【コラム】

歯科材料の値上がり、金属代の高騰、そして人件費が上昇しています。

特に人件費は最低賃金の上昇によって、経営の圧迫要因になっています。

歯科医院の売上の多くを占めている保険診療報酬は、来年4月以降まで改訂されないため、赤字に転落する歯科医院が増えています。

では、どうすればいいのでしょうか。

保険診療報酬が来年まで改訂されない以上、自費治療を増やしていくしかありません。

自費治療の収益改善効果はとても大きいからです。

例えば、保険のFMCの売上は約1万円です。

しかし、金属代7千円と技工料1千5百円、材料費1千円、合計9千5百円が消えてしまいます。

歯科医師、スタッフの賃金や家賃などの一般管理費が1万5千円程度かかります。

結果的にこの金額がそのまま赤字になります。

しかし、歯科医院は自費治療が認められています。

例えば自費のジルコニアボンドを12万円でセットしたとしましょう。

営業利益率は約50%です。

歯科医師、スタッフの賃金や一般管理費を引いても、6万円の利益が残ります。

つまり、

FMCをジルコニアクラウンに変えるだけで、

△1万5千円と、+6万円、往復7万5千円の損益が改善するのです。

物価上昇のなかで、経営改善のカギは、「自費率の増大」です。

しかし、

「高い自費を勧めると、患者さんとの信頼関係が壊れる」、

「金儲け主義の歯医者と思われたくない」などと考えて保険で治療を進めている歯科医師が多いのです。

確かに、自費は患者さんに押し付けても増えません。「高い治療を押し付けられた」と、中断患者を増やす危険すらあります。

自費を増やすには、説明の話術を工夫する必要があります。

患者さんの希望を丁寧に聞いてあげ、歯科治療の情報を分かりやすく説明して、

患者さんが自分で良い治療を選べるようにしてあげること、がポイントです。

患者さんは少しでもよい治療を受けたいのです。だから歯科医院を探しているのです。

信頼できる歯科医院で、良い治療の情報を得たら、大部分の患者さんが自分でよい治療を選びます。

そして、自分でよい治療を選んだ患者さんは、

決して「高い治療を押し付けられた」とは思いません。

むしろ、「良い治療をしていただいた」と感謝していただけるようになるのです。

この状態をつくるには、

自費のカウンセリングテクニックを歯科医師とスタッフが習得することが必要です。

特に、歯科医師が自費を説明して、途中から歯科カウンセラーに説明を代わることで、打率が向上します。

そのためのセミナーを開催します。

【M&D歯科カウンセラー養成講座】

毎年開催している定評あるセミナーです。

ぜひ、受付・助手の方と歯科医師とお二人でご参加ください。

会場:飯田橋レインボービル 受講料:1名様 30,000円(税込)昼食付

日時:10月26日 (日) 9:30~17:00

定員20名。

打率90%の歯科カウンセラーも誕生しました。

待合室に掲示できる「修了証」を発行します。

※M&D歯科カウンセラー養成講座

また、歯科医師が独力で自費を説明できる話術の習得も大切です。

歯科カウンセラーを養成できない、小規模歯科医院の院長先生にお勧めです。

コンスタントに月額100万円の自費を獲得できる先生が続出しています。

【歯科医師のための自費話術研修】 

すでに200人以上の卒業生を生んだ話術研修です。  

ゲスト講師に、浅草安田歯科医院の安田 亮 先生をお招きしています。

7月も満席で研修も盛り上がり、

受講された先生から、翌日さっそく自費を獲得したという連絡をいただきました。

日時:11月23日(日)10時~18時 & 24日(祝月)9時~17時

会場:新横浜コートホテル。

※東京のホテル代が高騰しているため新横浜駅近くのホテルで開催します。

ホテル代は別料金です。

朝食付き1万円以下で宿泊できます。ぜひご利用ください。

定員6名で2日間の集中研修です。  

受講料:1名様 198,000円(税込)昼食・懇親会込 (ホテル宿泊費は別料金)                    

