令和6年12月2日以降は、新しい健康保険証は作られなくなりますが、マイナ保険証の普及率は低く、多くの患者さんが積み残しになったままの移行になりました。

マイナ保険証への移行に際して不安を抱える受付スタッフが多いようです。今後問題になりそうな事項に対して、現時点で考えられる対策をまとめました。

1.マイナンバーカードを持っていない人や、持っていてもマイナ保険証登録をしていない人などはどうすればよいか。

⇒2025年7月末までの暫定的な運用として、現行の健康保険証が失効する前に、現在の保険者から健康保険証の有効期限内に右のような資格確認書が交付されます。健康保険証のようなカードで、申請手続きは不要で無償です。高齢などでマイナ保険証の顔認証やパスワードによる認証が困難な方は、申請すれば無償で交付されます。

2.マイナ保険証が機器のエラーなどで読み取れないときにどうすればよいか。

⇒次の3つの方法があります。

  1. マイナ保険証を登録した方には、「資格確認のおしらせ」が届いていますので、患者さんに確認してお持ちの場合は提示していただきます。
  2. マイナカードのマイナポータルから保険証情報を確認していただき、それをもとに入力します。このとき、マイナポータルから暗証番号を聞いてきますが、3回間違えるとマイナンバーカードが使えなくなるので要注意です。
  3. 「被保険者資格申立書」を書いていただいて受診していただく方法があります。この申立書をご記載いただくことで、3割負担(未就学児は2割負担、70歳以上等の方は1割~)により自己負担額を計算します。保険者番号等の情報がわかり次第ご連絡いただきます。

3.マイナ保険証には公費が紐づけされていないが、どうすればよいか。

⇒別途公費の証明を提示して頂く必要があります。公費とは、乳幼児医療、ひとり親家庭医療費助成、障害者医療費助成、小中学生医療費助成、特定医療費(指定難病)受給者証などです。公費がマイナ保険証に紐づけされないことを対象の患者さんにお伝えしておきましょう。

マイナ保険証に対応することで歯科医院にもメリットがあります。それは、医療DX加算を算定することができること、受診歴や投薬履歴から糖尿病や高血圧などの成人病に罹患していたり、罹患していたりした患者さんが分かるので、歯科治療時医療管理料 45点を算定できること、糖尿病の患者さんには、SPT(歯周病安定期治療)において、糖尿病ハイリスク加算 80点を算定できることなどです。ぜひ、積極的に患者さんにご利用を勧めていただきたいと思います。

なお、来年7月の国民健康保険証の切り替え時期は窓口が混乱すると予想されます。今からできるだけマイナ保険証の登録をお勧めしましょう。     

以上