成功する!歯科医院のマーケティング対策 436号
【コラム】
ロシアとウクライナの第4回停戦協議が14日にも行われる見通しです。
市民も巻き込まれる戦況が連日放送されており、それを目にする度に心が痛みます。
一日でも早い和平交渉を願うばかりです。
3月に入り暖かい日が増え、桜の開花予想が発表されました。
今年は平年並みか平年より早い見込みだそうです。
九州は3月18日頃、関東は3月21日頃、関西は3月26日頃の開花予想です。
まだコロナ感染者数が高止まりで桜の下での宴会はなかなか出来そうもありませんが、
眺めるだけでも心が癒やされる「お花見」が出来るといいですね。
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【2022年度プログラム 対面式セミナー】 会場:飯田橋レインボービル
4月17日(日)13:00~17:00 「接遇セミナー」
受付助手の方、歯科衛生士の方を含めて、
「歯科医療の基本知識」「接遇の基本」です。
定員20人です。
受講料:11,000円(税込)
【2022年度プログラム WEBセミナー】各回16:00~17:30
3月17日(木) 「患者を集める!マーケティング対策」
4月21日(木) 「自費を増やす!自費増大のマネジメント」
5月19日(木) 「WEBマーケティングとSNSの進め方」
6月23日(木) 「採算性を高める!予防歯科の導入対策」
7月14日(木) 「困ったトラブル患者対策の進め方」
8月18日(木) 「歯科医院のための人事制度の構築」
9月22日(木) 「医院を守る、就業規則の策定」
10月13日(木) 「スタッフを育成する人事評価制度の導入」
11月17日(木) 「モチベーションを高める給料賞与の払い方」
12月15日(木) 「何とかしたい! 問題職員対策の進め方」
受講料:各回5,500円(税込)
受講方法:オンタイムまたは録画視聴からお選びいただけます
【2022年度自費セミナー】
1.歯科カウンセラー養成講座 第1回 5月29日(日)9:30~17:00
第2回10月30日(日)9:30~17:00
受講料:22,000円(税込・昼食込)
会 場:5月家の光会館セミナールーム、10月飯田橋レインボービル
定員20名
2.ドクターのための究極の自費増大の話術教室
第2回 2022年9月18日(日)19日(月祝)
受講料:220,000円(税込・昼食・懇親会込)
会 場:(予定)アットビジネスセンター渋谷東口駅前会議室
講師3名に対し受講生定員6名という贅沢なセミナーです。
心理学をベースにした徹底的なロールプレイで、話術を持ち帰れるセミナーです。
【お知らせ】
※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ
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では、メルマガを始めさせていただきます。
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【メルマガの主旨】
優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング対策が必要です。
このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。
みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。
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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社 M&D医業経営研究所 代表取締役
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成功する!歯科医院のマーケティング対策 第436号
【目次】
1.個人情報保護法改正と歯科医院の対応方向
2.他産業でいえばどんなこと?
3.歯科医院ではどうすればよい?
4.まとめ
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■1.個人情報保護法改正と歯科医院の対応方向
この4月から、個人情報保護法が改正され、扱いが厳しくなります。
2003年に個人情報を取り扱う事業者が遵守すべき義務等を定めた個人情報保護法が制定されて10年が経過し、行動ターゲティング広告など、当時は想定されていなかった個人データや情報が活用され、AmazonやFacebookなど海外企業も個人情報を保有して活用しています。
このような環境変化に対応するため、3年ごとに個人情報保護法が改正されており、2020年にこの見直し規程に基づく法改正が行われて、2022年4月2日から施行されます。
・個人情報保護法改正のポイント
1 本人の請求権の拡大
2 事業者の責務の追加
3 事業者の自主的な取り組みの推進
4 データ利活用の推進
5 ペナルティの強化
6 域外適用等の拡充
■2.他産業でいえばどんなこと?
個人情報とは?
よく、プライバシー保護と個人情報保護が混同されますが、違う概念なので整理しておきましょう。
・プライバシー保護:主として場所や空間を中心とした概念。
・個人情報保護 :取得した個人に関する情報の管理や利用ルール。
1)個人情報保護の対象
法律では、過去6ヶ月以内のいずれの日においても5000件を超えて個人情報を取り扱う者とされていますが、医療機関や介護関係事業者においては5000件以下であっても法令遵守の努力義務があります。
また亡くなってからも保護しなければなりません。
不適切な取扱いなどがあれば、民事責任を問われる可能性があります。
2)法律で求めていること
1.個人情報の利用と保護のバランスをとる
・法律は、事業者(医療機関)側が守るべき最低限のルール
・情報の利用の際には患者の権利に対して細心の注意を払う必要がある
・個人情報の取扱い・管理方法の明確化・具体化が必要
・自己情報コントロール権=患者さん本人が関与できる仕組みを作る
2.個人情報の取扱い・管理方法を明確化する
・利用目的を特定する(技工指示書、医療技術の向上、学術発表など)
・本人の同意の無い第三者への提供禁止 ~これが最重要!
