【コラム】

12月2日から、健康保険証が使えなくなります。

窓口が混乱すると予想されますが、準備はできているでしょうか。

特に注意が必要なのは、マイナ保険証に移行していない患者さんがまだ多数いることです。

受付の読み取り装置でマイナ保険証にすることができますが、多少の時間がかかりますので、窓口が混雑することが予想されます。

また、まだマイマンバーカードを作っていない方が、相当数います。

この方達には、資格確認証を持参していただく必要があります。

マイナ保険証も資格確認証もお持ちでない患者さんには、スマホをお持ちでしたら、マイナポータルから健康保険情報を閲覧できますので、それを提示していただくことでも対応可能です。

スマホをお持ちでない患者さんには、月内に資格確認証を持参していただくようお願いしたうえで、

10割負担でいったんお支払いいただく、

あるいは、

1万円のデポジットをいただくという対処方法になります。

いずれにしても、受付ミーティングを開いて対処方法を検討しておくことをお勧めします。

お勧めは、今月のうちにマイナンバーカードをお持ちの患者さんに、マイナ保険証への移行を呼びかけることです。

あと一週間を有効に使いましょう。

12月からディーマプリントデンチャーティースと、ディーマプリントデンチャーベースが保険収載されます。

これは。3Dプリンターを使ったう義歯の歯冠部及び義歯床用の光重合レジンです。

「患者の模型等のスキャンデータにより、ソフトウェアで義歯形態をデザインし、液槽光重合方式3次元プリント有床義歯製作装置で本品を造形・光重合硬化させて、総義歯を製作する」とされており、

本品を用いた3次元プリント有床義歯については、日本補綴歯科学会が臨床指針を発行する予定です。

臨床研究で 3次元プリント有床義歯は、従来の総義歯と比較して再製作回数や修理回数の有意差はなく、装着後の併発症(潰瘍、疼痛等)は有意に小さくなるとしています。

つまり、適合がよいというわけです。

目的は、従来法の一部をデジタル化することで、製作時間の短縮や安定した精度の義歯供給ということですが、義歯作成ができる歯科技工士が減少していることへの対策と考えられます。

歯科技工士は年間800人しか供給されず、高齢化による退場が進んでいるため、今後も、歯科技工分野のデジタル化が進んでいくと予想されます。

~~【セミナー案内】~~~

■令和8年度の公開セミナーのご案内です。

●新春セミナー 1月25日(日)13時30分~17時00分

会場:飯田橋レインボービル

代表 木村 泰久が、第一講座「歯科経営を取り巻く環境変化と対応方向」、

第二講座「令和8年度歯科診療報酬改定の概要と対策の方向性」を分かりやすく解説します。

●M&D経営塾 6月28日(日)13時30分~17時00分

会場:飯田橋レインボービル

テーマ 「成功する歯科医院の承継を考える」

ゲスト講師: 長﨑敏宏 先生 (医療法人宏真会 前理事長)

事業承継の体験談と成功のポイントを解説していただきます。

また、代表 木村 泰久から、歯科医師の高齢化、後継者不在の状況、そして、医院の事業承継の事例と成功のポイントなど、事業承継をとりまく状況を解説する予定です。

■令和8年度の歯科経営改善ゼミナールのご案内です。

実務的な内容のセミナーですので、参考にしていただけると思います。

興味のある回だけご視聴いただけますので、ぜひご検討ください。

●歯科経営改善ゼミナール(すべてWEBセミナーです)

受講料:1名様 各回6,600円(税込) 

16:00~17:30または録画視聴 ※視聴期間 1か月

2月12日(木) 「分かりやすい!会計と経理のポイント」

3月19日(木) 「分かりやすい!事業承継のポイント」

4月16日(木) 「分かりやすい!電話応対と話し方の基本」

6月18日(木) 「分かりやすい!増患対策のポイント」

9月17日(木) 「分かりやすい!在庫管理のポイント」

10月22日(木) 「分かりやすい!人事評価の進め方」

11月19日(木) 「分かりやすい!開業準備のポイント」

※歯科経営改善ゼミナール

※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ

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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】

優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。

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このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。

優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。

みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日

【発行者】 木村 泰久

(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント

株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策  

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「予約手段を考える」

【目次】

1.はじめに

2.他産業でいえばどんなこと?

3.歯科医院ではどうすればよい?

4.まとめ

■1.はじめに

コンサートやレストランを予約する際、今はほとんどの方がスマホやPCでネットから済ませます。

電話を使うのは最後の手段となり、予約の窓口はネット中心になってきています。

では、歯科医院ではどうでしょうか?

