マーケティング・ヒント-243「歯科衛生用品を感じよく販売する」
今回は歯科衛生用品を「感じよく」販売する方法、について考えてみましょう。
受付には、歯科衛生用品の他、マイナンバーカードの「顔認証付きカードリーダー」やカレンダーなど、置きたい物が増える一方で、物を置けるスペースは限られています。そんな中で、商品をより魅力的にどのように見せるかがポイントです。
歯科衛生用品は1個200〜500円程度でも、毎日の積み重ねで年間数万円〜十数万円の収入になります。手間をかけず利益が増やせる工夫を紹介します。
日頃からよく接する小売店はコンビニでしょう。
コンビニでは狭い店舗ながら欲しい物は大体そろっています。例えば、お弁当や飲み物、化粧品などはかなりの品ぞろえになっています。しかし、ノートなどの文具類や洗剤などは基本的な物しか置いていません。展示できる物が限られるため、レジに連動したPOSで売れ筋を把握し、売れ行きのよい物に絞り込んでいるからです。
スーパーマーケットでは、同種の商品は棚に縦割りにスッキリと陳列しています。これは消費者に見やすく、手に取りやすくするためです。ところが、トイレットペーパー、ティッシュ、洗剤やシャンプーなど同じ物が山のように積まれています。これを「量感陳列」といいます。同じ物を沢山見せることで、消費者の購買意欲を刺激し、目立たせることができるのです。
歯科医院では、コンビニやスーパーマーケットのような展示はできません。そのために次のような工夫が必要になります。
① 展示する歯科衛生用品を売れ筋に絞り込む。
いつも回転していれば商品は汚れませんし、回転が早くなり消費期限などに気を配ることもありません。
② 展示方法を工夫する。
同じ商品をできるだけ沢山陳列します。“売れてる感”を演出できる「ミニ量感陳列」です。縦割りに陳列すると見やすく手に取りやすくなります。
③ 最も売れやすいゴールデンゾーンを意識する。
床から60㎝~1.5mの高さに陳列して、女性やお子さんが帰り際の会計待ちのときに手に取りやすいよう、動線や視線を考えます。
④ 照明をあてる。
カウンターの場合でも商品コーナーにスポットライトをあてることで物が美しく浮き上がって見えます。
⑤ POPを活用する。
例えば、色紙を丸く切り取って、「とっても歯にやさしい歯間ブラシです」「院長がお勧めする強力な口臭防止剤です」など説明文を書いて、歯科医院だからこそ伝えられる展示を工夫します。安心感が生まれ、ネット販売との違いをアピールできます。
そして成功の大きな鍵が、受付スタッフを「販売サポーター」として育成することです。
売れ筋をチェックし、商品に埃がつかないよう手入れをし、常に見やすく整えてもらうのです。そのうえで、患者さん一人ひとりに合った商品を提案できるようになれば理想的です。
こうした工夫は、患者さんの満足度を高めるだけでなく、医院の収益向上にもつながります。来院時に「ついで買い」が習慣化すれば「患者さん囲い込み」の効果も生まれます。きちんとした管理と声掛けを続けることで、歯科衛生用品を購入するためだけに来院するリピーター患者さんも増えてきます。
ぜひ、スタッフミーティングで話し合いましょう。
そして、歯科衛生用品の販売を増やしましょう!
以上

