【コラム】

第118回歯科医師国試の合格発表が3月14日(金)に行われました。

出願者は3,431人、受験者は3,039人、合格者は2,136人でした。

合格率は70.3%で、12年ぶりに70%を超えました。

国公立大学新卒は88.7%でした。北海道大学、東京科学大学、大阪大学、岡山大学、長崎大学、鹿児島大学が90%以上でした。

私立大学歯学部の新卒合格率は82.1%と80%を超えました。
そのなかで、大阪歯科大学が新卒合格率100.0%を達成しました。
昭和大学が新卒97.7%、東京歯科大学が新卒97.0%。朝日大学が新卒95.9%、北海道医療大学が91.7%、松本歯科大学が新卒90.7%と続きました。

しかし、文科省が公表している、6年間での歯科医師国試合格率の直近3か年平均のデータでは、国公立は全ての歯学部が50%を上回っていますが、私立では東京歯科大学と昭和大学が70%を超えているものの、他の歯学部は50%を下回り、20%台の歯学部も複数あります。私立大学歯学部では過半数の学生が6年間で国家試験に合格できていないことが分かります

そのなかで、私立大学歯学部の多くが定員割れに苦しんでいます。

私は、4年制で歯科技工士と歯科衛生士のダブルライセンスの受験資格が得られる、「保険衛生技工学部」や「歯科情報工学部」のようなセーフティネットがあれば受験生を集めやすくなると考えています。

それは、4年制の学部を卒業していれば、多少留年を繰り返していても、「学卒」として公務員や歯科関連企業、製薬企業などに就職できるほか、医療系の理系学部は人気があるからです。

例えば、管理栄養士になる栄養管理学部は毎年約1万人が入学しています。最初から「保険衛生技工学部」や「歯科情報工学部」をめざす学生も多いのではないかと思います。

しかし、文部科学省の方向性では私立大学に新しい学部の新設が難しくなりつつあります。学部の新設が無理であれば、歯学部に4年制の「保険衛生技工学科」や「歯科情報工学科」を設置できないでしょうか。

歯科医師国家試験の合格発表がある度に、留年・休学中の学生や、国試不合格となった学生達に、歯科界で活躍できる未来を与える方法がないものかと思います。

ところで、医療人材の人件費が高騰しています。

30万円以上の初任給を提示した企業が130社になったということです。

医療従事者の賃金は基本的に診療報酬が上がらなければ上げられず、追随できませんが、診療報酬のプラス改定は国家財政の状況からは全く期待できない状況です。

このままでは、歯科衛生士や看護師をめざす学生がいなくなってしまうのではないかという恐怖を感じています。

歯科医院では、自費治療を選択できます。採算性は保険治療の約2倍です。

これを増やすことで収益率を改善して人件費に回すことを真剣に考える必要があるのです。

自費を増やす鍵は2つあります。

1つは、歯科カウンセラーの養成です。

【M&D歯科カウンセラー養成講座】を  5月11日(日)に開催します。

会場は、飯田橋レインボービルです。
9:30~17:00の1日で、産業心理学を背景にした徹底的なロールプレイによって、初診カウンセリング、セカンドカウンセリングを体得し、すぐに自費を獲得できる、歯科カウンセラーに養成します。
受講料:1名様 30,000円(税込)自費カウンセリングシナリオ集と、昼食付です。

2つめは、歯科医師の自費説明能力の向上です。

【歯科医師のための自費話術研修】を 7月20日(日) 21日(祝月)の2日間、開催します。

会場は、ABC渋谷東口駅前会議室を予定しています。
2日間で、産業心理学に基づく患者さんの心理の流れを学習し、歯科医師同士の徹底的なロールプレイで、自然に「よい治療を選んでいただく」ための話術を身に着けていただきます。

