【コラム】

12月2日から、健康保険証が使えなくなり、マイナ保険証と資格確認書になりました。
しかし、11月15日になって、現行の健康保険証を来年3月末まで、使える特例が発表されました。
現場の混乱を防止するためということですが、医療機関への連絡も遅れて、直前まで知らなかった歯科医院が多かったようです。困ったものだと思います。

来年度の診療報酬改定について、中医協の資料をはじめ、色々な情報が集まってきました。
恒例の新春セミナーを、1月25日(日)13時30分~17時00分に開催します。
会場は、いつもの飯田橋レインボービルです。
今回の内容は、私 木村 泰久が、「歯科経営を取り巻く環境変化と対応方向」と、「令和8年度歯科診療報酬改定の概要と対策の方向性」を、分かりやすく解説します。

振り返り視聴も、受講料5,500円で可能です。ぜひ、参考にしていただければと思います。

~~【2026年 セミナー案内】~~~
■2026年の公開セミナーのご案内です。

●新春セミナー 1月25日(日)13時30分~17時00分
会場:飯田橋レインボービル
代表 木村 泰久が、第一講座「歯科経営を取り巻く環境変化と対応方向」、
第二講座「令和8年度歯科診療報酬改定の概要と対策の方向性」を分かりやすく解説します。

●M&D経営塾 6月28日(日)13時30分~17時00分
会場:飯田橋レインボービル
テーマ 「成功する歯科医院の承継を考える」
ゲスト講師:長﨑 敏宏 先生 (医療法人宏真会 ながさき歯科医院 前理事長)
事業承継の体験談と成功のポイントを解説していただきます。
また、代表 木村 泰久から、歯科医師の高齢化、後継者不在の状況、そして、医院の事業承継の事例と成功のポイントなど、事業承継をとりまく状況を解説する予定です。

■令和8年度の歯科経営改善ゼミナールのご案内です。
実務的な内容のセミナーですので、参考にしていただけると思います。
興味のある回だけご視聴いただけますので、ぜひご検討ください。
●歯科経営改善ゼミナール(すべてWEBセミナーです)
受講料:1名様 各回6,600円(税込) 
16:00~17:30または録画視聴 ※視聴期間 1か月

2月12日(木) 「分かりやすい!会計と経理のポイント」
3月19日(木) 「分かりやすい!事業承継のポイント」
4月16日(木) 「分かりやすい!電話応対と話し方の基本」
6月18日(木) 「分かりやすい!増患対策のポイント」
9月17日(木) 「分かりやすい!在庫管理のポイント」
10月22日(木) 「分かりやすい!人事評価の進め方」
11月19日(木) 「分かりやすい!開業準備のポイント」

※歯科経営改善ゼミナール
https://md-management.jp/improve/

※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ
https://md-management.jp/dvd/

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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】
優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング対策が必要です。

このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。

みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策  

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「キッズコーナーを考える その1」

【目次】

1.はじめに
2.他産業でいえばどんなこと?
3.歯科医院ではどうすればよい?
4.まとめ

■1.はじめに
「うちの医院、最近子供連れの患者さんが減った気がするな…」
そう感じたことはありませんか?

小児歯科を標榜していなくても、子供を連れた保護者が来院することは少なくありません。むしろ、家族で通ってもらえる医院ほど安定的な経営につながります。

ところが実際には、「子供がじっとしていられない」「待合室で騒いでしまうのでは」と心配して、来院をためらう保護者が多いのです。

そんな中、近年は「キッズコーナーのある歯科医院を選ぶ」という行動が、インターネット検索や口コミを通して一般的になってきました。

つまり、キッズコーナーは単なる「遊び場」ではなく、「選ばれる歯科医院」になるための入口なのです。

一方で、「スペースがない」「スタッフの目が届かない」「子供向け設備に費用をかけられない」といった理由から、導入を見送っている医院も多く見られます。

はたして、キッズコーナーは本当に特別な設備なのでしょうか?

■2.他産業でいえばどんなこと?

