【コラム】

7月26日(土)に、150人の中国人歯科医師に対して、予防歯科のセミナー講師を担当しました。

私から、日本と中国の健康保険制度の違い、日本で行っている予防歯科の内容、予防歯科を成功させるためのポイントなどを解説しました。

通訳は、埼玉で歯科助手をしている中国人女性が担当してくれました。

中国では、歯科医療は保険適用外となっています。

中国でも予防歯科が普及しはじめており、EMSを使ったGBTプログラムを行う歯科医院も増えているようです。

欠損補綴はインプラントが中心ということでした。

初めての国際セミナーで緊張しました。

終了後に主催者から、みなさんの評判がよかったということをお聞きし、安堵しました。

中国でも、予防歯科が重視されてきていることを肌で感じることができました。

GBTについて解説しておきます。これは手用器具の使用を極力少なくして、EMSのエアフローで歯面清掃を行う手法です。PMTCよりも侵襲が少なくなります。

私も3か月に一度通っていますが、とても快適で気持ちがいいです。

首都圏では自費で、16,500円(税込)が標準価格です。

弊社のクライアント歯科医院でも導入が進んでいます。

GBTの案内サイトです。

https://www.ems-dental.com/ja/guided-biofilm-therapy

暑い日が続く中、今年もクライアント医院の昇給と夏期賞与の評価面接に立ち会いました。

今回も、多くの歯科医院に産休や育児休業に入る歯科衛生士や歯科助手がいらっしゃいました。

歯科医院には出産適齢期の女性が多いので当然ですが、医院経営にとっては交代要員の確保が難しいため大きな問題になります。

そのため、厚生労働省は事業主と従業員が仕事と家庭生活を両立できるように「両立支援等助成金」を設けています。

特に、仕事と育児の両立を支援するための「育児休業等支援コース」は、育休取得時・職場復帰時の補助金があり、女性が大部分を占める歯科医院にとって「使える助成金」だと思います。

貴医院ではせっかくの助成金を活用していますか?

両立支援等助成金は、歯科医院で最も多く申請する機会がある助成金ではないかと思います。

歯科衛生士や受付助手の採用難が続き、優秀な人材を確保することが困難な状況です。このため、産休で退職させてしまうより、産休・育休を取得させて復職させたほうが得だと考える医院が増えています。

両立支援等助成金は、

1.産休育休を取得させたときに申請できる助成金、

2.育休から復職させたときに申請できる助成金、

3.育休取得者の業務を他の職員に代替させたときに申請できる助成金、

4.職場復帰後の特別な状況に対する支援、

5.WEBで公開したときの加算、が設定されています。

申請しやすく、金額も30万円+30万円と大きいので、ぜひこの助成金を活用しましょう。

詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。

相談窓口は各都道府県労働局です。

この機会に顧問契約をしている社会保険労務士事務所を見直してみるのも一つの方法です。賃金計算や資格喪失や取得などの業務代行はするものの、助成金の申請代行業務をしてくれない社労士事務所が多いからです。

そのような事務所では、このような助成金があることも教えてくれません。

歯科医院は女性中心の職場ですので、大型歯科医院では毎年産休・育休を取得するスタッフがでてきます。1人の両立支援助成金で60万円です。

ハローワーク関連の助成金にはこのほかに、キャリアアップ助成金や教育訓練給付金などがあり、きちんと申請すれば年間で100万円近い金額になるケースがあるとみられます。

