■セルフレジとクレジットカードを考える

最近はセルフレジを導入する歯科医院が増えてきました。いわゆるセミセルフレジというもので、テラオカやアルメックスがトップメーカーです。セブンイレブンやローソンなどのコンビニでも設置されています。セブンイレブンはセミセルフレジ(店員さんがスキャンしてお客さんは支払うだけ)、ローソンはセルフレジ(お客さんが自分でスキャンして支払う)など、お店によって特徴があります。大型スーパーではセミセルフレジでの運用が多いようです。

歯科医院では、セミセルフレジの運用になります。受付が領収証のバーコードをスキャンして、患者さんに画面を提示し、支払っていただくわけです。ところで、セルフレジを導入する目的は、「会計待ちの短縮と受付の人員効率の向上」です。このとき、①現金だけにする、②現金とクレジットカードにする、③現金とクレジットカード、さらにプリペイドカードにする、という3つの対応があります。では、どの方法が目的に沿っているでしょうか。

  • 現金だけの場合:すべての患者さんが、お札と小銭を用意してセルフレジに入金することになります。保険の窓口負担で数千円と端数なら、簡単に終わります。しかし、自費治療でインプラントや矯正などの場合は、高額の診療費分の1万円札を1枚ずつセルフレジに入れなければなりません。雨でぬれたり、シワになったりしていると入りにくくなって時間がかかります。しかも多くの機種で5千円札が使えません。新札への対応も遅れており、対応できない機種も残っています。対応できない場合、受付に言って両替をしてもらう間に行列ができてしまいます。
  • 現金とクレジットカードが使える場合:今ではどの患者さんも1枚はクレジットカードを持っていると思います。JCB、VISA、MASTERなどは多くの利用者があります。自費治療でインプラントや矯正などの場合でもカード払いを選択していただければ、受付の関与なく支払いが終わります。
  •  現金とクレジットカード、プリペイドカードが使える場合:これには問題点があります。プリペイドカードは種類が多く、交通系、楽天Edy、WAON、スマホのPayPayなど様々です。このため、患者さんがセルフレジの前で支払方法の選択に迷ってしまうのです。受付に問い合わせて受付を煩わせ、支払い完了まで時間がかかります。すると行列ができてしまいます。

セルフレジ導入の目的は、「会計待ちの短縮と受付の人員効率の向上」です。この視点にたてば②の現金とカード払いが最適であることがご理解いただけると思います。

次に、現金とカード払いが選択できるとして、保険診療も自費も全部カード払いとするか、自費だけカード払いにするかという選択があります。どちらがよいでしょうか。実は、セルフレジを入れた場合、保険でもカードが使えるようにしないと、せっかくの時間効率化効果が半減します。保険診療でカード払いをしようとする患者さんがいるたびに受付からお声がけする必要があり、気まずくなるほか、現金を用意して入金するための時間がかかったり、現金の持ち合わせがなかったりすることもあるのです。つまり、保険も自費もすべてカード払いを選択できるようにしておかなければ、セルフレジの効率化効果が最大化できないのです。

以上