【コラム】

はやいもので、2月も中旬になり立春も過ぎて春一番が吹く季節になってきました。
しかし、北海道や東北、信越方面では最強寒波による大雪で深く閉ざされた地域があります。
除雪に悩む人々に対し、お見舞いを申し上げます。

私はスキーが趣味なので、先月にガーラ湯沢スキー場に行ってきました。上越新幹線の駅からゴンドラでスキー場に直結しています。
なんと、7割以上が外人でした。それも、マレーシアやインドネシアなどの熱帯の国から来た人々が、女性はブブカを着用して、男性はジーンズとコートで、普通のスニーカーで、ゴンドラから降りたスキー場の雪を踏みしめて体験しているのです。楽しそうでした。
スキーヤーも、台湾や香港、オーストラリアから来た観光客が多く、日本語があまり聞こえないという状況でした。

片方で、台湾から観光で来日していた人気女優の徐熙媛さんが、日本でインフルエンザにかかり亡くなるという事件がおきました。
日本旅行中に歯が痛くなり、歯科医院を訪れる外国人も増えていると考えられます。
そのときに、積極的に対応するか、言語を理由に対応しないか、医院として判断が必要になります。

弊社のクライアント医院では、多言語の問診票を用意している医院もあります。
ただ、観光客の場合は何度も来院できないため、応急処置で終わりになりますが、日本に居住している外国人に対しては、きちんとした歯科治療が必要です。
北海道のニセコや、長野県の白馬など、外国人観光客や従業員が増えている地域だけでなく、東京や大阪、名古屋などで開業している歯科医院では、外国人旅行者や従業員に対する対応を自分の医院のこととして考えておく必要があります。
せめて、多言語の問診票とポケトークをそろえておきましょう。

【 2月以降のセミナー案内 】
■令和7年度の経営塾は、事業承継を取り上げます。
【M&D経営塾】 6月15日(日) 13:00~17:00 
会場:飯田橋レインボービル 受講料:1名様 11,000円(税込)
セミナー終了後に、近傍で懇親会を開催します。会費5,500円(税込)
・テーマ 「歯科医院の事業承継とM&A成功のポイント」
・ゲスト講師:日本歯科医療投資(株)代表取締役・歯科医師 水谷 友春 先生
・事業承継を考える時期に来た医院が増えています。計画的に準備を開始しましょう。

■令和7年度の歯科経営改善ゼミナールのご案内です。
実務的な内容のセミナーですので、参考にしていただけると思います。
興味のある回だけご視聴いただけますので、ぜひご検討ください。

●すべてWEBセミナーです。
受講料:1名様 各回6,600円(税込) 
16:00~17:30または録画視聴 ※視聴期間 各1ヶ月                              
2月13日(木) 「これがポイント!口管強の取得対策」 
3月13日(木) 「これがポイント!予防歯科の導入対策」  
5月15日(木) 「これがポイント!歯科医師、スタッフのための正しい言葉遣いと電話応対」
7月17日(木) 「これがポイント!自費増大対策の進め方」
9月18日(木) 「これがポイント!歯科人材の採用と採用選考のポイント」 
10月23日(木) 「これがポイント!患者トラブル防止の説明書、契約書と同意書の作り方」
11月20日(木) 「これがポイント!診療契約と個人情報、応召義務、カルテ開示への対応」

■【歯科助手養成講座】4月27日(日)10:00~17:00
会場:飯田橋レインボービル  受講料:1名様 25,000円(税込)昼食付
院内ではできない歯科助手向けの養成講座です。
むし歯、歯周病からインプラント、矯正まで解説します。
新入社員と、2年~3年目の受付・助手の「学びなおし」に最適です。
「当日のプログラム」
10:00~12:00 歯科医療の基礎知識 
13:00~15:00 接遇の基本 挨拶、姿勢、電話応対、敬語など
15:00~17:00 歯科技工士による石膏注ぎ実習 1時間
清潔管理の基本講習  1時間

●昨年は、歯科助手に交じって2年目の歯科衛生士も参加され、復習になったと喜んでいただきました。5年目の歯科助手は、初めて歯科医療について体系的に学べて、これまでのことが腑に落ちた、石膏注ぎのコツがわかった、など嬉しい感想をいただきました。ぜひ、新人だけでなく、ベテラン歯科助手、歯科衛生士も参加させてみてください。

■自費増大対策セミナー
定評あるM&Dの自費話術セミナー。自費率アップの決め手です。
●1.【M&D歯科カウンセラー養成講座】
会場:飯田橋レインボービル 受講料:1名様 30,000円(税込・昼食付)
第1回 5月11日(日)9:30~17:00
第2回 10月19日 (日) 9:30~17:00 
※各回定員20名。打率90%の歯科カウンセラーも誕生しました。

●2.【歯科医師のための自費話術研修】   
第1回 7月20日(日)10時-18時 & 21日(祝月)9時-17時 
いつものABC渋谷東口駅前会議室を予定しています。

第2回 11月23日(日)10時-18時 & 24日(祝月)9時-17時
地方の先生方のために、新横浜コートホテルを予定しています。
東京のホテル代が高騰しているからです。
ホテル代は別料金ですが、リーズナブルに宿泊できますので、地方の先生方はぜひ11月のセミナーをご検討ください。

いずれの回も、定員4名で2日間の集中研修です。   
受講料:1名様 198,000円(税込)昼食・説明ツール・懇親会込     
講師: (株)M&D医業経営研究所 代表取締役 木村 泰久 
医療接遇アドバイザー 小山 美由紀 