社会保険労務士事務所の顧問料が月額5万円とすれば年間60万円です。

助成金の申請代行業務には通常2割~3割の手数料を請求されますが、7割~8割が医院に入るわけで、助成金の受給額で顧問料を賄えるケースも考えられます。

両立支援助成金の申請代行をしてくれる社会保険労務士事務所は沢山ありますので、WEBサイト等で検索していただければと思います。

諸物価高騰の折から、助成金獲得による経営改善効果は大きいと思います。

~~~【セミナー案内】~~~

■令和7年度の歯科経営改善ゼミナールのご案内です。

実務的な内容のセミナーですので、参考にしていただけると思います。

興味のある回だけご視聴いただけますので、ぜひご検討ください。

●すべてWEBセミナーです。

受講料:1名様 各回6,600円(税込) 

16:00~17:30または録画視聴 ※視聴期間 各1か月                              

9月18日(木)「これがポイント!歯科人材の採用と採用選考のポイント」 

10月23日(木) 「これがポイント!患者トラブル防止の説明書、契約書と同意書の作り方」

11月20日(木) 「これがポイント!診療契約と個人情報、応召義務、カルテ開示への対応」

※歯科経営改善ゼミナール

※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ

■自費増大対策セミナー

定評あるM&Dの自費話術セミナー。自費率アップの決め手です。

●1.【M&D歯科カウンセラー養成講座】

会場:飯田橋レインボービル 受講料:1名様 30,000円(税込)昼食付

第2回 10月26日 (日) 9:30~17:00 ※開催日を変更しました。

各回定員20名。打率90%の歯科カウンセラーも誕生しました。

※M&D歯科カウンセラー養成講座

●2.【歯科医師のための自費話術研修】   

ゲスト講師に、浅草安田歯科医院の安田 亮 先生をお招きしています。

7月も満席となり、研修も盛り上がりました。

受講された先生から、翌日さっそく自費を獲得したという連絡をいただきました。

第2回 11月23日(日)10時~18時 & 24日(祝月)9時~17時

地方の先生方のために、新横浜コートホテルを予定しています。

東京のホテル代が高騰しているからです。

ホテル代は別料金ですが、朝食付き1万円以下で宿泊できます。

地方の先生方はぜひこのホテルをご利用ください。

定員6名で2日間の集中研修です。(安田先生のご登壇により2名増員しました)   

受講料:1名様 198,000円(税込)昼食・懇親会込 (ホテル宿泊費は別料金)                    

講師:(株)M&D医業経営研究所 代表取締役        木村 泰久 

医療接遇アドバイザー 小山 美由紀 

※歯科医師のための自費話術研修

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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】

優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。

そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング対策が必要です。

このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。

優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。

みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日

【発行者】 木村 泰久

(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント

株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策  

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「涼しげな歯科医院をつくる」 By 小山 美由紀

【目次】

1.はじめに

2.他産業でいえばどんなこと?

3.歯科医院ではどうすればよい?

4.まとめ

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■1.はじめに
2025年の夏も去年に続き全国的に暑くなるようです。

特に都市部ではヒートアイランド現象が深刻で、外出そのものがストレスになります。

そのような中で患者さんが歯科医院に足を運ぶというのは、実は大きなハードルです。

だからこそ、歯科医院は「行きたくなる場所」に変化していく必要があります。

中でも「涼しげに見せる工夫」は、この時期ならではのマーケティング戦略です。

冷房だけに頼らず、視覚・聴覚・嗅覚、そして体感温度に働きかける「五感マーケティング」を意識することで、患者数増加のきっかけとなります。

■2.他産業でいえばどんなこと?

例えば百貨店業界では「サマーヴィジュアルキャンペーン」が盛んに行われています。

天井から吊るされた青や白の布、透明感のある装飾、波音をBGMに流すなど、五感を刺激する演出が一般化しています。

また、アイスクリームや冷感スイーツの売場では、「冷たい」と「涼しい」を訴求する言葉だけでなく、背景パネルに氷や滝、海などの映像を取り入れることで視覚的な演出が行われています。

カフェチェーンでは、店内の一部を“クールスポット”として案内し、ミストや扇風機を効果的に配置して、わずかな体感の変化が「また来たい」と思わせる要素になっています。

このように「涼しげに見せる」「涼しげに感じさせる」工夫は、購買行動や来店頻度に大きな影響を与えるため、業種を問わず夏の常套手段となっているのです。

■3.歯科医院ではどうすればよい?

まず、患者さんが来院した瞬間に「涼しそう」と思わせる演出が大切です。

エントランスや受付に、涼しげなブルー系のタペストリーや透明感あるガラス小物を飾るだけで印象は大きく変わります。100円ショップにも良質な夏装飾アイテムがありますので、気軽に取り入れましょう。

体感温度を下げるには、受付周辺に送風扇やタワーファンを設置して風を当てること。

直接冷風を送るのではなく、自然な風を感じることがポイントです。

さらに、涼しげなBGM(例えば、ボサノバやウクレレのインストゥルメンタル)を流すことで、待ち時間も快適に。

最近ではYouTubeやサブスク音楽サービスで「クールサマーBGM」といったプレイリストも充実しています。

香りの演出も効果的です。柑橘系のアロマディフューザーを受付に置くことで、嗅覚によるリラックス効果が生まれ、医院全体の印象も向上します。

視覚面では、ディスプレイに海や高原、風鈴などの動画を流すのがおすすめです。

特にユニットのモニターにスクリーンセーバー的に映すことで、診療中の緊張を和らげる効果も期待できます。

また、ブラッシングスペースには冷たいおしぼり、綿棒、メイク直し用のスペースを完備。小さな心配りがリピーター化への近道となります。

患者層によっては、暑い時期はスリッパを履くのが苦手な方もいます。

通気性の良いメッシュスリッパや、裸足に優しい素材への切りかえもご検討ください。

■4.まとめ
患者数の減少が続く昨今、医院が選ばれる理由は「治療の技術」だけではありません。

「快適さ」や「過ごしやすさ」も重要な競争力です。


その中でも、暑さを逆手に取った「涼しげな演出」は、好印象を与えるマーケティング戦略です。

視覚・聴覚・嗅覚・触覚にアプローチする「五感マーケティング」は、冷房費を抑えながら患者満足度を上げる手段として注目されています。

ぜひ、この夏の間に「医院全体を涼しげに演出する工夫」を取り入れてみてください。それは、患者さんの「また来たい」を引き出す第一歩です。


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【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久