みなさんの医院でも、患者さんを検温したり、受付を含めた全員のマスク着用、患者ごとのグローブ交換、院内の滅菌消毒強化など、新型コロナウイルスの感染予防に努めていると思います。

ところで、まだ白衣の上に上着を着て通勤している方はいませんか?帰るときに、白衣の上から上着を羽織っていませんか?新型コロナウイルス感染リスクが高くなっている今、それは大変危険な行為です。症状のないまま感染を知らずに来院される患者さんがいる可能性があるからです。また、肝炎の患者さんの8割が歯科医院には告知していないというデータもあります。

歯科医療は外科処置が大部分を占めます。ドクターの形成や歯科衛生士の超音波スケーリング中は血液やだ液混じりのしぶきが飛び散ります。そのため白衣には、むし歯菌や歯周病菌だけでなく、血液やだ液に含まれるウイルスが付着します。

帰宅するとき白衣の上から上着を羽織ると、それらが上着の内側に付着するのです。白衣は毎日洗っても上着は毎日洗わないでしょう。帰宅して脱いでハンガーに掛けるとき、その上着の内側を素手で触ってしまい、その手で顔や口を触る可能性が高いのです。普段着の上からその上着を羽織ると、その普段着にウイルスが付着して次第に汚染された衣類が広がっていきます。そのような衣服で赤ちゃんや小さな子どもを抱いたり、食事の用意をしたりすると、家庭のなか全体に汚染リスクが拡大していくのです。それを避けたいと思いませんか?

白衣のままコンビニなどへ買い物にいくのも厳禁です。白衣に付着した血液やだ液などの感染源に新型コロナウイルスの可能性があるからです。知らずに素手で触ってしまい、お勘定の際に渡す現金やカードを通じてコンビニの店員さんや、他のお客さんに汚染物質を拡散させてしまう危険があります。白衣が危険な汚染物であることを考えて行動しなければなりません。

白衣の上からカーディガンを羽織る方も多くみられます。カーディガンは毎日洗濯していますか?カーディガンは白衣と同じように、診療中に飛び散る血液やだ液などの感染源で汚染されています。ヒト・コロナウイルスは、室温で金属、ガラス、プラスチックなどの表面に最大9日間生存するそうです。血液中に含まれるB型肝炎ウイルスは、乾燥状態で1週間経過しても感染力を持つことが動物実験で報告されており、衣服に付着した血液からの感染が疑われる症例も報告されているのです。お昼休みにカーディガンのまま昼食をとると、知らず知らずのうちにカーディガンの表面に手が触れてしまい、新型コロナウイルスや肝炎に感染する危険があるのです。

最近はスクラブを着用している歯科医院が多いようです。歯科治療は患者さんの口腔内をのぞき込むため、かがんだ姿勢で処置をします。スクラブはV首で開口部分が大きいので、歯科医師の形成の介助や超音波スケーラーを使用するときに、胸部までしぶきがかかったことがある方は多いと思います。腕も肩の手前まで汚染されます。対策として、丸首で胸部が覆われて長袖の着衣、例えば丸首のTシャツをスクラブの下に着用して毎日洗濯して交換するようにしましょう。できれば医院で1人2着を買って支給していただきたいと思います。

白衣通勤は出勤時はやむを得ないとしても、退勤時には必ず汚れた白衣を脱いで、衣服を変えて帰りましょう。自分達で自分達の感染リスクを低下させる意識を持ちましょう。

以上