・本人から求めがある場合の開示・定性・利用停止
・安全管理の措置を講ずること ~マイナンバーと保険証番号は重要な個人情報!カルテ庫は必ず施錠して帰ること
3.同意が原則 プライバシーポリシーを提示しておき、承諾を得て診療をしていることを明確にしておく
・『個人情報の第三者提供』=本人以外は第三者
・『個人情報の目的外利用』=目的と方法を明確にしておく
■3.歯科医院ではどうすればよい?
1)医療機関での個人情報の取り扱い
個人情報とは、次のような概念です。
医療機関では一般の企業よりも厳しく扱われます。
1.当該情報に含まれる氏名、生年月日、その他の記述等によって特定の個人を識別できるもの
⇒待合室でフルネームを呼ぶのはOK。ただし病名などをつけて呼ぶのはだめ。
2.生存する個人に関する情報。ただし、医療の場合は死者の情報も該当
⇒死因や病名などは保護対象となる重要な個人情報。
3.医療機関は法令の保存年限を過ぎても対象となる
⇒5年超えても保護の対象。
4.通院加療中の如何を問わず対象となる
⇒虫歯や歯周病で通院中・矯正治療を受けた・インプラントを入れたなどは、他人に知られたくない秘密であり保護される必要がある。
5.スタッフの履歴書等も保護対象となる
⇒雇用管理に関するガイドラインが設定されている。不採用にした応募者の履歴書類なども保護の対象です。
2)院内で何気なく当然のように行なっていたことを、改めて見直してみましょう。
1.何気なく書いたメモや日常の会話も意識する必要がある。
2.過去の情報漏洩事件の8割は内部から発生している。
3.飲み会などは、一駅外して医院が特定できないようにして、お店を選ぶこと。
そして、患者を話題にしないこと。
4.診療情報=個人情報、カルテ もし病名が漏れると・・・
⇒患者さんに精神的苦痛や経済的損失を与える
医療機関は損害賠償請求を受けたり、マスコミに洩れると信用の低下になったり、などに直面する
5.保険証やマイナンバーなどの情報が漏れると・・・
⇒保険証番号やマイナンバーは身分証明書、『架空請求や振り込め詐欺に繋がる』
3)具体的な対策
1.カルテ庫は、診療終了後や休診日には施錠しておく。
2.電子カルテなどの端末・画面にプライバシースクリーンを導入する。
3.問診・病状説明の声を小さくする。
4.診察室での画面や書類を他人に見られないようにする。
5.次の患者導入前に、レントゲン画像や個人情報が分かる画面を必ず消す。
6.カルテ・検査記録・画像診断記録・各種指示書などを患者の目に触れない所に置く。
7.保険証・診察券・各種預かり証などは、個人名が第三者に見えないように管理する。
8.カルテや予約帳の内容、アポコンの画面などを第三者から見えないようにする。
9.電話での問い合わせの対応は特に要注意。電話は、相手が名乗る氏名や会社、役所や役職などの確認が取れないためです。
・通院の事実は過去の履歴を含め一切回答しない。
⇒患者が他人に知られたくない高度な個人情報です。
・自賠責・生命保険など保険会社からの照会への返答
⇒必ず書面でいただき、相手先を確認したうえで返信する。
・学校や職場からの患者の症状や復学・復職見込みなどの照会。
⇒学校や職場に電話をかけ直して、相手先や目的が本当かどうか確認したうえで回答する。
・保険者からのレセプトに関する問い合わせ。
⇒支払基金など、相手先を確認したうえで目的と内容を確認する。
・不要になった書類や仮出力のレセプトなどの破棄は必ずシュレッダーとする。
・保険証のコピーを取る際は患者の承諾を得る。
⇒厚生局では保険証のコピーは推奨していない。コピーはカルテではなく診療メモに貼る。
・マイナンバーカードはコピーしない。両面をコピーすると犯罪になります。
4)コンピューター関係の注意事項
1.重要な情報を取り扱うPCには、ファイル交換ソフト厳禁。
2.PCに無許可でソフトウェアを導入できないようにする。
3.PCを外部に持ち出さない。スティックを使用させない。
4.ネットワークにレセコンのPCを接続しない、させない。ネット検索用のPCには患者さんの個人情報を入れない。
5.自宅に仕事を持って帰らなくて済むように、作業量を管理する。
6.職場のPCから電子媒体に情報をコピーしない、させない。
7.漏洩して困る情報を許可なくメールで送らない、または送れないようにする。
8.ウイルス対策ソフトを導入し、最新のウイルス定義ファイルで常に監視する。
9.不審なファイルは開かないよう院内に徹底する。
⇒なりすましメールに注意!
10.業務に関係のないサイトは閲覧しない、させない。
■4.まとめ
「プライバシーポリシー」を待合室に掲示しておきましょう。
また、初診カウンセリングの際に、
個人情報の保護について簡単に説明しておきましょう。
さらに、すべての職員から、
「個人情報の保護に関する誓約書」を書いていただきましょう。
以上