※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ
https://md-management.jp/dvd/

※歯科経営改善ゼミナール
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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】
優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
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このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
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みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策 

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「 “モノがない!”事件を減らそう 」

【目次】

1.はじめに
2.他産業でいえばどんなこと?
3.歯科医院ではどうすればよい?
4.まとめ

■1.はじめに

どの歯科医院でも日常的に起きているトラブルがあります。それは、「使おうと思ったときにモノがない!」です。
例えば、電動麻酔装置が行方不明、バースタンドにバーが戻っていない、超音波のチップが見あたらない、など色々なものが行方不明になってしまいます。
スタッフは歯科医師と患者さんを待たせたまま、大慌てで院内を探し回ります。
すぐに見つかればよいのですが、ない場合は隣のユニットから拝借したり、代用の器具や材料で治療を進めたり、その処置を次回に延期することになってしまいます。
今回はその対策を考えてみましょう。

■2.他産業でいえばどんなこと?

製造業の工場では半製品がベルトコンベヤーから流れてきます。その半製品に所定の工具や治具を使って部品を取り付けていくわけです。
もし、工具や治具がみつからなければ、必要な部品が取り付けられない不良品が続々と発生してしまいます。
このため、工具は置き場所が決められており、部品も在庫と使用する量がきちんと定められています。
特に、工具や治具は所定の置き場所にしか収納できないように、その形をした収納スペースが用意されていたりします。

■3.歯科医院ではどうすればよい?

そもそもどうしてモノがなくなるのでしょうか。
それは、例えばスタッフが器具を片付けて消毒室に持っていく際に、消毒室に入ったとたんに院長に呼ばれて別の作業についてしまい、そのままにしていたものを別のスタッフが邪魔になるからと動かしてしまったり、
あるいは、いつもの場所を見たら無かったので、隣のユニットのキャビネットから持ってきて、そのまま消毒室へ返して滅菌してしまったり、
新人の助手さんが入ってきて、滅菌したものの片付けを命じられたが、器具の微妙な違いが分からず、似た器具があるところに収納してしまったり、などの事態が起きるからです。

診療効率を維持するためには、「あるべきところに、あるべきものがきちんと保管されていること」が重要です。
そして、「出した場所に収納する」「決められた場所に戻す」ためには、次の3つの改善方向があります。

1.充分な数を用意する:
ユニット3台のときは問題がなかったのに、5台になって勤務医が入り歯科衛生士と助手が増えると途端に問題が発生します。原因は、器具の個数が不足しているからです。
ユニット台数と、歯科医師、歯科衛生士の人数を考慮して器具を増やす必要があります。例えば、バーは並べ方も決めて滅菌できるセットにしておき、1日患者数と滅菌回数に合わせてセット数を揃えておきます。セメント類は、各ユニットに同じものをセットしておきます。比較的よく使う器具は各ユニットのキャビネットに一つずつ入れておき、消毒室に滅菌済みの予備を必要数おいておきます。
こうすれば毎回探すことがなくなります。歯科用器具は高価ですが、探す時間に費やす無駄な人件費を考えると、投資額は回収できます。

2.収納場所に目印を付ける
例えば、診療中に新人が寄ってきて、「紙コップがなくなりました、どこにありますか?」「それは消毒室の上の棚よ」、新しく着任した勤務医から、「5倍速のコントラありませんか?」「はい、どこにありますか?」、こんなことが起きていませんか?
つまり、出した物を元の位置に戻せない人には、どこに何があるかを把握できていない人がいるのです。ですから滅菌があがった後に戻す場所が分からず、時間に追われて適当に戻してしまうのです。それは、隠したのと同じ結果になってしまいます。
対策として、 収納場所に内容を表示しておく方法があります。キャビネットの引き出しや消毒コーナーの棚に、何が入っているか名前を書いたシールを貼っておくのです。新人の助手さんは器具の形と名前が分からないことがあるので、デジカメ写真を貼っておくと親切です。

3.「元の位置」を使いやすい場所にする
先生もスタッフも適当に物を放置してしまいがちです。でもよく見ていると、いつも同じ位置に物が出しっぱなしにされているようです。つまり、「ちょっと置きやすい」ので、「そこにあると使いやすい」ので、その場所に置いてしまうのです。そうであるなら、そこに置き場所を作れないか工夫してみましょう。
つまり、「モノの定位置は、使う場所のすぐ近くに決める」、「人の行動や動線にあわせて物の置き場所を設定する」のです。使う場所と収納する場所が同じなら、出しっぱなしはなくなります。新しいキャビネットを置いたり、棚を新設したりして、よく使うものを置く場所を作ってみましょう。使いやすくなることが実感していただけると思います。     

4.分からないものカゴをつくる
新人の歯科衛生士や歯科助手が入ってきたときは、しばらくは滅菌あがりの器具を収納する場所が分かりません。このため、「分からないものカゴ」を作って消毒室に置いておきます。新人さんが収納場所が分からないときは、このカゴにいれておくのです。
そして落ち着いた時間やラストの時間に、ベテランさんが器具の名前と収納場所を教えながら、一緒に収納していくのです。この収納作業を動画に撮って、新人さんが収納時に迷ったら、いつでも見られるようにしておく方法もあります。

■4.まとめ

これらの対策を実施することで、使おうと思ったときに所定の場所に「モノがない!」事件を解決することができます。
そして、対策を決めたら、スタッフミーティングで全員に周知しておきましょう。
特に、十分な数をそろえておくことが前提になりますので、院長先生にお願いしておきましょう。ぜひ試してくださいね。

以上

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【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久