【コラム】

緊急事態宣言が出されて以来、歯科医院の患者数が激減しています。50%減となった医院もあります。
この状態のなかで、考えるべきことは2つです。
一つは、キャッシュの調達です。
需要の回復には時間がかかります。
その間、持ちこたえるためには、借入れが必要です。
無利子で5年据え置きなど有利な条件での借入れが可能になっています。
税理士事務所に相談していただきたいと思います。

もう一つは、スタッフを大切にすることです。
いずれ需要は戻ってきます。
う蝕、歯周病は、放置していても悪化するだけなので、需要を先送りしているだけです。
予防の患者さんは、来院習慣が途切れると中断リスクがでてくるので、優先的に案内が必要です。

とにかく、患者さんに「歯科医療は不要不急でもなく、感染リスクも高くないから、安心して来院してくださいと、繰返し告知する必要があります。 

今回は、歯科新聞に投稿した原稿を掲載します。
ぜひ、シェアしていただければと思います。

■■■ 歯科経営改善ゼミナール ホワイトクロス・LIVEセミナーのご案内 ■■■

弊社も新型コロナウイルス感染予防のために、5月までのセミナーはすべて中止しました。

6月の「M&D経営塾」についても、情勢をみて来年度に延期することにしました。

このため、今年度は改めてプログラムを組み替え、
ホワイトクロスからLIVEセミナーとして開催することにしました。

「歯科経営改善ゼミナール」ホワイトクロスLIVEセミナー版のご案内

他医院と差別化するマーケティング対策やホームページの作り方、自費増大対策と在宅歯科、経営管理対策、そして予防歯科の進め方などを5回のプログラムで解説します。ぜひ、ご視聴いただきたいと思います。

また、ロールプレイやグループワークが必要なセミナーは次のとおり開催します。

10月25日 「歯科カウンセラー養成講座」2020年第二回

11月22日、23日 究極の自費話術教室セミナー

11月29日 「スタッフが活性化する人事評価の導入対策」
・冬期賞与のための人事評価の導入対策です。ケーススタディを中心に、歯科衛生士、
受付助手の人事評価表を差し上げます。

■■2020年度 「歯科経営改善ゼミナール」WHITECROSS LIVEセミナー版 プログラム■■

第1回 7月14日(火):「差別化戦略とマーケティング対策の進め方」 
差別化戦略はライバル医院を特定し、その医院とどう差別化するかを具体的に考えていくところから始まります。具体的な対策をご紹介します。

第2回 8月4日(火):「患者から選ばれるホームページと情報発信対策の進め方」
ホームページは比較されることが前提の広告媒体です。最近は、レスポンシブウエブデザインが主流になり大きく環境が変りました。さらに、院内掲示の進め方やSNSなどを通じた情報発信の事例と進め方を解説します。

第3回 9月1日(火):「自費増大対策と、か強診のための在宅歯科の導入対策」
自費を増やすための具体策を解説します。また、か強診の取得をめざすための在宅歯科の導入対策を解説します。

第4回 10月6日(火):「経営効率を高める!歯科医院の経営管理の進め方」
経営管理が苦手な先生が多いのが実情です。財務諸表の読み方、キャッシュフロー経営の考え方と実際、在庫管理の適正化、月次管理の項目と目安などを解説します。

第5回 11月3日(火):「歯科衛生士の職務範囲と予防歯科の進め方」
歯科衛生士の職務範囲はどこまでなのか、日本歯科医学界や厚生局などの資料をもとに解説します。今後の歯科医院経営の主流となる予防歯科について、採算性、導入方法などを解説します。

なお、次のセミナーは、現時点では開催の予定です。
変更がある場合は、追って告知させていただきます。

■■2020年度 「歯科経営改善ゼミナール」プログラム■■               

7月19日  「診療契約の知識とトラブル対策の実務」
・歯科診療契約によってどんな責任と義務を負うのか、医療事故や理不尽なクレームに対してどう対応するか、実務的な知識を解説します。  

9月13日  「スタッフが活性化する賃金規定の作り方」
・職能資格制度、役割資格制度など、歯科医院の実態に即した賃金規定の作り方を解説します。

10月25日 「歯科カウンセラー養成講座」2020年第二回

11月22日、23日 究極の自費話術教室セミナー 2020年第二回

11月29日 「スタッフが活性化する人事評価の導入対策」
・冬期賞与のための人事評価の導入対策です。ケーススタディを中心に、歯科衛生士、受付助手の人事評価表を差し上げます。

12月20日 「スピードスタートのための開業対策」
・2021年に開業をめざしている歯科医師のために、成功する開業準備と、スピーディに立ち上げるための対策を解説します。

【会場】 飯田橋レインボービル:東京都新宿区市谷船河原町11 
Tel 03-3260-4791 JR・地下鉄飯田橋駅5分
【お申し込み】
https://md-management.jp/improve/