受講料:1名様 198,000円(税込)昼食・説明ツール・懇親会込です。

どちらも、すぐに自費増大効果が期待できる実践的な研修です。

ぜひ、お早めにお申し込みください。

~~~【セミナー案内】~~~

■令和7年度の経営塾は、事業承継を取り上げます。

【M&D経営塾】 6月15日(日) 13:00~17:00 

会場:飯田橋レインボービル 受講料:1名様 11,000円(税込)
セミナー終了後に、近傍で懇親会を開催します。会費5,500円(税込)

・テーマ:「歯科医院の事業承継とM&A成功のポイント」
・ゲスト講師:日本歯科医療投資(株)代表取締役・歯科医師 水谷 友春 先生
・事業承継を考える時期に来た医院が増えています。計画的に準備を開始しましょう。

■令和7年度の歯科経営改善ゼミナールのご案内です。

実務的な内容のセミナーですので、参考にしていただけると思います。
興味のある回だけご視聴いただけますので、ぜひご検討ください。

●すべてWEBセミナーです。

受講料:1名様 各回6,600円(税込) 
16:00~17:30または録画視聴 ※視聴期間 各1ヶ月                              

5月15日(木) 「これがポイント!歯科医師、スタッフのための正しい言葉遣いと電話応対」

7月17日(木) 「これがポイント!自費増大対策の進め方」

9月18日(木) 「これがポイント!歯科人材の採用と採用選考のポイント」 

10月23日(木) 「これがポイント!患者トラブル防止の説明書、契約書と同意書の作り方」

11月20日(木) 「これがポイント!診療契約と個人情報、応召義務、カルテ開示への対応」

■自費増大対策セミナー

定評あるM&Dの自費話術セミナー。自費率アップの決め手です。

●1.【M&D歯科カウンセラー養成講座】

会場:飯田橋レインボービル 受講料:1名様 30,000円(税込)昼食付

第1回  5月11日(日)9:30~17:00

第2回 10月26日 (日) 9:30~17:00 ※開催日を変更しました。

各回定員20名。打率90%の歯科カウンセラーも誕生しました。

●2.【歯科医師のための自費話術研修】   

第1回  7月20日(日)10時~18時 & 21日(祝月)9時~17時 

いつものABC渋谷東口駅前会議室を予定しています。

第2回 11月23日(日)10時~18時 & 24日(祝月)9時~17時

地方の先生方のために、新横浜コートホテルを予定しています。

東京のホテル代が高騰しているからです。

ホテル代は別料金ですが、リーズナブルに宿泊できますので、地方の先生方はぜひ11月のセミナーをご検討ください。
いずれの回も、定員4名で2日間の集中研修です。   

受講料:1名様 198,000円(税込)昼食・説明ツール・懇親会込                      

講師:  (株)M&D医業経営研究所 代表取締役   木村 泰久 
医療接遇アドバイザー      小山 美由紀 

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策 

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「また来たい!」と思われる歯科医院の工夫

【目次】

1.はじめに
2.他産業でいえばどんなこと?
3.歯科医院ではどうすればよい?
4.まとめ

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■1.はじめに

患者さんが「また来たい!」と思う歯科医院とは、どのような医院でしょうか?

歯科医院の経営において、“選ばれる理由”は技術力だけではありません。

実は、患者さんが「また来たい!」と思うかどうかは、医院の雰囲気やスタッフの応対に大きく左右されているのです。

治療後に「ここに来てよかった」「次回も安心して通えそう」と感じてもらえれば、

患者さんは自然とリピートしてくれます。

今回は、他業界の例をヒントに、患者さんが「また来たい!」と思うすぐに取り入れられる工夫をご紹介します。

■2. 他産業でいえばどんなこと?

旅館業界では、お客様の表情やしぐさからニーズを読み取り、言われる前に応対する

「先回りのサービス」が評価されています。

たとえば、話し好きなお客様にはスタッフが積極的に会話をし、一緒に来られている方との時間を大事にしたいお客様には、そっと距離を保つなどです。

また、小売業では「セルフセレクション方式」という販売スタイルがあります。

オープンな陳列棚の商品の中からお客様が自分で欲しい商品を選び、レジに持っていき購入するスタイルです。

販売員による接客を受けず、お客様が自ら商品を選択する方式です。

この方法は、シンプルで直感的な商品(例:文具や日用品)にはいいかもしれませんが、

歯科医院ではどうでしょうか?

■3. 歯科医院ではどうすればよい?

歯科医院でも、患者さんに「また来たい!」と思ってもらうためには、次のようなポイントを意識することが大切です。

 ● “先回り”の応対で信頼を築く

旅館業界における「先回りのサービス」のように、歯科医院でも“言われる前に応対する”姿勢が大切です。

・初診時の問診票から生活背景を読み取り、不安やニーズを把握する

・緊張している様子の患者さんには、治療前に声をかけ、安心できる雰囲気をつくる

・治療中の表情や動きから異変を察し、こちらから積極的に確認する

こうした応対が、患者さんに「この医院は自分をよく見てくれている」という安心感を与え、リピートに直結します。

● 「セルフ方式」に頼らない“人”の価値

小売業における「セルフセレクション方式」は、合理性を重視した販売スタイルですが、歯科医院では不向きです。むしろ、人が介在する価値が問われる場面です。

・受付での温かい声かけ、目線を合わせた応対

・術後のフォロー「お疲れさまでした。痛みは大丈夫ですか?」

・定期検診のご案内を通じた継続的なコミュニケーション

これらはAIやシステムでは代替できない、“人にしかできない”価値の提供です。

● リピートと紹介につながる仕組みを設ける

技術や接遇の良さを感じてもらった上で、「もう一度来よう」「誰かに勧めよう」と思ってもらうには仕掛けも必要です。

・来院後フォロー:LINEやハガキでの定期検診リマインドは高い効果があります

・プチギフト:治療後に歯ブラシなどをお渡しすることで、来院体験の印象がアップ

・紹介の促進:お会計時に「ご家族もよければご紹介ください」と一言添えるだけで、 

紹介率が上がります

患者さんは「治療」だけで医院を選ぶわけではありません。通う理由を、医院側がしっかりと“用意”してあげることが大切です。

■4. まとめ

「また来たい!」と思われる歯科医院は、技術力だけでなく、院長やスタッフの接し方、医院の雰囲気、患者さんへの細やかな気配りが整っています。

特に、「笑顔で応対する」「患者さんの不安を取り除く」といったシンプルな工夫が、患者さんの満足度を大きく向上させます。

まずは、「今日からできる小さな変化」を意識してみませんか?

スタッフ全員で取り組めば、患者さんが自然と「また来たい!」と思う医院へと成長していくはずです。

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【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久