かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)は、地域包括ケアシステムを展開するうえで重要な社会的インフラとして厚生労働省が期待している対策の一つです。一人の患者を小児から在宅まで、地域のなかで医療施設や介護施設や行政と連携しながら重症化予防の観点でケアしていく役割を持っています。前回の改定でも、かかりつけ歯科医機能評価の充実があげられており、今後も優遇施策が続くと考えられます。

しかし、か強診の施設基準を満たそうとしても容易ではありません。ハードルが高いからです。まず、院長のほかに勤務医または歯科衛生士が必要で、歯科衛生士が採用できなければ取得できません。さらに、外来環境加算の施設基準を満たしていることが前提なので、口腔外バキュームやAED、ハンドピースの滅菌個別交換用のプチクレーブなど、150万円以上の設備投資が必要になります。さらに、30年改定で施設基準のハードルが上がりました。新たに取得をめざす医院だけでなく、すでに施設基準を満たしている医院でも、更新には来年3月末までに新しい施設基準を満たす必要がありますが、苦労しているのです。

新たに取得する場合にハードルになっているのは、過去1年間にSPTⅠまたはSPTⅡをあわせて30回以上算定していること、そして、歯科訪問診療の算定回数が5回以上あることです。さらに、新規取得でも更新でもハードルになっているのは、右表のように、歯科医師が3つ以上満たすべきとして列挙されている項目です。そのうち、介護施設や医療機関への在宅歯科を行なっていなければできない項目を除いても、イ.地域ケア会議への出席、ウ.介護認定審査会の委員への就任、カ.在宅医療又は介護に関する研修の受講、ク.認知症対応力向上研修等、認知症に関する研修の受講、ケ.自治体が実施する事業への協力、コ.学校校医等への就任、サ.歯科診療特別対応加算又は初診時歯科診療導入加算の算定実績などがハードルになっています。どうすれば満たせるのか情報がないからです。

「か強診を取得し、最大限に活用するセミナー」を開催します。か強診に期待される役割と算定の経営面でのメリット、3つの施設基準を満たすための情報提供、年間5回の歯科訪問診療の開始方法や保険算定のポイント、フッ化物歯面塗布処置、SPTの算定手順などについて解説します。ぜひご参加ください。

■日時:2019年5月19日(日)10:00~12:00
■受講料:10,800円(税込)、お二人目から5,400円
■会場:飯田橋レインボービル 東京都新宿区市谷船河原町11 JR、地下鉄飯田橋 徒歩5分 以上