【コラム】

厚生労働省から、2024年(令和5年)の厚生労働省の医療経済実態調査が公表されています。

医療法人のデータは、

医業収益(売上)は、110,768千円

保険医療収益(保険売上)は、78,427千円(71.4%)

その他の医療収益(自費売上)は、29,860千円(26.1%)

給与費 53,362千円(47.8%)(注)院長や理事の役員報酬が含まれています。

損益差額(医業利益)、9,623千円(9.6%)

となっています。

医療法人は平均で1億1千万円の売り上げがあるということです。

また、個人医院のデータでは、

医業収益(売上)は、47,190千円、これは医療法人の約4割です。

保険診療収益(保険売上)が、39,193千円(82.2%)、

その他の診療収益(自費売上)が、6,909千円(15.2%)

つまり、自費率は法人より10ポイント低くなっています。

給与費14,268千円(29.7%)(注)院長と青色専従者の報酬は含まれていません。

損益差額(院長の年収)は、12,380千円(27.6%)

これから所得税を支払った手取りから、開業の借入金の返済をしているのです。

5,000万円を15年返済で借りた場合、年間190万~200万ぐらいの返済になります。

このため、生活費は800万円程度と推計されます。

もっとゆとりを持った生活をしたい!とお考えの先生が多いと思います。

増収のカギは「自費率の増大」です。

しかし、患者数は、ユニット台数やスタッフ数の制限があるので、簡単に増やすことができません。

であれば、一診療あたりの採算性を高めていくことを考えていくことが、

損益差額の向上、そして生活費の増収につながっていくのです。

保険診療の営業利益率は、約25%

自費診療の営業利益率は、約40%~50%です。

つまり、自費治療を増やす必要があります。

それには、患者さんに自費を勧める必要があります。

しかし、「そんな高いものを勧めると、患者さんとの信頼関係が壊れる」

「お金儲け主義の歯医者と思われたくない」などと思い、

だまって保険で治療を進めている歯科医師が多いのです。それが15.2%という自費率です。

しかし、保険の金パラは5.5年しか持たないというデータがあります。

また、保険のCAD/CAM冠は、部位によっては4.5年しか持たないというデータがあります。果たして、こんな治療を説明なくやってよいのでしょうか。

また、金パラインレーの脱離の下に大きな二次カリエスがあったり、

CAD/CAM冠が脱離したり、破折したり、などで、

やり直し治療を繰り返してきたのではないでしょうか。

例えば、

デンツプライシロナのセレックの10年生存率が95%というデータがあります。

ゴールドの10年生存率が96%とされ、ほとんど変わらない耐久性があります。

保険治療を繰り返して、抜髄から抜歯に至るのと、

自費治療で患者さんの歯を長持ちさせ、しかも白くて美しい治療をするのと、

どちらが患者さんの利益になるでしょうか。

答えは明らかだと思います。

自費を増やすには、自費のカウンセリングテクニックを歯科医師とスタッフが習得することが必要です。

特に、歯科医師が自費を説明して、途中から歯科カウンセラーに説明を代わることで、打率が向上します。

そのためのセミナーを開催します。

【M&D歯科カウンセラー養成講座】

毎年開催している定評あるセミナーです。

ぜひ、受付・助手の方と歯科医師とお二人でご参加ください。

会場:飯田橋レインボービル 受講料:1名様 30,000円(税込)昼食付

日時:10月26日 (日) 9:30~17:00

定員20名。

打率90%の歯科カウンセラーも誕生しました。

待合室に掲示できる「修了証」を発行します。

※M&D歯科カウンセラー養成講座

また、歯科医師が独力で自費を説明できる話術の習得も大切です。

歯科カウンセラーを養成できない、小規模歯科医院の院長先生にお勧めです。

コンスタントに月額100万円の自費を獲得できる先生が続出しています。

【歯科医師のための自費話術研修】 

すでに200人以上の卒業生を生んだ話術研修です。  

ゲスト講師に、浅草安田歯科医院の安田 亮 先生をお招きしています。

7月も満席で研修も盛り上がり、

受講された先生から、翌日さっそく自費を獲得したという連絡をいただきました。

日時:11月23日(日)10時~18時 & 24日(祝月)9時~17時

会場:新横浜コートホテル。

※東京のホテル代が高騰しているため新横浜駅近くのホテルで開催します。

ホテル代は別料金です。

朝食付き1万円以下で宿泊できます。ぜひご利用ください。

定員6名で2日間の集中研修です。  

受講料:1名様 198,000円(税込)昼食・懇親会込 (ホテル宿泊費は別料金)                    