講師:ゲスト講師:浅草安田歯科医院 院長 安田 亮 先生

(株)M&D医業経営研究所 代表取締役   木村 泰久 

医療接遇アドバイザー 小山 美由紀 

※歯科医師のための自費話術研修

~~~【セミナー案内】~~~

■令和7年度の歯科経営改善ゼミナールのご案内です。

実務的な内容のセミナーですので、参考にしていただけると思います。

興味のある回だけご視聴いただけますので、ぜひご検討ください。

●すべてWEBセミナーです。

受講料:1名様 各回6,600円(税込) 

16:00~17:30または録画視聴 ※視聴期間 各1か月                              

10月23日(木) 「これがポイント!患者トラブル防止の説明書、契約書と同意書の作り方」

11月20日(木) 「これがポイント!診療契約と個人情報、応召義務、カルテ開示への対応」

※歯科経営改善ゼミナール

※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ

■自費増大対策セミナー

定評あるM&Dの自費話術セミナー。自費率アップの決め手です。

●1.【M&D歯科カウンセラー養成講座】

会場:飯田橋レインボービル 受講料:1名様 30,000円(税込)昼食付

第2回 10月26日 (日) 9:30~17:00 ※開催日を変更しました。

定員20名。打率90%の歯科カウンセラーも誕生しました。

※M&D歯科カウンセラー養成講座

●2.【歯科医師のための自費話術研修】   

・11月23日(日)10時~18時 & 24日(祝月)9時~17時

・定員6名。2日間の集中研修です。  

・受講料:1名様 198,000円(税込)昼食・懇親会込 (ホテル宿泊費は別料金)                    

・講師:ゲスト講師:浅草安田歯科医院 院長 安田 亮 先生

(株)M&D医業経営研究所 代表取締役   木村 泰久 

医療接遇アドバイザー 小山 美由紀 

※歯科医師のための自費話術研修

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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日

【発行者】 木村 泰久

(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント

株式会社M&D医業経営研究所 代表取締役

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成功する!歯科医院のマーケティング対策  

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「受付担当者を医院の強みにする」  by 小山 美由紀

【目次】

1.はじめに

2.他産業でいえばどんなこと?

3.歯科医院ではどうすればよい?

4.まとめ

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■1.はじめに

皆さんの医院では、患者さんが最初に接する「受付担当者」の重要性を、どのくらい意識されていますか?

「治療技術で勝負したい」と思う先生方は多いですが、実は患者さんにとって「この医院にまた来たい」と思うきっかけは、必ずしも治療内容だけではありません。

例えば、笑顔で名前を呼んで迎えられたとき、ちょっとした不安を受付で解消してもらえたときなど、

“ここなら気持ちよく治療が受けられる、安心して通える”という感覚的な印象が「この医院に通おう」という判断に大きく影響していきます。

その印象を最初に作るのが「受付」です。

初診の患者さんにとって、最初に顔を合わせるのは「受付担当者」ですし、通院が続く患者さんにとっても、毎回最初に声をかけてくれるのは「受付担当者」です。

近年では自動精算機の普及により、会計業務は効率化されました。

マイナンバーカード受付もすでに広く導入され、保険証確認はスムーズに行える時代になっています。

では、そのような中で「受付担当者」に求められるのは何でしょうか?

答えは、人にしかできない応対、つまり 心のこもった接遇 です。

他の業界では受付がどのように機能しているのか見てみましょう。

■2.他産業でいえばどんなこと?

他産業に目を向けると、受付やフロントは、その組織の顔として重要視されています。

ホテルのフロントでは予約の確認をしながら、笑顔で「○○さま、お待ちしておりました」と声をかけます。

たった一言で、ゲストは、歓迎されていると感じます。もし無表情に「ご予約名は?」と聞かれたら、どうでしょうか。おそらく滞在全体の印象まで変わってしまいます。

百貨店の総合案内では来店客に対して、目的の売り場や商品を案内します。

その丁寧な対応は、買い物体験そのものを快適に変えます。

忙しい中でも「少々お待ちくださいませ」と笑顔で声をかけられると、それだけで安心感が生まれます。

大企業の受付では来訪者の情報を正確に把握し、VIP顧客や大切な取引先の名前と顔を覚えています。

受付の応対ひとつがその企業の信頼感を示すからです。

これらの共通点は、受付が単純な案内役ではなく、組織の姿勢を示している、ということです。

では、歯科医院ではどうでしょうか?

■3.歯科医院ではどうすればよい?

歯科医院の受付は、ホテルや百貨店のように「受付専任」ではありません。

予約管理、会計、カルテ入力、電話応対…。限られた人数で多くの業務をこなす必要があります。

その中で、患者さんに安心感を与え続けることは簡単ではありません。

しかし、だからこそちょっとした工夫が医院全体の印象を大きく変えます。

以下の3つを意識するだけでも、医院の強みになります。

1. 患者さんの顔と名前を覚える

予防歯科が広がる今、3か月ごとに通う患者さんは医院のVIPです。

「○○さん、いつもありがとうございます」と声をかけられると、患者さんは「この医院は自分を覚えてくれている」と感じます。

逆に名前を呼ばれなければ、ただの一患者として扱われていると受け取られてしまうかもしれません。

受付担当者が患者さんの名前を記憶することは簡単ではありませんが

スタッフ同士で情報を確認することで継続できます。

2. 接遇マニュアルを整備する

例えば、こんな場面を想像してみてください。

患者さんと次回予約を相談している最中に、電話が鳴ったらどうしますか?

患者さんを優先するので電話には出ないと考える方もいるでしょう。しかし、実際には電話の多くが新規予約や予約変更です。

つまり、その電話に出なければ医院の機会損失につながります。

理想的なのは、次回予約を相談している目の前の患者さんに「失礼いたします」と断り、

3コール以内に電話を取り、要件を済ませてから「お待たせして申し訳ありません」と戻る流れです。

これだけで、丁寧さと機敏さを両立できます。

こうした場面ごとの応対を、マニュアルとして整備しておくと、誰が受付に立っても同じ水準で接遇ができます。

3. 最新システムを味方につける

会計業務は自動精算機が担う時代になりました。保険証確認もマイナンバーカードでスムーズに行えます。

つまり、受付担当者は、事務作業から解放され、患者さんと向き合う時間に集中できる環境が整ってきたということです。

だからこそ、患者さんに「お大事になさってください」「今日は寒いですね」といった一言を添える余裕を持つことができます。この小さな声かけが、他院との大きな差になります。

■4.まとめ

歯科医院にとって受付担当者は、単なる事務スタッフではなく「医院の顔」であり「医院の強み」に育てられる存在です。

・患者さんの顔と名前を覚え、安心感を届ける

・接遇マニュアルを整えて、誰でも同じレベルで対応できるようにする

・最新システムを活用し、人にしかできない役割に集中する

こうした工夫を積み重ねることで、患者さんは「また通いたい」と思うようになります。

結果的に予防来院、自費治療、紹介につながり、医院の安定経営へ直結します。

皆さんの医院では、受付担当者が「医院の顔」としての力を十分に発揮できていますか?

もし少しでも改善の余地があると感じられたら、まずは「名前を呼んで声をかけること」から始めてみてください。小さな積み重ねが、大きな成果につながります。

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【発行者】医業経営コンサルタント 木村 泰久