まだ「電話予約」が主流ではないでしょうか。

でも、それだと患者さんが「今すぐ予約したい」と思ったときに電話がつながらなければ、別の医院へ流れてしまうかもしれません。

実は、歯科医院でもネット予約を使っている医院は増えてきています。

今回は、予約手段の多様化を考えてみましょう。

■2.他産業でいえばどんなこと?

他産業をみると、電話予約は最後の選択肢になっています。

コンサートの申し込みを見ると、昔は電話でのチケット申し込みが主流でしたが、現在はチケット販売サイト、スマホアプリ、電子チケット、QRコード発券などが中心です。

最初から電話予約だけなのは少しあるぐらいでしょうか。

レストランも同様です。

スマホの予約アプリ、グルメサイトの予約機能、レストラン公式サイトからの予約、さらにはSNSからの予約リンク、いずれも24時間可能な仕組みです。

ただし、多くは3日以降の予約申し込みとなっています。

また、コース料理を予約した場合は、確認の電話がかかってくることが多いようです。

いずれにしても、スマホ片手に、画面操作だけで予約が完結するわけです。

■3.歯科医院ではどうすればよい?

歯科医院ではどうすればいいでしょうか?

スマホ片手に画面操作だけで予約が完結したい、ところですが、それが難しい状況があります。

それは、チケットの販売や、レストランの席予約とは異なり、

無断キャンセルをされると、限られたユニット台数で診療をしているため、歯科医院に手待ち損が発生するからです。

そのため、

ネット予約(Web/スマホ)を窓口にする場合には工夫が必要です。

○自院ホームページに予約ボタンを常設し、24時間受付可能にします。

そして、携帯電話番号を必須入力項目としておきます。

スマホからのアクセスを容易にするために、ホームページをスマホ対応(レスポンシブデザイン)にする必要があります。

外部の歯科検索サイト(ポータル型)にもリンクを貼って、新患導線を拡張しておきます。

ただし、すべての予約枠を自動公開すると、受付で当日の予約状況が把握できなくなります。

また、無断キャンセルが激増してしまいます。

このため、3日後からの予約を可能としたうえで、「仮予約 → 医院側確認 → 承認」を基本とします。

これによって、誤入力や無断キャンセル、ダブルブッキングを防ぎやすくなります。

そして、必ずコンファームのための電話を入れます。

相手先が電話に出ないケースも多く、手間がかかりますが、デジタル空間だけの予約確認では、無断キャンセルを防ぐのが難しいため、折り返し電話を避けることができません

電話が通じない場合は、メール・SMSを併用して、予約忘れやキャンセル率を下げる対策をしておきます。

○夜間や昼休みの電話受付への対応

電話が繋がらない時間帯や夜間は、留守番電話モードとして、自動応答でWeb予約の案内と、「折り返しご案内しますので、お電話番号をお知らせください」などの音声案内を入れておきます。

○チェアサイド・受付での誘導

診療ユニットで衛生士・担当者が次回の検診時期を患者さんと相談し、その場でネット予約を誘導する方法をお勧めしています。

タブレット端末やスタッフ用PCで予約入力を行うのです。

■4.まとめ

コンサートやレストランを予約する際、今はほとんどの方がスマホやPCでネットから済ませますが、歯科医院では、電話予約を無くすことはできません。

「完全ネット予約+必要時電話対応」に移行することは難しいのが現状です。

このため、大型の歯科医療機関では、コールセンターで電話応対を集約する対策をとっている医院が増えています。

また、最近ではAI電話が登場してきました。

私も歯科用のAI電話をデンタルショーで試してみました。しかし、予約を申し込んだものの、デンタルショーの会場の騒音があったためか、最後になって「最初からやりなおしてください」といわれてしまいました。

残念ながら、まだ高齢者が多い歯科医院の予約に使えるレベルではないようです。ここ数年で実用レベルに達するのではないかと期待しています。

歯科医院では無断キャンセル1回で、約6千円の手待ち損が発生してしまいます。

これをどれだけ減少させるのかが、診療効率を維持するための最大の課題です。

弊社のクライアント歯科医院では、無断キャンセルと当日の予約変更(ドタキャン)を合わせて5%未満まで減少させている医院があります。

他の産業のように、WEB予約を強化していきたいところですが、無断キャンセルの増大リスクを考えると難しい現状があります。

これを踏まえて対策を講じたうえで、ネット予約の拡大を考えてみてはいかがでしょうか。

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【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久