講師:ゲスト講師:浅草安田歯科医院 院長 安田 亮 先生

(株)M&D医業経営研究所 代表取締役   木村 泰久 

医療接遇アドバイザー 小山 美由紀 

※歯科医師のための自費話術研修

~~~【セミナー案内】~~~

■令和7年度の歯科経営改善ゼミナールのご案内です。

実務的な内容のセミナーですので、参考にしていただけると思います。

興味のある回だけご視聴いただけますので、ぜひご検討ください。

●すべてWEBセミナーです。

受講料:1名様 各回6,600円(税込) 

16:00~17:30または録画視聴 ※視聴期間 各1か月                              

10月23日(木) 「これがポイント!患者トラブル防止の説明書、契約書と同意書の作り方」

11月20日(木) 「これがポイント!診療契約と個人情報、応召義務、カルテ開示への対応」

※歯科経営改善ゼミナール

※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ

■自費増大対策セミナー

定評あるM&Dの自費話術セミナー。自費率アップの決め手です。

●1.【M&D歯科カウンセラー養成講座】

会場:飯田橋レインボービル 受講料:1名様 30,000円(税込)昼食付

第2回 10月26日 (日) 9:30~17:00 ※開催日を変更しました。

定員20名。打率90%の歯科カウンセラーも誕生しました。

※M&D歯科カウンセラー養成講座

●2.【歯科医師のための自費話術研修】   

・11月23日(日)10時~18時 & 24日(祝月)9時~17時

・定員6名。2日間の集中研修です。  

・受講料:1名様 198,000円(税込)昼食・懇親会込 (ホテル宿泊費は別料金)                    

・講師:ゲスト講師:浅草安田歯科医院 院長 安田 亮 先生

(株)M&D医業経営研究所 代表取締役   木村 泰久 

医療接遇アドバイザー 小山 美由紀 

※歯科医師のための自費話術研修

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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日

【発行者】 木村 泰久

(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント

株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策  

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「歯科衛生用品の販売」  by 小山 美由紀

【目次】

1.はじめに

2.他産業でいえばどんなこと?

3.歯科医院ではどうすればよい?

4.まとめ

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■1.はじめに

今回は歯科衛生用品をどう「感じよく」販売するか、について考えてみましょう。

受付には、歯科衛生用品の他、マイナンバーカードの「顔認証付きカードリーダー」の設置やカレンダーなど、置きたい物が増える一方で物を置けるスペースは限られています。

そのような中で、商品をより魅力的にどのように見せるかがポイントになります。

歯科衛生用品は1個200〜500円程度でも、毎日の積み重ねによって年間で数万円〜十数万円の収入になります。

スタッフの手間をかけずにちょっとした利益が増やせる工夫を紹介します。

参考にしていただければ幸いです。

■2.他産業でいえばどんなこと?


日頃からよく接する小売店はコンビニだと思います。狭い店舗ながら、欲しい物は大体そろっています。

例えば、お弁当や飲み物、化粧品などはかなりの品ぞろえになっています。

しかし、

ノートなどの文具類や洗剤などは基本的な物しか置いていません。

これは、狭い店舗のなかで展示できる物が限られるため、レジに連動したPOSで売れ筋を把握し、売れ行きのよい物に絞り込んでいるからです。

スーパーマーケットを見てみましょう。

同種の商品は棚に縦割りにスッキリと陳列しています。これは消費者に見やすく、手に取りやすくするためです。

ところが、トイレットペーパー、ティッシュ、洗剤やシャンプーなど同じ物が山のように積まれています。

これを「量感陳列」といいます。

同じ物を沢山見せることで、消費者の購買意欲を刺激し、目立たせることができるのです。

また、ドンキホーテでは「圧縮陳列」と表現して、狭いスペースに物を圧倒的な量で雑多に押し込むように展示しています。

これは消費者に、宝探しのように「掘り出し物」を探す楽しみを持たせるためです。

■3.歯科医院ではどうすればよい?

1)展示する歯科衛生用品を売れ筋に絞り込む

いつも回転していれば商品は汚れませんし、回転が早くなり消費期限などに気を配ることもありません。

2)展示方法を工夫する

同じ商品をできるだけ沢山陳列します。“売れてる感”を演出できる「ミニ量感陳列」です。縦割りに陳列すると見やすく手に取りやすくなります。

3)最も売れやすいゴールデンゾーンを意識する

床から60㎝~1.5mの高さに陳列して、女性やお子さんが帰り際の会計待ちのときに手に取りやすいよう動線や視線を考えます。

4)照明をあてる

カウンターの場合でも商品コーナーにスポットライトをあてることで物が美しく浮き上がって見えます。

5)POPを活用する

例えば、色紙を丸く切り取って、「とっても歯にやさしい歯間ブラシです」「院長がお勧めする強力な口臭防止剤です」など説明文を書いて、

歯科医院だからこそ伝えられる展示を工夫します。

安心感が生まれ、ネット販売している歯科衛生用品との違いをアピールできます。

■4.まとめ

今、貴医院で取り扱っている歯科衛生用品の販売実績や特性を確認しましょう。

そのうえで、

1.売れ筋を把握し、常に清潔で整った陳列を保つ

2.照明やPOPを活用して商品の魅力を引き出す

この2点を実践することが大切です。

そして、成功の大きな鍵が、受付スタッフを「販売サポーター」として育成することです。売れ筋をチェックし、商品に埃がつかないよう手入れをし、常に見やすく整えてもらうのです。

そのためには日常的な気配りと柔軟な対応が欠かせません。

そのうえで、患者さん一人ひとりに合った商品を提案できるようになれば理想的です。

こうした工夫は、患者さんの満足度を高めるだけでなく、医院の収益向上にもつながります。来院時に「ついで買い」が習慣化すれば、自然に「患者さん囲い込み」の効果も生まれます。

さらに、きちんとした管理と声掛けを続けることで、歯科衛生用品を購入するためだけに来院するリピーター患者さんも増えてきます。

ぜひ積極的に取り入れてみてください!

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【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久