【お知らせ】
※歯科経営改善ゼミナール DVD講座のお知らせ
https://md-management.jp/dvd/

                           
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では、メルマガを始めさせていただきます。

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【メルマガの主旨】

優良な医療機関の売上向上、患者数増加は社会に役立つ使命です。
そして、売上や患者数を増やすためには、医療サービスとしてのマーケティング
対策が必要です。

このメルマガは、歯科経営に絞り込んだ狭い専門領域のメルマガです。
優秀な診療技術を持ちながら、売上と患者数の減少に悩むドクター、あるいは、新規開業して早期に売上と患者数を増やしたいと考えているドクターのご参考にしていただければと思います。

みなさまのご期待に応えるため、少しでもお役に立つ内容の濃いものにしたいと考えております。

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【発行周期】 原則として、第2、第4月曜日 
【発行者】 木村 泰久
(社)日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント
株式会社 M&D医業経営研究所 代表取締役
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成功する!歯科医院のマーケティング対策 第399号

患者さんに伝えよう!

令和2年5月11日

「歯科医療は不要不急ではないし、感染リスクも高くない」

1.はじめに
 一部のマスコミが「歯科医療は不要不急」といったり、「感染リスクが高いから歯科医院には行かないほうがよい」といったりしているようです。
ここで明確に反論しておきたいと思います。

2.歯科医療は不要不急ではない
急患でお痛みの場合はもちろん、根管治療中に仮封のまま期間が開くと感染リスクが高くなり、その歯を失うリスクがでてきます。
クラウンやインレーを装着する場合は、歯牙を形成して3週間も開けると調整が必要になり、3ヶ月も開くと合わなくなって使えなくなります。
矯正でも毎月チェックしなければ、うまく動かなくなるリスクがでてきます。

このように歯科医療は歯科医師が治療計画に基づいて治療を進めているわけで、決して不要不急ではありません。

また、定期健診は延期せよということですが、SPT(歯周病安定期治療)は、重症化予防のための医学管理で、糖尿病など全身疾患の予防という意味も含めて保険収載されている「治療」です。

この4月から保険収載された歯周病重症化予防治療は、その名のとおり歯周病の重要化予防のための「治療」です。
また、歯周基本治療で実施するスケーリングやSRP、そしてTBIは、歯周病治療に欠かせない処置です。

これらは定期健診ではありません。

先日、元国立保健医療科学院の鶴見大学歯学部の花田信弘教授が、NHKのテレビ番組「朝イチ」で、
「口腔ケアをすることで新型コロナ肺炎の重症化が予防できる。
はじめはウイルス性肺炎との戦いだが、ウイルスに対する免疫力が暴発し、肺の細胞がダメージを受けて細菌性肺炎を起こしやすくなる。
むし歯・歯周病菌など口腔内の常在菌によって細菌性肺炎を続発し、免疫システムを圧倒して重症化する。
やがて細菌が血液に入り体を蹂躙して死の可能性が高くなる」と話されていました。

つまり、歯科医師の指示によって歯科衛生士が行なう処置は、治療の一環であり、決して不要不急ではないのです。
歯科衛生士のみなさんは自信をもって処置を進めていただきたいと思います。

3.歯科医院の患者への感染リスクは高くない

歯科医院での感染リスクが高いといわれていますが、5月10日時点で、歯科医院でコロナウイルス感染症に感染したとされる患者は1人もでていません。

それは、歯科医院では、コロナウイルスの感染拡大の以前から、患者ごとの器具の交換、滅菌を行い、ディスポーザブルの器具を使用し、グローブも患者毎に交換し、問診の際も歯科医師はマスクを着用して、患者への感染リスクを低下させてきたからです。

待合室でも、例えば内科や総合診療科は、発熱など感染リスクの高い患者が来院する医療機関です。
どこも混雑していて待合室で30分以上待たされ、患者同士の感染リスクが否定できない環境です。

しかし、歯科医院はもともと体調が悪い患者さんが集まる医療機関ではありません。
発熱していたり体がだるく不調だったりするときに、歯医者に行きたい人がいるでしょうか。

しかも、歯科医院の多くは予約制です。
待合室は混雑しないし10分も待つことは少ないでしょう。
さらに、多くの歯科医院の待合室では空気清浄機を稼働させたり、窓を開けたりしています。
密閉された待合室で、大勢の患者が密集したり、密着して座ったりする環境ではないのです。

多くの人が買い物に訪れるコンビニやスーパーマーケットと、 歯科医療を受ける患者さんだけが来院する歯科医院との感染リスクには、大きな違いがあるのです。

4.まとめ
歯科医療は不要不急ではなく、感染リスクも高くありません。患者さんは安心して歯科医院に通院していただきたいと思います。

また、歯科医院は、自信をもって患者さんに、「新型コロナウイルス感染症の重症化予防のために、毎日の歯みがきと、歯科医院での口腔ケアを続けてください」と、ご案内していただきたいと思います。

おわり