理髪店や美容院をみてみましょう。

どちらも「個人のケア」に関わるサービス業ですが、キッズコーナーを設けているところはごくわずかです。

なぜなら、特に美容院では「子供を預けて、自分の時間を楽しむ」という意識が強いからです。

ところが、歯科医院はそうはいきません。痛みやトラブルがあれば、今すぐにでも行かなければならない。

そうした「待ったなし」の状況で、子供をどうするかが来院を左右します。
もう少し広く見てみましょう。

たとえば、大手家具店や郊外型ショッピングセンターでは、立派なキッズコーナーを備えています。

ボールプールや滑り台、絵本コーナーなどがあり、子供たちは目を輝かせながら遊んでいます。

ここでの狙いは明確です。

「子供が行きたいと言うお店」になれば、家族全員が自然と来店するからです。

保護者が家具や日用品を見ている間、子供は楽しく過ごせて、結果的に、「あの店は子供連れでも安心」と記憶され、リピート利用につながるのです。

さらに、最近は医科のクリニックでもキッズコーナーを備えるところが増えています。

特に、予約制ではない内科や小児科では、待ち時間のストレスを減らす工夫として非常に効果的です。

感染対策の観点からも、個別に管理できるミニスペースを設けたり、定期的に清掃・消毒を行ったりするなど、「安全と安心」を両立させた形が増えています。

一方、大型ショッピングモールなどでは、キッズではなくドッグコーナーを設けるなど、ペット連れの来客にも配慮しています。

つまり、施設設計の発想は「顧客の同伴者への配慮」にあるのです。
歯科医院の場合、その「同伴者」が子供であることが多いのです。

■3.歯科医院ではどうすればよい?

では実際に、限られたスペース・限られた予算でどのような工夫ができるでしょうか?

●「小さくても、目的を明確に」
キッズコーナーの目的は、豪華な遊び場をつくることではありません。

大切なのは、保護者が安心して治療を受けられる時間を確保することです。

そのためには、「待ち時間の15分」「診療中の30分」を子供が安心して過ごせる仕組みを考えるだけで十分です。

たとえば
・人気キャラクターの絵本コーナーを設ける
・靴を脱いで上がれる半畳のカーペットスペースを用意する
・タブレットでアニメや子供向け動画を見られる環境を整える

どれも、特別なリフォームをしなくてもできる工夫です。

●「安全と清潔」を第一に
子供が使う場所ですから、角のない家具、丸みのあるおもちゃ、衛生的に保てる素材を選ぶことが基本です。

近年はマイナンバーカード受付でスムーズに手続きができるようになり、受付スタッフの負担が軽減されている医院も増えています。

その分、スタッフがキッズコーナーにも目を配れるようになれば、安心感は一段と高まります。

また、感染症対策の観点からも、定期的な消毒やおもちゃの入れ替え、使い捨て素材の活用を心がけるとよいでしょう。

「清潔で安心できる場所」であることが、医院全体の印象を底上げします。

●「スタッフ教育と連携」
キッズコーナーを設けるだけでは不十分です。

受付スタッフが子供に笑顔で声をかけたり、保護者の不安を軽減できるような対応があってこそ、「行きやすい歯科医院」として評価されます。

接遇教育の一環として、子供連れ患者さんへの声かけマニュアルをつくるのも効果的です。

「お子さんもいっしょにどうぞ」「こちらで少し遊んでいてね」といった一言が、来院への心理的ハードルをぐっと下げます。

■4.まとめ

キッズコーナーの目的は、大きく分けて2つです。

  1. 子供を持つ患者さんにアピールし、選ばれる医院になること。
  2. 子供を持つ患者さんの負担を軽減し、通いやすい環境を整えること。

この2つを意識するだけで、設計や導線の考え方が変わってきます。

たとえスペースがなくても、「ここなら子供を連れて行っても大丈夫」と感じてもらえれば、それだけで大きな信頼につながります。

「次に来るのが楽しみになる歯科医院」その第一歩が、キッズコーナーづくりかもしれません。

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【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久