隣にレイアウトする。

・男児の好きな超合金のロボットや、ミニカーは投げる子供がいるので避ける。

感染対策

・ジョイントマットは抗菌仕様を使用し、週1回消毒。

・おもちゃは毎日アルコールで清拭する。

・ぬいぐるみは不潔になりやすいので避ける。

・絵本は、受付に戻してもらい、表紙と裏表紙をアルコールで清拭する。

保育士による託児サービスの検討

・キッズコーナーに加えて、保育士による託児サービスがあれば、小さなお子さんを持つ母親の来院が期待できます。

・0~3歳の小さなお子さんをもつ母親は、託児サービスがある医院でなければ自分の歯科治療も、子供の検診や治療も受けられないからです。

・保育士は、非常勤の方に週2日~3日程度、時間を決めて来ていただきます。

・予約取りの際に、保育士による託児サービスとセットで予約していただくわけです。

■4.まとめ

キッズコーナーの設計で最も大切なのは、「立派な遊び場を作ること」ではなく、

“安心して通える医院”という印象を持ってもらうことです。

狭くても、工夫しだいで十分差別化できますし、費用をかけずとも安全なキッズスペースが作れます。

「子供連れの患者さんに優しい歯科医院」のイメージが患者さんに伝わることで、広域的に子連れの患者さんが来院する歯科医院になっていきます。

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【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久